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ヘルタースケルターのネタバレと感想!実写化の原作を読むならココ!

ヘルタースケルター

この記事は約 5 分で読めます。
タイトル ヘルタースケルター
原作・漫画 岡崎京子
出版社 祥伝社

完璧なルックスを誇るモデル、りりこ。
大人気を誇る彼女でしたが、
実はそのボディは整形によるもので……

度を越した人造美を持つ
一人の女性を主題に、

美しさや人の情念の怖さ、
呪縛のような執着を
見事に描き切った名作です。

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ヘルタースケルターのあらすじ紹介

完璧なルックスとスタイルで大人気の、
若手モデル、りりこ。

しかし彼女は全身のほとんどを整形した、
人工的に作られた「美女」であり、

強引に作った肉体を保持するため、
副作用のきつい薬を常用しています。

その上で多忙なスケジュールでは
当然体にも悪影響が出ますが、
りりこは突っ走り続けます。

ある時はマネージャーと乱交し、
またある時は仕事を投げ出し、

それでも彼女は「りりこ」を
やめずにいるのでした。

しかし、彼女の後ろ暗い秘密に
迫る者もいました。

ヘルタースケルターのネタバレと今後の展開は?

完璧なルックスを持つが故に、
世の若い女性の憧れになっている、
モデル、りりこ。

しかし、彼女の全身はくまなく
整形された「作り物」でした。

常識では有り得ないほどの
強烈な手術を繰り返した、
その結果として肉体は壊れ、

そのメンテナンスのために、
さらなる手術をする必要が出てくる
ひどい悪循環。

しかし過密なスケジュールは続き、
御曹司との恋にも破れるなど、
彼女への負担は強くなる一方。

マネージャーを乱交に引き込んでも、
強い薬をやっても、一向に気は晴れず、
りりこの心身はどんどん限界に近付きます。

一方、りりこの手術を行った病院にも、
捜査の手が伸びてきます。

法外な手術料を取られた挙句、深刻な
後遺症に悩まされた女性が自ら死を選ぶなど、
社会的にも深刻な事態が生じていたのです。

さらにはりりこも、日々コンディションが
悪化していく中で自分を保つことができず、
仕事をドタキャンしては好感度を下げ、

そしてついにはモデルとしての業務を
干させるところにまで至ってしまいます。

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ヘルタースケルターの読んでみた感想・評価

りりこの存在感が強烈でしたね。
全身をくまなく整形し、
しかも薬がないと姿を保てない。

かと言って他に才能はなく、
歌や演技を身につけもせず、
さらには一切自分を語らない。

しかし、そこまで何もないのに
彼女は「りりこ」であることを
決して止めようとはしません。

完璧なモデルとしての表の顔と、
家事も暇つぶしもできない
個人としての裏の顔。

このギャップは強烈であり、
しかも壊れ方もハードです。

一体何が本当の彼女なのか?

暇つぶしに乱倫を続け、
かんしゃくを爆発させ、
あるいは泣きわめく彼女に、

もっと違った顔があるのか?

本来、単にルックスが良いモデル、
「使い捨てのスター」に過ぎない
りりこの生き様が、

異様なほどの存在感を持って、
読み手に迫ってきました。

どうしてりりこは美にハマったのか、
りりこを売り出した「ママ」は、
あそこまでの無茶をさせたのか。

そして、りりこを改造した「先生」は
何故あそこまで突き抜けたのか……

恐らく、りりこが語ってくれれば、
我々もその一端を知れるのでしょう。

しかし、何もないが故に彼女は、
簡単には答えをくれはしません……

ヘルタースケルターはこんな方におすすめな作品!必見

いつまでも若くいたい、美しくありたい、
そうした思いは多くの人に共通しています。

しかし化粧ならともかく、自分の体を変える
整形というのはまさしく身を削る行為であり、
成果には必ず代償がついて回ります。

しかもそれが「仕事」になってしまうと、
もう容易には抜けることができません。
何故なら辞めることは、

必死に培ってきた美しさを捨て、
しかも自分の立ち位置すら
完全に放棄することになるのです。

本作は主人公のりりこを、
極端なまでの「人造美」の象徴に
描いています。

本人が消滅するほどの整形をするなら、
それなりの「理由」があるはずですが、

りりこの「こだわり」には
通常の動機を超えるものがあります。

果たして彼女はキレイでいたいのか、
それとも醜くないだけなのか?

濃密過ぎる情念は、彼女がプロで、
かつ演技もトークも下手なことにも
明らかに起因しているわけで、

その点から言えば、本作の持つ
奇妙な切迫感と空虚感は、他の

整形をテーマにした作品とは
「何か」違うような気がします。

そして、整形にハマれるのは
それだけ生活が豊かになり、

食べ物や衣服では差がつかない
国全体の豊かさのようなものが
社会に満たされた証拠でもあります。

分量は短い本作が、
ずっと後になって映画になったりと
再評価されているのも

異端さに包まれた普遍性が故、
かも知れません。

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