タイトル | ひるなかの流星 |
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原作・漫画 | やまもり三香 |
出版社 | 集英社 |
優しくて頼り甲斐のある先生
「獅子尾」と女子慣れしてないクラスメイト
「馬村」の二人に想いを寄せられる
女子高校生「すずめ」の
恋のゆくえは?!
都会の高校に転向してきたばかりで
都会の流儀もわからない、田舎育ちの
少女の青春と恋愛を描く
ハートウォーミングストーリー!
ひるなかの流星のあらすじ紹介
両親の海外転勤により、単独で、
東京のおじさんの家に預けられる
ことになった、高校一年生の
「与謝野 すずめ」。
おじさんの営む飲食店の常連客であり、
後に、すずめの高校の担任の先生で
あることが判明する男性
「獅子尾 五月」と出会い、
田舎育ちで都会の流儀に戸惑いながらも、
少しずつ周囲に溶け込もうとしていきます。
高校に通い始めたすずめは、隣の席の
男子「馬村 大輝」に声を掛け、
友達になろうとしますが、イケメンなのに
女慣れしていない馬村は
顔を赤らめてしまいます。
赤面してしまう馬村にかまわず、
友達宣言するすずめ。
いつも明るく元気なすずめの姿に、
シャイな馬村も少しずつ
惹かれていきます。
一方、田舎からの転校生であるすずめに、
受け入れる側の都会の女子高生たちは、
ちょっとしたいたずらを仕掛けますが、
すずめはいじめられている状況も
乗り越えて、逆に仲良くなる離れ業を
やってのけ、少しずつ高校生活に
馴染んでいきます。
すずめの行動をハラハラとした気持ちで
見守り、時に手助けしていく
獅子尾もまた、少しずつすずめを
意識し始めていきます。
ひるなかの流星のネタバレと今後の展開は?
女子高生のすずめは田舎育ちのため、
女性らしからぬワンパクさがあり、
多少のことでは物怖じしないのですが、
恋愛となるとおじけずいてしまう
キャラクターです。
そんな恋愛の膠着状態は、すずめの
周囲の、都会育ちの女友達が上手く
サポートする形で話が展開していきます。
序盤、高校に馴染めず、ちょっとした
いじめにあうすずめに対し、担任の
教師・獅子尾は、先生と生徒という
立場を逸脱しないように気を配りながら、
優しく接します。
様々な出来事が起きる中、すずめと
獅子尾はお互い少しずつ恋愛対象として
意識し始めていきます。
それぞれが相手のことを好きであると
自覚しつつ、付かず離れずの展開が
続く中、イケメンなのにテレ屋という
クラスメイト男子・馬村もすずめの
ことが好きになっていきます。
物語の中盤で、すずめと獅子尾は
お互いの気持ちを打ち明けあい、
紆余曲折を経て、やっと
付き合うようになります。
でも、憧れの獅子尾と心が
通じ合っても、そこはやはり先生と
生徒という立場が二人の邪魔をします。
二人の関係はそれ以上に深く
進むことはなく、それ以上に仲が
こじれる状態も増えていきます。
そんな中でも、クラスメイトの
男子・馬村は、常にすずめを
大事に見守っていました。
すずめが獅子尾にフラれ、その言動に
ショックを受けている時も、いつも
馬村はその気持ちに寄り添い、
優しく接します。
終盤、一連の馬村の優しさに気付いた
すずめは、再度告白してきた獅子尾を
振り切り、馬村と付き合う
決心をするのでした。
ひるなかの流星の読んでみた感想・評価
少女漫画の王道ともいえる、
系統の違う二人の男子から想いを
寄せられる主人公、という
ラブストーリーです。
明るく元気な主人公・すずめですが、
うじうじと恋愛に悩む姿や結論に至る
考え方等が、キチンと描写されていて、
女性が共感できる
ストーリー展開になっています。
男性二人は「担任の先生」と
「クラスメイト」という形で主人公に
接するのですが、主人公に伝える
言葉や態度のセンスがよく、必ず
女性がキュンとなるセリフが
散りばめられていて、どちらの
キャラクターも魅力的に描かれています。
担任の先生は、単なる大人の男性という
立場と先生という立場の両方の視点で
恋に悩む姿が描かれ、クラスメイト側は
常日頃から主人公に優しく接し、
主人公の心がこちらを向いて
くれるのをじっくり待っている様子が
描かれていて、主人公が最終的に
どちらの男性を選ぶのが、
最後まで目が離せない
展開になっています。
絵柄も綺麗でさっぱりとしていて、
女性は可愛く、男性が
カッコいいので、読みやすく、
話もわかりやすく納得感があり、
読後感もスッキリしています。
実写映画化されたのも納得の、
幅広い年齢層におすすめの
女性好みのストーリーになっています。
ひるなかの流星はこんな方におすすめな作品!必見
女子高生が主人公ということで、
女子高生から上の年齢の方に
オススメです。
高校生の頃、憧れていた先生が
いた方などは、共感できるエピソードも
多いと思います。
奇をてらったような場面設定等は無く、
途中ベタな展開もありますが、
エピソード選びやセリフ回しが
上手で、読みごたえがあり、
ラブストーリー好きな方全般に
おすすめできる作品です。
尚、この「ひるなかの流星」の
作者である「やまもり三香」さんは、
この作品の連載を終えた後、現在
「椿町ロンリープラネット」という
漫画を連載中です。
椿町ロンリープラネットは、住み込み
家政婦の女子高生と若い時代
小説家の恋愛を描いていて、
高校生の生活と恋愛を中心に
したひるなかの流星とは
シチュエーションこそ異なりますが、
主人公が女子高生という点や憧れの
男性へ思いが通じるかどうか
ハラハラする点、男性のちょっとした
言動で揺れ動く乙女心などが
描かれています。
見方によっては似た系統と
いえる作品ですので、ひるなかの
流星のストーリー展開がお好きな方には、
この椿町ロンリープラネットも
おすすめです。