トモグイ～人間狩り～のあらすじやネタバレを書いています（感想もあり）

心無い言葉を述べた教師に対する、
教え子たちの復讐。

しかしその恐るべき「ゲーム」は
同級生の自殺により形を変え、
若者たちは疑念にかられ出す。

「王様ゲーム」シリーズで
大人気を博した金沢氏が原作を手がけた
新感覚サバイバルデスゲームです。

トモグイ～人間狩り～のあらすじ紹介

担任教師として高校で教壇に立つ
高尾七海。

彼女はサプライズの形で生徒から
誕生日を祝われるなど、
親しまれている感じでしたが、

実は教え子に対して
心無いことを言ってしまい、
自殺させてしまった過去がありました。

そのため生徒たちは「プレゼント」や
「チョークに仕掛けた刃」など、

様々な方向性から七海を
苦しめていきますが、

「自殺するふりをする役」を
担当するはずの宮田が
本当に自殺してしまいます。

そのために、悲しみや疑念、
周囲への無根拠な恨みなど
様々な感情が溢れ出し、

生徒たちはさらなる惨劇の中に
突入していくことになるのでした。

トモグイ～人間狩り～のネタバレと今後の展開は？

２年A組の担任教師をしている高尾七海。

教え子にコイバナを相談されるほど
親しまれている彼女は、生徒たちに
サプライズ的に誕生日を祝われます。

突然の祝福と贈り物に
涙ぐむほど嬉しがる七尾は、
帰宅後改めて貰った手帳を見ます。

しかしその手帳には
６月８日に「丸」がついていました。

その日は七海にとっても
忌むべき記憶が残る日でした。

手帳の印を警戒する七海は、
「クラスに自殺志望者がいる」との
謎の電話を受けて、

教え子に連絡を取りますが、
もちろん状況はつかめません。

しかしその翌日教壇に立った七海は、
チョークに刃が仕込まれるという
嫌がらせによって怪我をします。

教室を出た七海でしたが、
心中事件が起きたとかで
ほとんどの職員は出払っており、

しかも教え子たちが、
皆別々の人間を嫌がらせの犯人だと
告げてきました。

混沌とした状態に弱る七海でしたが、
その時、他の教師から、

教え子の宮田が自殺したと
報告してくるのでした。

この事件に混乱をしているのは
生徒たちも同じでした。

実は、教え子に心無い言葉を
ぶつけてしまった七海に
復讐したいと思っていたのです。

だからこそ日記やチョーク等々
様々な仕掛けを打っていたのですが、
「自殺するフリをする」役の宮田が、

本当に死んでしまったのです。

一体何故、誰がやったのか？

まったく手がかりがない中で
若者たちの負の感情は膨らみ、

それはさらなる惨劇へと
発展していくのでした。

トモグイ～人間狩り～の読んでみた感想・評価

学校不信に陥ってしまいそうな
巧妙な仕掛けとドロドロの
人間関係が満載でしたね。

問題があるクラスの生徒たちと
教師が衝突していく、

生徒たちが結託して教師を
追い出そうとする展開は
作品の中でも結構多く、

あの「GTO」でも
このラインでの衝突がありました。

本作でも当初は、生徒たちによる
「教師いじめ」がメインでしたが、
「本当に」自殺する生徒が

登場したために状況は一変、
まとまっていたように見えたクラスが
バラバラになっていきました。

普通に毎日顔を合わせ、授業を受ける
仲間たちの中で積み上げられてきた
嫌な感情が表に出ていくシーンは、

正直言ってすぐに殺し合う感じの
映画よりもずっと怖かったです。

先生に対してチョークに細工をし、
カッターの刃を仕込んだり、
いじめられっ子をダーツの的にしたり、

細かなシーンに出てくる悪さの数々も
恐ろしいほどリアル感があるんですよね。

実際にあったとしたら「事件」ですが、
しかし現実に有り得るかも知れない、
その絶妙なラインを突いてくるのが

本当にうまく、個人的には
夢に出てきそうなほどのものがありました。

トモグイ～人間狩り～はこんな方におすすめな作品！必見

名作にして問題作として知られる
「バトルロワイヤル」以降、あらゆる種類の
デスゲームものの作品が世に出た感じです。

「命懸け」の勝負ということもあり、
必然的に熱く盛り上がるスリリングさが
ジャンルの醍醐味とも言えますが、

一方で「ゲーム」である以上登場人物は
原則として「ルール」に従わねばならず、
「意外性」が薄れる面もありました。

その点本作は、恨みのある担任の先生を
陥れてやるという明快な動機から、
事態が展開されていく一方で、

ある時点から仕掛けた生徒たちの
思惑すら超える状況が生まれ出すので、

読んでいる側としても先の展開を
「予測」するのが非常に難しく
ドキドキ、ハラハラ感を堪能できます。

狙われている七海先生の描写も、
逆に狙う生徒たち側の描写も
非常に緻密さを持ち続けており、

そのことが「状態が変わった」後の
物語展開の良さにもつながっています。

先の見えないタイプの、
どちらかと言えばミステリー寄りの
デスゲームを楽しみたい方にも、

ホラー的な怖さを欲する方にも
満足いく一作だと思います。

また、「王様ゲーム」の
金沢先生が原作を担当している
安心感がある一方で、

作画レベルが非常に高く、
気付かないうちにグイグイ
引き込まれる感じがあります。

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