タイトル | るろうに剣心―明治剣客浪漫譚― |
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原作・漫画 | 和月伸宏 |
出版社 | 集英社 |
日本が動乱の炎に燃え、時代が明治へと、
文明開化と変革に揺れ動いていた幕末。
国の命運をかけた騒乱の中で
最強の剣士として名を馳せた、
伝説の侍「人斬り抜刀斎」。
動乱終結と明治維新平定後。
彼はかつての名を捨て、
不殺さずの逆刃刀を携えた
流浪人──
緋村剣心(ひむら・けんしん)となる。
人を守る為に明治の時代を生きていく、
るろうにの物語。
「るろうに剣心―明治剣客浪漫譚―」について
るろうに剣心―明治剣客浪漫譚―あらすじ紹介
黒船来航以降に起こった幕末の動乱期。
その渦中となった地──京都にて、
最強の剣士として謳われ、
恐れられた一人の志士がいた。
幕府要人暗殺と
最強の剣客集団新選組と幾度となく対峙。
多くの人を斬り、血刃の果てに
屍山血河を生みだしてきた
修羅の人斬りである
緋村抜刀斎(ひむら・ばっとうさい)。
動乱の幕末の終焉と共に、その姿を消し、
抜刀斎の名と最強の称号を残し、
変革を迎える歴史の闇へと消えていった。
だが、明治11年。
江戸から東京と名を変えた首都の下町にて、
再び、彼の物語が始まる事となる。
その日の晩。
夜の東京にて「人斬り抜刀斎」を名乗る
兇刃事件が発生していた。
そんな夜に、廃刀令が布かれた明治の時代に
帯刀していた一人の男と、
一人の少女が出逢ってしまう。
彼女の名前は神谷薫(かみや・おる)と言い、
木刀を片手に男を「人斬り抜刀斎」と
叫び打ち込むが、軽やかに躱されてしまう。
が、避けた先の塀に激突し、
そのままのびてしまう男。
これが抜刀斎かとあきれている中で、男は言う。
自分は流浪人と、
あてのない旅の剣客だと言う彼。
勘違いに顔を赤くする彼女は、
腰の刀をどう説明するのかと問いただすが、
彼の携える刀は逆刃の刀。
人を斬るにはあまりにも不向きで、
血の汚れも油の曇りの一つの無い、
新品同様の刀だった。
なぜこんな使えない刀をと
問う薫の言葉の前に、
響く呼笛の音。
今度こそと、駆ける彼女。
今もなおも凶行を続ける
抜刀斎に挑もうとする
彼女の運命は如何に──!?
るろうに剣心―明治剣客浪漫譚―ネタバレ・今後の展開
かつて最強の剣客として
謳われた維新志士である
緋村抜刀斎こと人斬り抜刀斎の
伝説が根強く残る明治の世。
あてもなくに流れ、
一人の浪人として過ごす剣客である
緋村剣心(ひむら・けんしん)。
かつて抜刀斎と呼ばれた本人でした。
そんな相手とはつゆ知らず。
人斬り抜刀斎を追う神谷薫の目的は、
神谷活心流の名を語る抜刀斎を
捕まえる事でした。
警官隊に取り囲まれ、
それをものともしない大男の剣客。
刺客は警官を斬殺していました。
怯む警官達をおいて
一人立ち向かう薫。
抜刀斎を名乗るだけあって
押されてしまいます。
右腕に傷を負い、
その隙をついて追い詰めようとする
抜刀斎の一撃。
薫を斬り殺そうとしたその一刃は、
彼女に振り下ろされる事なく、
剣心によって救われます。
抜刀斎を名乗る男は、
神谷活心流の人斬り抜刀斎と名乗り、
去っていきます。
自分の家の流派を勝手に名乗られ、
辻斬りをされ、汚名を着せられている彼女。
なんとしても抜刀斎を捕らえようとします。
しかし、深手を負った身で
追いかけるのは危険だと、
剣心は彼女を連れてその場を逃げだします。
そして彼女の住まいである神谷活心流の
道場へと訪れます。
が、文明開化の世に
道場は閑古鳥が鳴いていました。
彼女一人しかいない剣術道場。
死んだ父が遺した道場です。
人を活かす理念の流派を守る為に、
自分の流派を汚す緋村抜刀斎を
掴まえなければいけないと、
躍起になっている薫。
剣心はどう動くのでしょうか?
