タイトル | トーマの心臓 |
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原作・漫画 | 萩尾望都 |
出版社 | 小学館 |
ドイツのギムナジウムで一人の少年、
トーマが転落死してしまいます。
ギムナジウム中が騒然となる中、
一人冷静だった委員長・ユーリの元に
そのトーマから遺書が届きます。
ユーリが驚き、混乱する中トーマ
そっくりの転校生エーリクがやってきて
ユーリの心はさらに揺れ動いてしまいます。
この物語はそのユーリと
エーリク二人の成長物語です。
トーマの心臓のあらすじ紹介
舞台はドイツの教育機関である
ギムナジウムです。
そこで委員長であるユーリは
転落死したトーマの遺書を受け取ります。
遺書にはトーマがユーリのために
死んだ事が告げられていました。
非常に驚き、動揺するユーリでしたが、
さらにそこにトーマに瓜二つと言っても
いいほど似ているエーリクが転校してきて
事態はギムナジウムの多くの生徒を
巻き込みさらに混乱してしまいます。
エーリクの事を受け入れられないユーリと
その態度に反発するエーリクでしたが、
そんなエーリクのところにある日
大好きな母親が死んだという
届けが来ます。
それをきっかけに二人はお互いの事を
知ろうとし、徐々に態度を
軟化させていきます。
トーマの心臓のネタバレと今後の展開は?
エーリクは以前から母親がとにかく好きで、
母親の愛を求めていました。
母親の死を知った彼は激しく動揺し、
大きなショックを受けます。
あまりのショックで実家に帰った
エーリクをユーリはギムナジウムから
迎えに行きます。
迎えに来てくれたユーリに少し
感謝をするエーリクでしたが、
帰る途中二人は一人の青年と出会います。
青年の名前はサイフリートといい、
ユーリは彼を見た瞬間動揺し
すぐに逃げてしまいます。
その態度を疑問に思ったエーリクに
ユーリは激怒してしまいますが、
すぐに反省し、
夜も遅くなってしまったので
実家に招待します。
彼の実家でエーリクはユーリの
現在における状況を知る事になります。
委員長になるほど優等生になった
理由も理解します。
その後、トーマのようにユーリを愛する
ようになったエーリクですが、
ユーリはなかなかそれを
受け入れる事ができません。
ですが、周りの人の支えや何より
エーリクの献身的な愛でユーリは徐々に
多くの人の愛を受け入れるようになります。
そしてサイフリートから受けた
トラウマを乗り越え、同時にトーマの
遺書の本当の意味を理解します。
その後、ある大きな決断をする事になります。
トーマの心臓の読んでみた感想・評価
萩尾望都先生のトーマの心臓と言えば、
漫画好きの間で知らない人はいないと
言っても過言ではないほど有名な漫画です。
私がこの漫画を読んだのは
ちょうど20歳前後の時でした。
たまたま出会った11人いる!が
とても面白かったのでその流れで
萩尾望都先生の本を次々読みました。
その中でも特に印象深いのが
このトーマの心臓です。
最初にいきなりトーマの死から始まり、
愛した相手に遺書を送るという
衝撃的な展開から始まり驚きました。
その後、トーマそっくりのエーリクの
登場でさらに事態は大きく
動く事になります。
この漫画で最初から最後まで徹底して
描かれているのは愛についてです。
人を愛するという事について丁寧かつ
繊細に描かれています。
その真っ直ぐな愛情表現は
心が暖かくなると同時に切なく、
そして自分は周りをきちんと
愛しているか考えされられます。
ストーリーが素晴らしいのは
もちろんですが、演出やセリフも
とても素晴らしいのはさすがとしか
言いようがありません。
一つのページやコマがまるで
芸術作品のように感じられるほどです。
昔から多くの人を魅了しているのが
よく分かります。
トーマの心臓はこんな方におすすめな作品!必見
トーマの心臓は今の若い人にこそ
読んで欲しい、オススメの漫画です。
私もそうでしたが、特に10代は
今の状況が当たり前と感じるようになり
親からの愛や友達からの愛、
恋人からの愛を素直に
受け取れなくなる年頃です。
そんな年頃だからこそ純粋な愛について
繊細かつ重厚に描かれている
トーマの心臓を読む事で
愛について真剣に考える
いい機会になると思います。
また、漫画家を目指す人にもオススメです。
この漫画の丁寧なコマ割りと
繊細な表現は今漫画家を目指す人にも
かなり参考になると思います。
全てのコマが流れるように
描かれているので一度読み始めたら
止まる事無くスルスルと読めてしまいます。
また、背景や点描等の表現力も
素晴らしいです。
トーマの心臓が面白かったという人には
同じく萩尾望都先生の
ポーの一族がオススメです。
ポーの一族は永遠の命を生きる
バンパイア達の話です。
永遠の命を持つバンパイア達の
切ない生き方やエドガーとメリーベルの
兄妹愛についてこちらも
萩尾望都先生独特の繊細さで
魅力的に描かれています。