タイトル | 世界でいちばん大嫌い |
---|---|
原作・漫画 | 日高万里 |
出版社 | 白泉社 |
「世界で一番大嫌い」は、1997年から
2001年にかけて、雑誌
「花とゆめ」にて連載された少女漫画です。
6人兄弟の「秋吉家」シリーズの
ひとつであり、そのなかでもっとも
巻数の多いタイトルでもあります。
今作は人気声優陣によって
ドラマCD化されたり、のちに
スピンオフ漫画が刊行されるなど、
たくさんのファンを持つ人気作です。
世界でいちばん大嫌いのあらすじ紹介
女子高に通う秋吉万葉
(あきよし かずは)が、
ひょんなことから年上の
美容師・杉本真紀
(すぎもと まき)に
猛アタックされるところから
物語は始まります。
この真紀という男、かなりの変わり者。
というのも、その麗しい外見から
想像もつかない「オカマ言葉」を使う、
まさかのオネエ美容師だったのです。
万葉がうっとおしがる姿もなんのその、
「万葉ちゃ~~~ん」と熱烈な
アプローチを続ける真紀。
しかし、実は万葉にはあこがれの
男性がおり、思いを伝えることが
できずにいました。
果たしてその男性とは…。
世界でいちばん大嫌いのネタバレと今後の展開は?
万葉の思い人は、兄弟のいちばん末っ子が
通う、保育園の保父さん「
水嶋先生」でした。
心優しい笑顔、しぐさ、自分を女の子
扱いしてくれる彼に、万葉は
心癒されていました。
しかし、水嶋にはすでに彼女がおり、
のちに万葉は彼らが結婚することを
知ります。
最後まで思いを伝えることができなかった
万葉をなぐさめたのは、うっとおしくて
仕方なかったはずの真紀でした。
ところがそのなぐさめも束の間、
真紀はなんと万葉に勝手にキス。
激怒した万葉は、真紀を
殴り飛ばして帰宅します。
やっぱり真紀は、万葉にとって
苦手な存在のままでした。
ですが、嫌われても、殴り飛ばされても、
変わらぬ笑顔を万葉に向けてくる
真紀に、万葉もだんだんと
心を開いていきます。
関わっていくうちに、真紀の
隠された過去や抱えてきた
思いについて知ることなるのですが、
それがまたとんでもなく複雑。
美男3兄弟の末っ子であるが、その
母親が全員別の人だったり、
祖母はフランス人だったり、
そしてやや荒れていた学生時代…。
そんな真紀を理解し、支えたいと
思う万葉は、真紀と交際をし、
同じ美容師の世界を
志すようになるのでした。
世界でいちばん大嫌いの読んでみた感想・評価
とにかく真紀がかっこいいです!
物語のはじまりからすでに「オネエ」口調で
登場するので、果たしてこの男が
かっこいいと思える日は来るのだろうか…と
不安になるかもしれませんが、
心配ご無用!
口調がオネエなだけで、見た目は
容姿端麗、なおかつ24歳と
かなり年上。
時折みせる大人の余裕にグッときます。
対照的に万葉が極度の照れ屋で、
素直になれないタイプなので、
いつの間にか真紀のことを応援している
自分に気づく読者の方も多かったのでは
ないでしょうか(笑)
今の時代は携帯電話が普及していて、
連絡手段には事欠かないのですが、
この漫画の舞台はそうではありません。
決まった曜日の決まった時間しか
会えない、電話も家の電話の留守電を
使ったり、それでもすれ違ったり…。
もどかしくもありますが、
そこがとても良いのです。
また、作者の日高万里さんの絵柄が
とっても素敵です。
今のタッチよりもやや大人っぽい
雰囲気ですが、とても繊細な絵を
描かれるのです。
表情ひとつひとつがていねいに
書き込まれており、
見とれてしまうこともあると思います。
とても見応えのある作品です!
世界でいちばん大嫌いはこんな方におすすめな作品!必見
前述しましたが、今の世界のように
携帯電話やスマートフォンが
出てくる舞台ではありません。
特にアラサー世代以上の
女性にとっては、
「ああ自分のときもこうだったなぁ」と
思いをはせることができるのでは
ないでしょうか。
なんでも便利にコミュニケーションが
とれる現代も良いですが、言葉
一つ一つに重みがあって、どうやって
相手に伝えるかちょっともどかしい…
そんなドキドキがこの漫画で
思い出すことができると思います。
また、この作品は登場人物が多いです。
万葉と真紀をとりかこむ友人や
関係者のなかでも別の恋愛が
少しずつ動いていきます。
「主人公ばかりがモテモテの漫画は
ちょっと…」という方にもオススメです。
特に万葉の親友の松岡扇子
(まつおか せんこ)と、真紀の
親友である本庄徹(ほんじょう とおる)
の関係は、読者のなかでも
大変人気があり、スピンオフ漫画も
発売されたほどです。
これまた女子高生と大人の男性の
組み合わせカップルなので、年の差恋愛が
好きな方にはビシバシ
響くのではないかと思います!