タイトル | あひるの王子さま |
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原作・漫画 | 森永あい |
出版社 | マッグガーデン |
少女漫画界のコメディー作家
と言えば、森永あいさん。
その方が描いた
恋愛系ファンタジーコメディーです。
魔法あり・恋愛あり・笑いあり!
ある事故をきっかけにイケメンに変身した
主人公の白鳥君とその周囲の
恋愛模様がテーマとなっています。
あひるの王子さまのあらすじ紹介
主人公の白鳥はその見た目から
「ヘルメット」と呼ばれています。
童話アニメオタクで植物の世話が好きな白鳥
彼はその優しい性格と見た目から
周囲からは馬鹿にされ
学校には彼の居場所がありません。
そんな白鳥に優しく接してくれる
唯一の女の子が同級生のゆみこです。
ゆみこに次第に心惹かれていく白鳥ですが、
ゆみこは親の仕事の都合で
アメリカへ転校することになりました。
遂にゆみこの引っ越し当日、
ゆみこの愛犬「ミスター」が
脱走してしまいます。
白鳥は車にひかれそうになった
ミスターを助けようとし、
自分が事故に会ってしまいます。
手術後目を覚ました白鳥ですが、
なんと容姿がイケメンに変わっています。
これを機にそれまでの経歴を隠して
再度学校に入学する白鳥。
ゆみこがいない学校に
落ち込みながら登校します…。
ですが、なんと目の前には
…引っ越したはずのゆみこの姿が。
白鳥は自身が白鳥であることをゆみこに隠し、
ゆみこと接していきます。
さてこの状況で白鳥の恋の行方は
一体どうなるのでしょうか?
あひるの王子さまのネタバレと今後の展開は?
白鳥はイケメンの姿で、
ゆみこにアタックして行きます。
持ち前の優しさで
ゆみことの距離を縮めていくところに、
再びゆみこの愛犬ミスターが現れます。
いきなり人語を話し始めるミスター、
話を聞くと…
実はミスターは魔法使いだったのです。
白鳥の容姿も自分を助けようとして
事故に会った白鳥を気の毒に思い、
ミスターが魔法で変えたものでした。
そのためゆみこと良いムードとなるも、
ミスターのいい加減な魔法のせいで、
時折、白鳥の魔法は解けてしまいます。
そして、元のさえない姿へと
戻ってしまいます。
戻ったところを何度かゆみこに
見らるのですが、ゆみこは元々の白鳥は
事故で亡くなったと思い込んでいます。
元の白鳥の姿をお化けと勘違いして恐れ、
最終的には神社でおはらいを頼みます。
おはらいの影響で
ゆみこに近づけなくなってしまった白鳥。
加えて白鳥のことを好きになってしまった
姉からのアタックや
ゆみこの彼氏の登場…。
白鳥の周りに波乱が巻き起こります。
そんな中白鳥は、実は
ゆみこが変身前の自分のことが
好きだったことを知ります。
そして、更に悩まされるのでした…。
あひるの王子さまの読んでみた感想・評価
森永あい先生が描く漫画に共通している点、
少女漫画ということを忘れるほど
笑ってしまいます。
しかし恋愛要素が全くないのかというと
そうではありません。
片思いに苦しむ女性の心境…
自分を通して
別の相手を見ている彼女に対する想い…
そんな、登場人物の切なさも描かれています。
笑いと切なさのバランスが良く、
読み終わった後に爽快感が残ります。
また作中では非日常的な「魔法」が話に
入ってくるのですが、魔法を使う登場人物が
全員自身の力をコントロールできません。
それによって「魔法」が
話を盛り上げるギャグ要素として
扱われている点も魅力的です。
本作の中で魔法が
プラス要因として働いたのは
白鳥のイケメン化だけではないでしょうか。
そのイケメン化も変身前の白鳥が
好きだったのですから、白鳥に対しては
マイナスに働いてしまっているのですが。
加えて作品の登場人物が魅力的な人ばかり。
森永あいさんの描く美男・美女は
とてもお綺麗で、特に白鳥の2番目の
姉が見せる泣き顔にはぐっとさせられます。
あひるの王子さまはこんな方におすすめな作品!必見
恋愛系の漫画が読みたいけど
切ないままで終わるのが嫌な方や、
とにかく笑いたい方に読んで欲しい漫画です。
話の中心が「それぞれの片思い」のため、
終始切ない展開ではあります。
しかし、登場人物のキャラの濃さや
吹き出し外に書かれている小ネタのせいで
笑いが止まりません。
また主人公の白鳥の性格がヘタレ系です。
とにかくイケメンが見たいという方、
年下の可愛らしい男子高校生や子犬系の男子
が好きな女性も楽しめます。
周りの登場人物に振り回され慌てる姿に
キュンとする方も多いはずです。
同系統の漫画を読みたい方には同じ作者さん
が描いた、『山田太郎ものがたり』や
「極楽青春ホッケー部」があります。
これらの作品は、恋愛方面は少なめです。
ですが、登場人物達のキャラの濃さや
振り回される主人公の姿は
「あひるの王子さま」と似たものがあります。
ですから、読んだ後に
似たような爽快感を得られます。
なお「山田太郎ものがたり」については
2007年にドラマ化もされています。