るろうに剣心―明治剣客浪漫譚―読んでみた感想・評価
和月伸宏先生の代表作とも言える
「るろうに剣心 ─明治剣客浪漫譚─」
1990年代のジャンプ漫画を
代表する作品の一つ。
和月伸宏先生の代表作
とも言える作品でもあります。
当時、時代物の漫画はジャンプにおいては
鬼門として扱われていました。
和月先生が題材にしようとしていたのは、
取り扱いが難しいとされていた
明治時代でした。
ジャンプで時代物の主とした
舞台となっていたのは、
戦国時代などが支流でした。
それ以降の時代は難しく、
また明治時代ともなると読者が難しくて
ついてこないと敬遠されていました。
ですが、和月先生はあえて
挑戦する人が少なかった
明治時代のジャンルに挑戦。
新しいジャンルの時代物漫画を
確立する事に至りました。
剣戟の時代物としては、
新しい挑戦が試みられていた作品でもある今作。
明治時代を舞台に、幕末に活躍した
かつての新選組や赤報隊。
また明治時代を代表する
大久保利通(おおくぼ・としみち)に、
斎藤一(さいとう・はじめ)など。
実在の登場人物などを物語に折り込み、
ただの時代物漫画ではなく、
バトル漫画としての作面も活かしています。
ジャンプを代表する作品として
人気を博した今作品。
後の時代物作品の新しい形を
作ったとも言われています。
また殺さずの誓いを立てた主人公の緋村剣心は、
当時のジャンプ漫画においても
異色の主人公像でした。
それまでのジャンプの主人公は逞しく、
そして筋骨隆々と、
男らしさを求められていた
キャラクターが支流でした。
が、その中で細く女性の容姿を持つも、
一たび戦いとなれば、無類の強さを発揮します。
新しい主人公像も創りだした今作品は、
後の美少年像やヒーロー像の在り方を変え、
一つのターニングポイントとなった作品です。
そんなのちの時代に大きな影響を
与える事となる今作品。
時代物の新しい息吹と、
感覚を楽しめる作品でもあります。
サムライ、時代物が好きな方におすすめ
かつて1990年代に学生として過ごした人や、
時代物が好きな人に読んでほしい作品。
それが「るろうに剣心―明治剣客浪漫譚―」です。
かつて最強と謳われた剣客──
緋村剣心が主人公。
最後の侍である剣心が、
逆刃刀で立ち塞がる悪漢を倒す物語に夢中になっていた。
あの頃の感動をそのままに
思い出せる内容です。
未だに色褪せずに残り、
またあの当時にはやっていた、
対戦ゲームなどの懐かしさもあります。
1990年代を思い出させてくれる内容。
かつてジャンプ作品を夢中になって読んでいた
気持ちを思い出せてくれます。
仕事疲れに、また気分がふさぎがちな日々を、
清涼としてくれる今作。
色褪せる事の無い、
昔のままの作品でありながらも、
今でも十分にその面白さを伝えてくれる今作。
剣士こと侍の強さを余す事なくに演出。
かつて興奮に月曜日を待ちどおしにしていた、
あの頃の気持ちを活力として与えてくれる、
心の清涼剤ともなってくれます。
また今の時代に生きる人にも
十分に楽しめる内容となっています。
後の作品に影響を与え、
また時代物ジャンルの
新しい新境地を作ったこの作品。
新ジャンルの切っ掛けとも言える
作品の元祖でもあります。
様々な発想の原点と挑戦の形を
漫画にした作品でもあります。
明治時代と、文明が開化した時代に、
侍として生き、
人を守る為に戦う剣心のカッコ良さ。
これぞ侍とも言える必殺技の数々など、
存分に楽しみたい人におススメな作品です。