タイトル | もののべ古書店怪奇譚 |
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原作・漫画 | 紺吉 |
出版社 | マッグガーデン |
言葉数の少ない古書店主の正太郎と
一緒に住む少年シロ。
表向きは本の売買だが
裏では鬼が書いたとされる本、
鬼書を回収していた。
関わりを好まない正太郎が鬼書絡みの事件を
解決しながらいろんな人と関わっていく、
猟奇的で幻想的なお話。
もののべ古書店怪奇譚のあらすじ紹介
鬼書は人を呼び、人は鬼書を手にする。
鬼が書いたとされるそれを手にすると
自らが鬼になり、人を食べてしまう。
表向きは言葉数の少ない古書店主の正太郎と
やんちゃで素直なシロ。
しかし、鬼書回収となると
鬼を食べんとする神虫シロと、
シロに従う猟書鬼、正太郎だった。
人を食べないと誓った正太郎は
旧友が営んでいた古書店を継ぎ、
読み物にふける毎日。
平穏に暮らしたい正太郎だが
周りがそうさせてくれない。
鬼でありながらも人と関わっていく正太郎は
自分は他と違うことを感じてしまう。
満たされないものを感じながら葛藤していく
もののべ古書店怪奇譚のネタバレと今後の展開は?
鬼書によってなる鬼は
それぞれ体の一部を好んで食べる。
鬼によって食べられた死体から
鬼が何を好んで食べるかを割り出し、
何の鬼か探っていく。
ある場所で子供がいなくなったり、
妊婦の腹から胎児を引き出される事件が多発
鬼書がらみと考えて正太郎とシロは
その場所を訪れ、人に化けた鬼を探す。
そして行き着いた先は最初に会い、
宿を紹介してくれた親切な駐在だった。
鬼の名は童一口(わらべひとくち)。
幼い子を愛でる(食べる)鬼だった。
真の名がばれた鬼は
化け物に姿を変え正太郎を襲う。
劣勢を極めた正太郎だが
自分も鬼に姿を変え立ち向かい、
童一口を倒した。
倒された童一口は
神虫シロに食べられる。
こうして鬼を倒し
鬼書を回収していく正太郎たち。
鬼書はある程度たまってきたら
人里離れた場所で鬼書を研究している作家、
夜木(よぎ)のもとへ預ける。
研究の一環として
鬼書の保管と書き写しをしている。
鬼書に書かれている字は
全て鬼の血で書かれているため、
書き写しても偽物は全く影響を及ぼさない。
そして夜木もまた、鬼である。
もののべ古書店怪奇譚の読んでみた感想・評価
ブラックファンタジー要素もあり…
時代のレトロもあり…
主従もあり…
この掛け合いは
なかなかない作風で興味を惹かれた。
試し読みから始めて単行本を買ったけど
ストーリーは面白かったし
絵も綺麗でとても素晴らしかった。
ブラックファンタジーのため、
少しグロかったり、怖い部分もある。
しかしそれらをカバーする
正太郎の戦闘シーンもみどころである。
正太郎のルックスと無口なところ、
シロのやんちゃだけど裏があるところが
個人的に好みで大絶賛したい。
神虫としての冷静で無情なシロと
やんちゃなシロのギャップがいい。
最初はかわいい少年だと侮っていたが
裏の顔を見せられたときの驚きは半端ない。
そして大正時代あたりの服装だろうか…
レトロ感がこじゃれていて
登場人物の服装がおしゃれ。
一巻の最後あたりでシロが腹を空かせて
正太郎を食べようとしたときの
正太郎の言葉がとても切なく思った。
そして一巻の最後の最後に見せた
正太郎の笑顔がたまらなく好きだ。
もののべ古書店怪奇譚はこんな方におすすめな作品!必見
ブラックファンタジーが好きな方…
大正時代を背景にした和の漫画や
主従が好きな方
そんな方たちにぜひ読んでもらいたい。
和の要素があるが
ブラックファンタジーに分類されると思う。
鬼の化け物も出てくるが正太郎の鬼姿は
実にかっこいい。
そして意外と
敵キャラクターの鬼姿もかっこいい。
ぜひ観てほしい。
ブラックファンタジー系の漫画を
紹介するならば、D.Gray-man。
大正時代を背景にした漫画が
好きな人は多いと思われる。
服装が女であっても男であっても
とても素敵だからだ。
和と洋のバランスがうまく取り込んであり、
現代でさえダサいと思わせない。
主従系の漫画はたくさんあるが、
もののべ古書店怪奇耽譚のような
少年×青年のような関係は多くない。
そこにツボを持っていかれる人は多いはず。
そして二人とも人ではない…。
主従系の漫画は
妖狐×僕SS
(いぬ×ぼくシークレットサービス)。
こちらも登場人物が皆ではなく、
もののべ古書店怪奇譚が
気に入った人はこちらも気に入るはず。