タイトル | 午前3時の危険地帯 |
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原作・漫画 | ねむようこ |
出版社 | 祥伝社 |
就職活動で失敗し、それ以来、
仕事に消極的になっていたたまこが
働き始めたのは、
激務かつ超個性的な同僚が集う、
面白系のデザイン事務所で……。
社会人としての厳しさもありつつ、
それでも頑張れるような雰囲気が楽しい、
アットホームお仕事系恋愛漫画です。
午前3時の危険地帯のあらすじ紹介
就職試験の失敗のために、なかなか
心機一転して仕事に就けずにいた
小倉たまこ。
しかし、父親が勝手に履歴書を出したため、
面接に行った事務所で社長に見初められ、
何故か就職が決まってしまいます。
そこは労働基準法ガン無視系の、
超激務な職場ではありましたが、
女性の先輩であるももこは優しく、
また個性的な先輩たちも人間味があり、
たまこも何とかうまくやっていました。
しかし、チラシの印刷部数発注の際に、
うっかり部数ミスをしてしまったたまこは、
現場を知ることこそが重要であると、
通常業務の傍らパチンコポールでの
現場仕事もするようにと
上司から命じられてしまったのでした。
午前3時の危険地帯のネタバレと今後の展開は?
富山県出身の眼鏡女子、小倉たまこ。
就職面接の際に緊張して
うっかりおならをしてしまい、
それ以来就業できないでいたところ、
父親に勝手に履歴書を出され、
デザイン事務所の面接に
臨むことになってしまいました。
その面接では明らかに、
新人の自分よりも実績ある
求職者の方が評価が高く、
しかも極度の緊張から、完全に
自己アピールも失敗しましたが、
社長の一声で入社することに。
そうした経緯から、明らかに
事務所の面々の期待値も低く、
辞めようかとも思っていましたが、
社員旅行にハワイに行けると知り、
たまこは改めてやる気を出して
仕事に挑むことにしました。
たまこにとってハワイは、
こだわりがある場所でしたが、
一方でイタズラ好きの先輩から絡まれ、
あるいは自意識過剰の問題もあって、
たまこはなかなか、周りとの
距離を詰められずにいましたが、
同僚との酒席で盛り上がり、
会社の前の植え込みで熟睡するなど、
次第に自分を出せるようになります。
改めて話をしてみると、怖いように
思えていた先輩も自分に向けて悪意を
抱いてはいないと知ることができたり、
自分への誤解を良い具合に解けたりと、
徐々に親密にもなっていきました。
しかし、研修期間が終わって、
たまこが晴れて正社員になった日に、
ハワイ旅行がなくなったと伝えられたり、
うっかり情報伝達を怠って、深刻な
ミスを生み出してしまうなど、
この仕事は簡単ではありませんでした。
午前3時の危険地帯の読んでみた感想・評価
パワフルオラオラ系の
ヤバい事務所かと思いきや
アットホームな雰囲気が強く、
消極的なたまこでも
やっていけると思わせるような
雰囲気が素敵ですね。
社内恋愛が全盛過ぎる、
上司の課すノルマがキツい、
人間関係が嫌だ……。
いわゆる「ブラックな職場」にも
実に様々な種類がありますが、
もっとも大きな要因の一つは、
やはり「勤務時間」だとも
言えるのではないでしょうか。
皆がヘロヘロになるまで過酷な
業務を続けていると、人間関係も
必然的に悪くなりますし、
少々いい給料を貰えても
そもそも休みがなく使えないのでは
ほとんど意味がありません。
そうした意味で言えば、超長時間勤務を、
引っ込み思案な新人のたまこに
平気で命じてくるこの職場は、
明らかにブラック全開な感じですが、
何だかんだ皆の仲が良く、
不思議とギスギスしないんですね。
仕事をする企業と言うより、
一つの家族が目標に向かって、
頑張っているような雰囲気があり、
だからこそたまこもももこも
離れずに頑張っているんだなと
感じ取ることができました。
どうしたって回ってくる仕事は
バンバンやっていきたい中で、
実に巧みな「ブラック対策」を、
結果的に成功させている感じや
その中でのドキドキ経験などは
読んでいても素敵に思いました。
ただ部外者の立場で言わせて貰うと、
新人が担当外の情報で、少々の
「抜け」があったというだけで、
日常業務以外にパチンコホールでの
「実戦」を経験させてしまうのは、
正直やりすぎとも思いましたが……。
午前3時の危険地帯はこんな方におすすめな作品!必見
世の中には様々な企業がありますが、
中でも「普通の会社」とはちょっと違い、
フリーランスっぽい雰囲気があるのが、
デザイン事務所などの会社ですが、
服装は自由だったりしても、その分、
スキルやセンスが求められたりします。
そうした「変わった感じ」だけでなく、
普通の企業とも共通する熱度や責任など、
厳しくもやりがいのある部分を、
暑苦しくない形で見せている本作です。
本作の主人公のたまこさんは、
典型的とも言える地味系女子で、
キラキラ系の職場とは合わない分、
異様に泥臭いというか、圧倒的な
アットホーム感があるこの事務所に
カッチリ合う感じでした。
新入社員が一つ一つ仕事をこなし、
成長していく気持ちいい雰囲気の中、
やたらクセモノで面白い社員たちの、
軽妙なやり取りや恋に関する
あれやこれやなども、
楽しみたい方には最適の一作です。
また、労基法ガン無視系であり、
イケイケ系社長がトップの集団、
しかも上司は個性的過ぎと、
いかにもブラックになりがちな
嫌な傾向を払拭するような
雰囲気があるのもいいですね。