タイトル | お酒は夫婦になってから |
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原作・漫画 | クリスタルな洋介 |
出版社 | 小学館 |
会社ではクールで頼れる主任の千里。
しかしそんな千里も家では、
「素」の状態でお酒を満喫。
色々なカクテルを、自宅などで
マイペースでじっくりと楽しむ、
今風のお酒の楽しみ方を提案し、
千里の可愛い酔い姿も満喫できる、
アニメ化もされた大人気お酒漫画です。
お酒は夫婦になってからのあらすじ紹介
仕事ができて、部下の信頼も厚く、
周囲からの評価が高い水沢千里。
一見クールで頼れる彼女の「秘密」は、
「お酒」にありました。
会社ではまったくそんな素振りは
見せない千里ですが、一度飲むと、
甘えん坊でちょっとワガママな、
可愛らしい本性が、全面に
出てきてしまうのでした。
そんな千里のお相手は、
旦那様のソラ君。
彼の本業はデザイナーですが、
お酒についての知識も豊富で、
様々なカクテルを作っては、
千里に「しふく!」と言わせる
大満足を経験させていくのでした。
お酒は夫婦になってからのネタバレと今後の展開は?
デキるOLとして周りからの
信頼も厚い水沢千里。
仕事ぶりは的確でクール、
しかも部下のフォローも
嫌な顔せず行う人情味と、
性格面でも優れていましたが、
飲み会にだけは参加しません。
しかしお酒が苦手ではなく、
むしろ本当は大好き。
ただ酔ってしまうと性格が
変わってしまうから、
敬遠していたのでした。
もっともその酔い方も
人に迷惑をかけるものではなく、
旦那様のソラが作った、
絶品カクテルを飲み干して、
「しふく」と、楽しい時間を
満喫していきます。
仕事の時とはまったく違う表情で
お酒を楽しむひと時は
彼女にとって代えがたいものでした。
とは言え「素」の千里さんは
なかなかの甘えん坊さんで、
預かってきたワンちゃんに、
ソラくんの膝を取られただけで、
ちょっと不機嫌になってしまうなど、
子供っぽい姿を見せてしまうことも。
ただ一方のソラ君は、あくまで
奥様思いの誠意ある青年で、
千里とソラが初めて飲んだお酒も、
正確に記憶していて、
さらにアレンジも加えてくれるので、
いつも千里さんは大満足でした。
お酒は夫婦になってからの読んでみた感想・評価
普通のお酒本とは
またちょっと違う、
「距離」の取り方が新鮮でした。
お酒は嫌いじゃないし、
友達と飲むのは好きだけど、
会社などの飲み会には馴染めない……、
特に上司や上役の機嫌を
頑張って取らなければならない状況が
とても辛くて行く気がしない。
そんな感じの思いを持っていた私には、
本作はまさに「画期的」でしたね。
お酒をテーマとした作品の場合、
やはり主人公は大のお酒好き、
しかも酒席や宴会が大好きで、
一旦アルコールが入ると、
テンションも加速度的に上昇し、
大変なことになったりします。
作品として見る分には笑えて、
面白いのですが、現実に
置きかえて見るとどうにも辛く、
心の底から物語を満喫するには
至るのは難しい部分もありました。
しかし本作の千里さんは、
「引け目」の部分があるにせよ
会社では極めて抑制的、
愛する旦那様の前では
自分を出していくものの、
そこでも至って大人しいんですね。
この「抑制と配慮」は、
他の作品にはあまり見られない
斬新な構図であり、
現代流のお酒との付き合い方を
うまく提案しているようにも
感じることができました。
お酒は夫婦になってからはこんな方におすすめな作品!必見
大人の楽しみにも色々ありますが、
やはりお酒が一番という人も多いですね。
しかし、仕事絡みでの飲みですと、
どうしても「立場」が絡んでしまったり、
無自覚なパワハラの温床になったりして、
最近は敬遠されがちで、同僚や、
上司の前では酔っ払う姿を見せたくない、
そう考える方もおられると思います。
本作の千里さんはまさにそうしたタイプ。
主任という部下がいる立場ながら、
部下を強引に飲みには連れていかず、
会社での飲み会にも消極的なほどで、
もっぱら最愛の夫だけが知るような
個人的な空間でお酒を楽しんでいます。
そうした周りへの配慮は極めて現代的で、
お花見や宴会で酔い暴れるのとは真逆の
「配慮」に溢れている部分があり、
現実に酔客に嫌な思いをした方にも、
酔っ払いキャラが苦手な方にも、
安心して手に取れる「お酒漫画」です。
ガンガン飲みまくるぜ、的な作品には
なかなか見られない細やかさが
随所に感じられるのは、
男性だけではなく、むしろ、
楽しくお酒に親しみたい女性にも
最適の一作ではないかと思います。
アルハラなど様々な問題が提起され、
お酒と社会、そして個人が
どうやって付き合っていくか、
そんな現代に対して、
本作はある種の解答を
示しているようにすら感じます。
もちろん純粋なお酒本としても、
千里さんの良い飲みっぷりや
可愛らしい酔いっぷりは、
心底から癒されるものがあり、
お酒ファンにもオススメできる
一作であるとも言えますね。