タイトル | またあした |
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原作・漫画 | 村田真優 |
出版社 | 集英社 |
高校入学まで恋愛とは
まったく縁がなかった永遠は、
まったくの偶然から、
イケメンで腕っ節の強い望と
仲良くなり始め……。
照れ屋な女の子の勇気や元気が、
受け身だけではない環境を生む、
人を切らないが故の温和さもある、
ハートフル系恋愛漫画です。
またあしたのあらすじ紹介
女子同士の集まりが楽しい上に、
男子が近付くと赤面するほどの
照れ屋さんだったため、
高校に入るまで恋をしなかった永遠は、
登校中イケメンの男の子と
鉢合わせになります。
彼の名は望と言って、
悪いことでも有名な男子で、
柄が悪い友達もいましたが、
永遠は望が実はいい子なのを見抜き、
悪い噂からかばった上で、
友達になろうと呼びかけます。
望もこれを快諾し、二人の仲は
急激に縮まっていきますが、
もう一人のイケメン孔雀君も、
永遠には興味を示すなど、
彼女を取り巻く環境は
大きく変わろうとしていたのでした。
またあしたのネタバレと今後の展開は?
高校入学早々、寝坊しかけた
椛永遠。
もっとも毎日仲良く登校する
友達がいるので遅刻の心配は
あまりありませんでしたが、
女子同士で仲が良過ぎる上、
男子が近付くと顔が赤くなる
永遠には出会いがありません。
しかしせっかく高校に入ったのだからと
やる気になってみせた永遠は、
落書きされた壁から降りてきた、
まるで天使のような雰囲気のイケメンと
鉢合わせになりました。
ただその彼は柄の悪い友達に囲まれ、
自身も顔の良さと喧嘩で有名だった
豹藤望という少年でした。
しかし永遠は入学式で、一見
オラついたように見えた彼が、
自分の友達の悪口に怒ったのだと、
冷静に見て取った上に、
さらに良くない噂が広がりそうな望を、
真実を口にしてかばいます。
不器用ではあるものの友達思いで
純情な一面がある望の本質を
見て取った永遠は思わず、
友達になって下さいと言ってから、
自分が傷をつけてしまった望の頬に
絆創膏を貼り付けます。
すると自分と同じぐらいに、
望は真っ赤になってしまい、
永遠はそんな望に向かって、
「のんちゃんって呼んでいい?」と
さらに距離を縮めていくのでした。
またあしたの読んでみた感想・評価
高校という新しい世界に入って、
恋を経験していく最中でも、
ごく自然な形でその相手以外の人との、
交流や成長が生まれていく、
非常に青春漫画として
落ち着きがある作品でしたね。
中学から高校に上がったタイミングで、
今までと違うことや恋を始めようとして、
気合いが入ることは珍しくありません。
しかしそうした場合、現実でも創作でも、
今までの付き合いや生活バランスを、
崩してしまうケースも多いものです。
しかし本作の永遠は、「黒い天使」の
望くんと出会い仲良くなるまでに、
一切友達を切らずに話が進み、
また望君の友達とも仲良くなるなど、
まったくバランスを崩していない
安定感があるんですね。
それは、男子が近付くと顔が
ハバネロのようになってしまう永久が、
意外と心身ともに強く、
周りに流されないものを
確かに持っているからであり、
そうした部分は素直に痛快でした。
また、一見悪そうに見える望君も、
友達のために怒れる男気と、
女の子の前で赤面する純情さがあり、
中性的な顔立ちもあいまって、
ヒロインっぽい雰囲気が漂っているのも
作品のイメージに良く合っていました。
互いに好きになるから恋が生まれますが、
それには人として敬意を持ちたいという
リアルな人間関係の常道を、
無理することなく少女漫画的な文脈に
落とし込んでくれていたのも
嬉しいところでしたね。
またあしたはこんな方におすすめな作品!必見
ちょっと奥手で照れ屋さんな女の子が、
何かのきっかけで恋をしていく……、
恋愛漫画のまさしく定番な感じですが、
そうした作品の多くはどうしても、
性格や能力的な性質もあって、
女の子側が受け身なことがが多いですね。
それはある意味では当然なのですが、
やはり勇気を持って恋をする以上、
様々な局面で積極的に動ける、
表面的ではない本質的な元気さを、
ヒロインには求めたくなるものです。
その点、本作の永遠は、男の子の前だと
ハバネロのように顔が赤くなるという
完全な照れ屋さんながら、
スケボーを自在に乗りこなし、
凄い握力を持つなど、見た目に似合わず、
かなり強力な肉体派です。
お相手の望君たちもなかなかタフで、
元気の良い恋愛物語を満喫したいなら
本作をオススメできるでしょう。
一方で、年頃の女の子らしい感じの
恥ずかしがりな感じや慎ましさもあり、
永遠の目線で見ても、望君目線でも、
かなりキュンキュンできる描写が多く、
ヤキモキせずに読み進めていけます。
また、タフ系のキャラと言っても
きちんと見た目には気を遣えるタイプの
人たちが揃っていますので、
良い意味での今時の高校生らしさや
繊細さなどの、本筋に関わるような部分も
フォローされているのは嬉しいですね。