タイトル | 勇者カタストロフ!! |
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原作・漫画 | 牧野博幸 |
出版社 | エニックス |
1994年にエニックス(現・スクウェア・
エニックス)が創刊した
月刊少年誌『ギャグ王』で連載された
ファンタジーギャグマンガ。
ファンタジーだが、
所々に現代風の要素も混ざった
斬新な世界観と親しみのある絵柄が特徴で、
作者はドラゴンクエスト4コマ漫画で
活躍されていた牧野博之先生。
2010年に上下巻で復刻される。
勇者カタストロフ!!のあらすじ紹介
アホな王様が『世界の危機に
勇者が世界を救うようなロマン』を
演出するために
大魔王を復活させてしまったため、
高名なる勇者『シェカネア』を招聘する。
しかし、王城に魚を売り込みに来た
普通の『魚屋』ズックが
勇者と勘違いされてしまう。
王様はこんなのが勇者だとは
思えなかったが、やがて本物の
高名な勇者も城にやって来る。
しかし、それは大昔に
高名な勇者だった
ヨボヨボのじじいであった。
高名な勇者が役立たずのじじい
だったことに気付いた王様は、
全てをその場に居合わせた
魚屋ズックに押し付けることにした。
王様に弱みを握られたズックは
勇者として旅立ち、大魔王を倒す
羽目になってしまったのである。
勇者カタストロフ!!のネタバレと今後の展開は?
元魚屋の勇者ズックは
旅の途中で助けたフグの姿をした
妖精のハチとともに、
大魔王を探していた。
やがてズックとハチは
大魔王の元にたどり着くが、
大魔王はとても一介の魚屋には
どうにもならないほど強大な存在であった。
隙を突いて攻撃するも
何のダメージも無く、
ぼろぼろになったズックは
恥も外聞も捨ててその場を
乗り切ろうとするが、
ハチは空気を読まずに
大魔王に立ち向かう。
当然、ハチはあっさり捕まってしまうが、
そのときハチはフグ毒を噴射し
それによって大魔王を
倒してしまうのだった。
勇者は凱旋し元の魚屋に戻るが、
次の敵は地元商店街を潰すために
現れた大型百貨店であった。
圧倒的な低価格による
同業者潰しによって、
商店街を潰そうと目論む
百貨店に対し勇者は大型百貨店に
殴り込みをかけ紆余曲折の末、
大幅な経営赤字であることを
突き止める。
勇者は地元商店街と結託し
血で血を洗う値下げ
戦争を繰り広げ、
最終的に大型百貨店は
経営破綻に追い込まれ、
勇者率いる地元商店街が
勝利したのであった。
大型百貨店を倒した後、
王様は森を伐採し
別荘を建設しようと目論んだが、
エルフ族の少女リプリィの攻撃に
遭ったために勇者を呼び出し、
何とかするように言う。
勿論勇者は断ったが、
商店街潰して別荘立てると
言い出されてしぶしぶ森へと向かう。
現れたエルフの長によって、
王様は完全に論破され
別荘計画は頓挫したが、
目の前にいた人物が王様で
あることを知ったエルフの長は
飼っていたドラゴンの
子供をけし掛けて、
王様を抹殺しようとする。
それを止めようとした
エルフ族の少女リプリィは
勇者と協力し、
ドラゴンの子供を根性で
無力化することに成功する。
しかし、その後リプリィは
人間と共闘したことを
同族に批判され、さらに
自身がハーフエルフであることを
告げられて森を去ることを決意する。
その後、勇者の元に訪れたリプリィは
勇者の父親らしき人物を見たと
勇者に告げ、勇者、ハチ、リプリィ、
そして色々あって国を追われた
王様の4人のパーティは
旅に出るのであった。
勇者カタストロフ!!の読んでみた感想・評価
この作品の世界観は
ファンタジーなので、
エルフやドラゴンやモンスターが
登場してもおかしくはないですが、
大型百貨店や現代兵器まで
登場する何でもありの世界観の作品は
珍しいどころか、
唯一無二であるとすら思います。
ドラゴンクエストのような
ファンタジーなのに、
大型百貨店との戦いになったりもする
現代的な要素からSF的な要素まで
入っているとにかく何でもありな
作品ですが真面目にファンタジーな
こともやるので、
世界観と物語のギャップが
ギャグを際立たせたり、
真面目にファンタジーやってる部分に
わくわくされられます。
キャラクターも絵柄が可愛らしく
魅力的であるため、
それだけで飽きずに読むことができます。
一方でマニアックな機動戦士ネタが
散りばめられているため、
理解できると思わず笑ってしまいます。
20年以上前の作品で、
読んでいるとノスタルジーな気分に
なりますが、
ここまで斬新な世界観で
キャラクターが動くような作品は
現代では逆に珍しくもあり、
子供のころに読んでこんな非常に
心に残るマンガがあったのかと
思いました。
マンガを好きになる
きっかけの作品でした。
勇者カタストロフ!!はこんな方におすすめな作品!必見
誰にでもおすすめしたいというよりは、
誰かにこの作品を読んでみて
どう思うのかを聞いてみたいと
思ってしまう作品です。
世界観やキャラクターに引き込まれ、
チャンネルが合った人は
唯一無二の大好きな漫画だという
評価を下すと思っています。
読む人の感性によっては
カタルシスすら覚えると思います。
内容的にはRPG好き、
特に1993年から1996年に掛けた
スーパーファミコンのRPGを
心の底から楽しんだ人には、
是非おすすめしたいです。
ドラゴンクエストや
ファイナルファンタジーなどの、
RPGのお約束的なある程度の
予備知識があればすんなり世界観に
入り込めると思うので、
数倍楽しむことができると思います。
それとロボットアニメ、
特に機動戦士ガンダムシリーズを
こよなく愛する人は、
随所に散らばったネタに
思わずクスリと来てしまうこと
間違いなしです。
分かりやすいところで言えば、
第一話のタイトルなんて
『ガンダム大地に立つ』のオマージュで、
最終話なんてそのまんまです。
そして、ドラゴンクエスト
4コマ劇場をこよなく愛していた人で、
まだ本作を読んでいない人には
是非とも一度読んでみてほしい作品です。