ジュリエットの娘のネタバレと気になる結末は？あらすじや感想もあり！

ライバル企業同士だった父母が
悲恋の末に心中してしまった
柏倉　あずみ。

悲惨な過去を持ちながらも、
精一杯元気良く、

「祖父」や「兄」たちと
生活を続けるあずみですが、
「兄」との結婚話が持ち上がり……

単なる恋愛話ではなく、

「結果」による辛さを正面から描く、
大人にも納得の少女漫画です。

ジュリエットの娘のあらすじ紹介

大化粧品メーカー「オーク」の
娘で、モデルをするほどの美貌を持つ、
柏倉　あずみ。

明朗快活で性格も良い彼女ですが、
彼女には、ライバル企業同士だった
両親が悲恋の末に心中し、

自分もそれに巻き込まれたという
辛い過去を持っていました。

また、彼女を引き取った祖父たちが、
万事においてあずみを優先し、
気遣ってくれることにも、

引け目を感じてもいました。

そんな中、「兄」である修一と
結婚するという話が
持ち上がってきました。

恋愛感情というより、庇護や
企業などの「大人の事情」が
優先される話ではありましたが、

周囲との関係を大事にする
あずみは、受け入れようとします。

しかし、彼女が好感を抱いている
先輩への思いは、なかなか
断ち切れはしませんでした。

ジュリエットの娘のネタバレと今後の展開は？

女子高生の傍らモデルもこなし、
大人たちからの注目を
集めている少女、　柏倉　あずみ。

容姿は抜群で明朗快活、
とても元気ないい子ですが、
あずみには暗い「背景」がありました。

ライバル企業の上層同士だった
父と母が、悲恋の末に車で
心中してしまっていたのです。

乗り合わせたあずみは幸い軽傷で、
目立った後遺症もなく
親族の家に引き取られましたが、

そのために「祖父」はあずみを
徹底的に優先し続け、
あずみはそのことに引け目を感じ、

窮屈な思いもしてきました。

「兄」である修一の撮影の
モデルになるのもそうした
恩返しの裏返しでもありましたが、

あくまで「兄」の修一との
結婚話が噂されたりと、
あずみの周囲は騒がしいままでした。

そしてあずみは、先輩である
吉住　守への恋愛感情を
再確認したところで、

修一からあずみと結婚したいと
思いを打ち明けられます。

それは恋愛感情ではなく、
庇護欲に裏打ちされたような
告白でしたが、

あずみが答えを出しかねている間に
彼女の祖父が倒れたという一報が
入ってくるのでした。

駆けつけたあずみに祖父は、
両親の恋を認められなかった
当時の自分を悔いた上で、

自分の最大の財産である
企業「オーク」を残すと
言い残すのでした。

混乱と悲しみの中、
あずみは皆のため
修一と結婚することに応じますが、

心底ではまだ、守への思いを
振り切れずにいたのでした。

ジュリエットの娘の読んでみた感想・評価

クラシカルな恋愛ものだと思って
読み進めていきましたが、
かなりビックリしました。

タイトル通り主人公のあずみさんは、
ライバル企業のトップ同士という
悲恋を貫いた両親の忘れ形見で、

親族の家に引き取られて
無事に育った女の子ですが、
容姿も性格も環境もいいのに、

おじいさんや周りがいい人で、
徹底して配慮してくれるために
自分がかえって辛くなるという、

悪意がない分だけ対処できない、
精神的に辛い状況に置かれていて、
読んでいて心にくるものがありました。

あずみさんを引き取った家族、
おじいさんもお兄さんも皆、
心底から彼女を思っていて、

だからこそあずみさんは窮屈で、
我慢ができなくなってしまうのも
逆説的に共感できる内容でした。

また、複雑な感情を抱きつつも、
どうにかあずみさんを守ろうと、
全力を尽くしたが故に、

かえって深い溝を作ってしまった
柏倉家の人たちの気持ちも、
大人な読み手には共感できるでしょう。

また本作では、
多くの少女漫画で冒頭から出てくる、
嫌味な同級生やライバルの姿がなく、

だからこそかえってリアルな
感情のやり取りが見えて、
深い作品になっていると思いました。

ジュリエットの娘はこんな方におすすめな作品！必見

家業という言葉が昔から存在し、
先祖代々の職業という枠組みがあるように、
職場結婚でなくても、同じ仕事をしている、

二つの家が婚姻関係を結ぶことは
かなり良くある話です。

多くの場合、その家の事情も分かるために、
円満な形に推移するのですが、
複雑な状況が絡み、悲恋になることも

少数ながらあります。

しかし本作はドラマティックな恋愛でなく、
その結果遺児となった娘に焦点を置き、

「ロミオとジュリエット」的な
暴走とも言える激しい恋が
周囲にもたらすものを描くという、

非常に難しく有意義なテーマに
挑戦しています。

確かに誰かを愛する気持ちは
とても尊いものですが、
それによって傷つく人も多く、

またその後遺症は深く長引くことも
濁さず書いている本作は、

単にロマンスを楽しむ、悲恋に
胸を痛めるというだけでなく、
より社会的な視線を加えたことで、

少女漫画よりも大人な層の
シビアな人生観にも対応できる
深みを盛り込めたとも言えます。

そして、「恋愛」で悲しい思いをした
主人公のあずみを後に「政略」の
結婚相手にしたりと、

かなり容赦のない展開が
連続して起きていくので、

恋愛というより人生的な
ハラハラ感を楽しみたい方にも
適した一作だと言えるでしょう。

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