タイトル | 俺た(勃)ちの条件 |
---|---|
原作・漫画 | 宇佐悠一郎 |
出版社 | 集英社 |
丸の内に本社ビルがある
大企業、英集商事。
しかしその人事部に勤める
イケメン伊勢谷は実はEDで……。
「オトコの悩み」を真正面から
しかも深刻過ぎる形でなく
描き切ってみせた、
斬新で画期的な
大人のラブコメ連作集です。
俺た(勃)ちの条件のあらすじ紹介
日本屈指の企業である英集商事。
その中でも同じマンションに住む
イケメンたちは部署は違うながらも
実に仲良しで、同じ部屋で
のんびりと過ごすのが
通例になっていましたが、
実は彼らには同じ悩みがありました。
それは「勃たない」ということ。
彼らは皆若くイケメンで、
しかも健康にも見えるのですが、
様々な事情からいつしかEDになり、
女性とは縁遠い生活を
送っていたのでした。
もっとも、完全フリーな彼らですから
当然のように相手に恋をする
タイミングにも至ったりするので、
結局ED問題とは無縁では
いられなかったりもするのでした。
俺た(勃)ちの条件のネタバレと今後の展開は?
日本屈指の大企業、英集商事。
丸の内に本社ビルがある
典型的な名門企業の中で、
伊勢谷駿は人事部の一員として、
皆から憧れの視線を集めていました。
しかし伊勢谷はかたくなに
「女性」を避け続け、
同じマンションの同僚たちと、
同室に集まり仲良く
語らったりする日々を送っていました。
それと言うのも伊勢谷は、
イケメンな上に凄いテクの
持ち主だったらしく、
彼と付き合う女性は
全員セックス依存症に
なってしまったのです。
そのために別れた元カノが
家に押しかけて大問題になったり、
果ては留学から戻ってきたら、
元カノたちが大集結し、
伊勢谷の「下半身」を狙って
バトルを始めたりしました。
そうした重圧から伊勢谷は
勃たなくなってしまったのです。
とは言え自分のために女性が
「変わる」よりはマシかと
割と冷静に受け止めていましたが、
そんなある日彼の部署に
派遣として、佐古田真理さんが
雑用係として入ってきました。
地味で冴えない感じの
真理さんですが、実は伊勢谷の
初恋の相手であり、
あまりの変わりように、
伊勢谷はショックを受けます。
しかし初恋の人ということで、
伊勢谷は彼女に変わって貰おうと、
服を買い美容室をセッティングし、
変化を見てみました。
すると佐古田さんは美しく変身し、
しかも昔のままの凛とした心を
全面に出してきました。
その姿に佐古田は改めて
彼女と結婚をと思いますが
彼にはED問題が残っていました。
俺た(勃)ちの条件の読んでみた感想・評価
こんなイケメンたちが、と
読者としても意外でしたが
テンポ良くサクサクと進み、
ストレスなく解決が見られるのが
非常に良かったですね。
物語の主役になるのは、
いかにも女性に受けそうな
繊細系イケメンたちですが、
仲の良い彼らには何と、
EDという悩みがあったんですね。
もっとも特定の相手はおらず
夫婦関係にヒビが、というような
深刻な話にはならず、
仲の良い友達も会社でできたので
不幸感はあまりない感じで、
かえって問題を直視できます。
短編連作の形で、各人の
エピソードが進められるのですが、
それぞれ違うタイプの美人さんと、
うまく心の交流を進めて
結ばれる段階で解決と
なっていくわけですね。
障壁が少なくサクサクと進み、
しかも女性陣の好感度が高いのは、
彼らがイケメンなのも、
結構影響していそうですが、
多くのラブコメ作品のように
キツいハードルがないのは嬉しいです。
男性陣目線で言うと、既に自分の
「肉体」と対峙しているわけで、
他の問題が発生となると、
もはや恋愛どころではなくなり、
物語が進めないという意味でも
本作の明快さは良かったです。
俺た(勃)ちの条件はこんな方におすすめな作品!必見
体の状態に悩むのは女性だけではなく、
実は男性も敏感だったりします。
その中でも人には言えないし
見えるものではないながらも、
重大な問題なのが「男性機能」です。
特に誰とイイコトをするという
前提ではなくても「ダメ」になると
気持ちまで萎えてしまうものですし、
特に若いうちからとなると
精神的なしんどさも倍増で
人生が楽しめなくなる感じがします。
本作ではそんな男性特有の
EDというデリケートな問題を
ラブコメチックに描いてくれており、
男性はもちろん女性にとっても、
「オトコの事情」が掴めるような
内容になっています。
心理的にキツくならず、
恋物語と体の問題を
楽しみなから考えてみたい、
斬新な設定を楽しみたい方には
まさに最適な一作となっています。
また、EDと言っても深刻度は低く、
意中の相手と結ばれることで
サクっと治ったりという感じで、
悪い意味で後引く感じでもなく
スッキリとまとまっているのも
話の性質上嬉しいですね。
さらに言えば、出てくるのが皆
顔良しスタイル良しという感じの
イケメンたちでもあり、
微妙な問題でありながら
えげつなさが出ていないのも
読者にとってはありがたい部分です。