タイトル | エンマ |
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原作・漫画 | 土屋計 ののやまさき |
出版社 | 講談社 |
時代を駆け
場所を超え
尽きせぬ業を裁くため
少女は冥府より現れるーー。
1500年頃…
激動の乱世と
いわれていた日本に
”人の骨を抜く”
バケモノがいた。
その名もエンマ。
冥界十王の一人
閻魔王の命で
戦を止めるべく
遣わされた彼女は
冷酷無情な男
黒部鬼政と出会い…。
エンマのあらすじ紹介
その無慈悲たるや
隣国を越えてもなお
悪評を知らぬ者はいない
といわれる男
黒部鬼政(くろべおにまさ)は
ひと月前に隣国・水沢家の
雨茶姫(あまちゃひめ)を
嫁として迎えた。
しかし鬼政が
水沢と同盟を結ぶ父を殺し
当主に成り代わった途端
同盟は決裂する。
家臣曰く
鬼政は水沢に対して
”何らかの恨み”が
あるらしいが…
今では幼い雨茶姫は
牢に閉じ込められている。
そんな黒部家に
奉公に来たエンマ。
見た目は
普通の少女だが
その正体は
”骨を抜く”バケモノで…!?
エンマのネタバレと今後の展開は?
ある日
台所の手伝いを
していたエンマは
女たちから
ある噂を聞きます。
「なんでも近頃
戦場に人の骨を抜く
バケモノが出るって」
「肉と皮だけになってさ
手足がグニャグニャに
なるんだと」
するとエンマが
「バケモノじゃねぇよ
オレが骨を抜いただ」
と言いました。
ですが女たちは
「エンマ!
馬鹿なこと言うんじゃないよ」
と信じようとしません。
その時
鬼政が現れました。
「その話ーー…
真(まこと)か?」
彼の殺気にただならぬ
恐怖を感じた一人の女は
ひざまずき
エンマを庇おうと
許しを乞います。
しかし鬼政は
女を邪魔だと言い
彼女のひざまずく手に
刀を刺しました。
台所に悲鳴が響く中
エンマは立ち向かいます。
「お前あやまれ!
おばさんにあやまれ!!」
全く物怖じせず
堂々としたエンマを
面白いと感じた鬼政は
彼女を無理やり
自分の部屋へ連れて行きます。
「お前は
儂(わし)が怖くないのか?」
鬼政にそう聞かれ
「どこが?」
と睨みながら答えるエンマ。
(見目はましだが
頭が足らん……か)
「名は?」
「エンマ。
冥界十王がひとり
閻魔王の命でここに来た」
聞くとエンマの言う
閻魔王のところでは
日々の戦で死んだ者が
冥府に溢れており
さすがの閻魔王でも
裁ききれなくなっている
らしく…
エンマは戦を止めるべく
遣わされたそうです。
鬼政はエンマの話を聞き
大笑いしますが…。
エンマの読んでみた感想・評価
”骨を抜く”
バケモノことエンマ。
片目が可愛らしい見た目と
男勝りな口調がいいですね!
戦う女の子って
かっこいいと思います。
今回のエピソード
『殿と雨茶』は
冷酷無情な鬼政の
想いにグッときました。
彼は無慈悲な振る舞いから
恐れられていましたが
本当は心優しい
一面もありました。
たとえば寝る時
まだ7歳の雨茶姫を
大事そうに抱き寄せたり
真夜中に文が届けば
起こさないよう
家臣に注意したり…
雨茶姫が牢に入ってからは
そっけなく花を投げ
与えたりとか。
「あれ(雨茶姫)は
戦が終われば殺す」
と言うのもきっと
嘘だったのでは…
と感じます。
もし鬼政が
雨茶姫だけでなく
家臣や民に優しければ
エンマに骨を抜かれることも
なかっただろうに…。
鬼政と雨茶姫の関係は
切なく悲しかったです。
骨を抜かれた最期は
エンマから鬼政の想いを
聞くことができました。
鬼政の亡骸を前に
雨茶姫は何を
感じたのでしょう…。
彼は女子供にも容赦せず
”鬼”のように無慈悲で
乱暴な男でしたが
来世では雨茶姫と
幸せに暮らしてほしい
と思いました。
エンマはこんな方におすすめな作品!必見
”地獄”にまつわる
時代モノを描いた
作品に出会いたい…。
そんな方には
「エンマ」がおすすめです!
”冥府(地獄)”から
やってきた少女・エンマを
主人公に描く本作は
少年マンガらしい
心にグッとくるストーリーが
とても魅力的です。
バイオレンス要素が
多くありますが
そこまで激しくないので
苦手な方でも安心して
楽しめるかと…。
作画を担当するのは
『天元突破グレンラガン
男シリーズ』で
素晴らしい絵を描く
ののやまさきさん。
本作はマイナーですが
面白さのレベルは
高いと思います!
どのエピソードも
飽きないですし
心にグッときますよ。
一番おすすめのエピソードは
『殿と雨茶』ですね~。
無慈悲で乱暴な殿と
幼く美しいお姫様の
切ないエピソードです。
別の言葉で言えば
おじさん×少女ですが…
このエピソードをきっかけに
本作にハマった方も
多いそうですよ!
年の差恋愛が好きな方なら
ハマるはずです。
エンマが骨を抜くシーンも
かっこよく描かれているので
必見です。