タイトル | たーたん |
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原作・漫画 | 西炯子 |
出版社 | 小学館 |
娘は知らない。
実の父親が人を殺して
刑務所にいることを。
俺が本当の父親ではないことを。
娘は知らないーー
未婚で童貞のまま
父親になった敦(43歳)。
彼が育てた鈴(15歳)は
実の娘ではない。
鈴の”本当の父親”は
人を殺したあの日
「必ず迎えに行く」
と言って捕まり…!?
たーたんのあらすじ紹介
主人公・上田敦(当時28歳)は
人生のどん底にいた。
大学を中退し職を転々とし
結果全財産5万円。
この5万円は
失業保険の最後の金である。
彼は全財産をかけて
童貞を捨てようとしている。
明日食うもののことなど
どうでもよかった。
意を決して大人のお店へ
入ろうとしたその時
携帯の着信音が鳴る。
相手は警察だった。
友人・葛木征司の名を出し
彼を知らないかと尋ねる。
聞くと人を殺した罪で
”逮捕”されたらしい。
15年前のその日
逮捕された友人の頼みで
女の子の赤ん坊・鈴を
引き取ることになった敦。
友人と別れる際
”必ず迎えに行く”
と言われるが…。
たーたんのネタバレと今後の展開は?
”必ず迎えに行く”ーー
そう言われたあの日から
15年の月日が流れます。
敦はあの日以来
童貞のまま”父親”となり
赤ん坊・鈴を育てました。
鈴は健やかに成長し
今や中学三年生。
最近は思春期のせいか
少し生意気です。
けれど幼い頃から
敦を”たーたん”と呼ぶのは
今も変わっていません…。
一方中年の敦は
宅急便の配達員として
家計を支えていました。
今日も鈴の制服のスカートが
短いことを気にしつつ
自転車に乗って
職場へ出勤します。
すると職場で
新入り・片岡を紹介されます。
片岡は若く可愛い女の子で
愛想よく笑みを浮かべます。
それに対し敦は
コソコソと挨拶して
逃げるように去りました。
周囲の人間には片岡に
興味ないように振る舞うものの
本当は彼女のことを
”可愛い”と思っており…。
夕方になると中学校では
鈴が部活に精を出していました。
下校する時は
同級生の男の子
川畑と一緒に帰ります。
そこで川畑がサッカー部を
辞めることを聞かされました。
夏まではやればいいじゃん
と納得できない鈴。
それでも
辞める決意を固めた川畑に
がっかりだよと呟きます。
その頃敦は
娘の密かな想いも知らず
今日も必死で働きますが…。
たーたんの読んでみた感想・評価
人を殺した父の代わりに
未婚の友人(童貞)が
子どもを育てる…
重いストーリーですが
優しくふんわりした
絵柄に惹かれます。
どこか見覚えあるな~
と思ったら
『お父さんチビが
いなくなりました』の
西炯子さんだったんですね!
この方の作風は個性的で
画力のレベルも高くて好きです。
鈴は丸くて大きな瞳が
とても可愛らしい。
2巻には彼女の母親
(高校時代)が登場しました。
名前は三宅智絵だったかな?
鈴の実の母親なだけあって
彼女も超美人です!
清楚な智絵を射止めたのが
あの葛木征司でした。
征司はイケメンだけど
女癖の悪い男で…。
どうして真面目そうな智絵が
彼と付き合い始めたのかは
分かりません。
きっと大人になっても
付き合っていたのでしょう
(それか結婚した?)。
こうして鈴が
生まれたんですね…。
作中では
”迎えに来るまであと1年”
と敦が言っていました。
その時鈴はどんな
反応をするんだろう。
征司は本当に迎えに来るのか?
結末がとても気になります!
たーたんはこんな方におすすめな作品!必見
ワケありの家族を描く
青年マンガに出会いたい…。
そんな方には
「たーたん」がおすすめです!
本作はどこにでもいるような
平凡な中年・敦を主人公に
ワケありの娘・鈴との
日常を描くコメディー。
手がけるのは
『娚の一生』などで有名な
漫画家・西炯子さんです。
西さんの絵柄は
色合いがふわっとしていて
あたたかい気持ちになれます。
本作もきっと
ほっこりしますよ~。
人を殺した友人の代わりに
童貞のまま”父親”になり
以来15年間
娘・鈴を育ててきた敦。
ストーリーは重い感じですが
愛情込めて鈴を育てる敦は
苦労しているものの
鈴といる時は幸せそうで
見ているこちらも幸せな
気分になれます…。
鈴は思春期の中学生で
少し生意気ですが
敦を父親として大事に
思っていることが分かります。
敦と鈴はまるで
本当の家族のようで
ワケありには見えません。
メイクを覚えた鈴に
男(彼氏)ができたのか
と不安を募らせる敦の様子は
いかにもお父さんらしくて
クスッと笑えます。
2巻では敦の過去が
明かされるので必見ですよ。