タイトル | 一人交換日記 |
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原作・漫画 | 永田カビ |
出版社 | 小学館 |
永田カビさんへ
どうもこんにちは。
年始年末のわたしは
楽しそうにしていますね。
今のわたしは
それどころじゃないですーー
『さびしすぎて
同棲愛者のお店に行きましたレポ』で
話題になった漫画家・永田カビ。
それをきっかけに
連載することになり
自分のことを描くことになる。
しかし丸1ヶ月考えても
何も決まらなくて…。
一人交換日記のあらすじ紹介
『さびしすぎて
同棲愛者のお店に行きましたレポ』で
話題になった漫画家・永田カビ。
それをきっかけに
連載をすることになり
自分のことを描くことになるが
丸1ヶ月考えても
何も決まらなかった。
そんな時
担当からあることを聞かれる。
「気になったんですけど…
一人で交換日記してたって
どういうことですか」
中学時代一人で交換日記していた
とツイッターに書いたことが
担当の目にとまってしまい
こうして連載のテーマは
”一人交換日記”に決まった。
早速カビは
交換日記をはじめるが…。
一人交換日記のネタバレと今後の展開は?
初回の交換日記で
残高がゼロになった
と書きはじめるカビ。
数ヶ月先まで
収入の予定はありません。
実家に居られるからこそ
生きていられる状態です。
しかしなんと
幼少期から預かってくれていた
お年玉(通帳)が見つかりました。
残高は”100万円”。
だからといって
安心はできません。
なぜならニートだった頃
バイト代の貯金100万円を
使い切ったことがあるから…。
”わたしがバイトで貯金し
使いながら実家に居て
不毛に過ごす間にも
仕送りで一人暮らし
している人も居るという事実に
わたしは嫉妬に狂っていました”
本当は自分の貯金で
一人暮らしがしたかったカビ。
年始年末実家に居るのも
しんどいと思った彼女は
仕送りで一人暮らしする人への
嫉妬と憧れが心の中でついに
爆発したところで
ウィークリーマンションに
入居しました。
一人暮らしをはじめて
しばらくしたある日…
一通のメールが届きます。
相手は高校時代の友達でした。
久々に連絡を取り合ったカビは
その友達と再会しますが…。
一人交換日記の読んでみた感想・評価
自分のさびしさやつらさを
独特な表現で描かれており
惹きこまれます。
作者・永田カビさんはきっと
人間関係や家庭環境について
深く考えるんだろうな…。
わたしもなんでも深く
考えるところがあるので
分かるな~と思いました。
人間さびしすぎると
体や心が冷え切って
動けなくなるんですね…。
実家で人と居るのに
さびしさを訴えるシーンは
なんだか悲しくなります。
作中には印象深い
セリフがありました。
”心配されてもさびしい
これが大事にされている
ということなんだろうけど
じゃあなんでこんなに
心が冷たくて苦しいの”
厳格なお父さんに
21時の門限を決められて
疑問を感じた時の
カビさんの心の声です。
このお父さん…
わたしは好きになれません。
お母さんも同じです!
”どんなあなたでもいいよって
お母さんに言ってほしい
お母さんにどんなわたしでも
好きでいてほしい”
カビさんの心の声は
そう訴えているのに
両親はどうしてあんなに
冷たいことを言うのか…。
カビさんにはいずれ
幸せになってもらいたい。
本作を読んで
心からそう思いました。
一人交換日記はこんな方におすすめな作品!必見
「一人交換日記」は
現在精神が病んでいる
という方におすすめです。
本作は永田カビさんが手がける
ノンジャンルのエッセイ。
実家暮らしの中で
カビさんが日々感じる
さびしさや苦しみを描きます。
本作の見どころは
カビさんの精神を表す
繊細で独特な絵です。
『さびしすぎて
同棲愛者のお店に行きましたレポ』を
読んだことがある方なら
分かると思いますが…
カビさんの絵は
可愛らしいものの
どこか”闇”があります。
個人的にカビさんは
精神の闇を絵で表すのが
とても上手だと感じました。
現在精神を病んでいる方は
その表現に共感すると思います。
実家に居るのにさびしくて
体が穴ぼこになった気持ち。
母とのやり取りで
包丁で刺されたような
痛くて苦しい気持ち。
父に許せないことを言われて
怒りとショックで震える気持ち。
あたたかい言葉をもらって
嬉しくて安心する気持ち。
どれもカビさんならではの絵で
見事に表現されています。
本作を読めばきっと
心が少しでも軽くなるはずです。