タイトル | 危険地帯男子 |
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原作・漫画 | 心あゆみ |
出版社 | 小学館 |
節約好きの女子高生が、
偶然入った危険地帯で、
「黒の王」と出会った。
不器用で真っ直ぐで古めかしく、
しかしどこか懐かしくもある、
体当たりでの全力の恋愛を、
学校同士のバトルや
番長的描写なども含めて描いた、
不良漫画の匂いが漂う、
今時系純情恋愛作品です。
危険地帯男子のあらすじ紹介
女子高に通う、節約好きの
ごく普通の女子高生、彩月。
しかし彼女はうっかり、
黒帝高校と白羽高校の
勢力がぶつかり合う、
デンジャラスゾーンに
足を踏み入れてしまいます。
そこで絡まれた彩月を
助けてかばったのが、
黒帝高校の「黒の王」である
黒城 嵐だったのです。
しかし、黒城の好みである
「お姉系」になるには、
時間もお金も足りず、
化粧にも慣れない中、
困り果てた彩月に
助けの手を差し伸べたのは、
まさに王子様然とした、
柔らかな美男子でした。
危険地帯男子のネタバレと今後の展開は?
灰沢女子高校に通う彩月は、
節約が好きな普通の女子高生。
しかし彼女たちが通う高校の近くには、
喧嘩上等の不良校、黒帝高校と、
超エリート校、白羽高校という、
対立する二つの学校がありました。
自分には遠い世界だと思う彩月ですが、
近道をしようとしてうっかり、
黒帝と白羽の勢力圏がぶつかる、
超危険地帯に入ってしまいます。
彩月はいきり立つ黒帝の面々に
いきなり絡まれることになりますが、
そこに一人の男子が、
バイクで割って入ってきました。
彼は騒動で落ちてしまった
彩月の買った食材を拾うと、
興奮する少年たちから、
彩月を連れてバイクで
逃げ出していきます。
しかし追っ手は執拗で
見つかりそうになった少年は
彩月を抱き寄せてかばいます。
不器用だが優しく声をかけ、
自分を守ってくれた少年と、
これでお別れになるのが嫌で、
彩月は、彼の名前を聞きますが、
その彼こそ、黒帝高校の「黒の王」、
黒城 嵐だったのです。
しかし、彼の心根の優しさを
感じ取った彩月は、
危険だと知りつつ、
男子校である黒帝高校に入り、
黒城に抱きついていくのでした。
危険地帯男子の読んでみた感想・評価
恋愛のそれとはまた違う
ドキドキ感も沢山
味わえる物語でした。
まず、超近距離で対立する、
まったくタイプの違う
高校二つという設定が、
少女系漫画と言うより
ヤンキー系漫画のそれです。
私は今までバトル系の漫画を
多く読んできましたが、
そうしたハード系の読者にも
大満足できるほどに、
「黒の王」黒城の、不器用でタフな
性格と強さは印象的で、
一方、「白の王」である白雪の
何でもできる優等生ぶりは
まさしく少女漫画的な王子様。
まったくタイプの違う美男子、
しかも人間的にも熱い二人が
近くにいるとなれば、
恋愛に疎い彩月でなくても、
ドキドキしてしまうものですが、
本作はそれ以外にも、
いきなり不良に絡まれたり、
ワルたちに攻撃されたりと、
彩月へバトル的な重圧が強く、
思いがけないほど熱い
ハラハラ感を味わえました。
単なる設定だけでなく、
不良的な熱さが随所に
感じられたのがいいですね。
少女漫画的な駆け引きより
もっと直線的なやり取りを
目にすることができるので、
悪い意味であとに引かないのも
個人的に高評価でした。
危険地帯男子はこんな方におすすめな作品!必見
近くに色々と正反対のライバル校があり、
相手とは常に一触即発、そして両校には
飛び抜けた「番長」が……、
こういった感じの設定の不良漫画が、
一頃はとても多かったものです。
実際、本拠地が近い同士だと
バトルが熾烈化する感じなのですが、
不良が流行しなくなると、
こうしたお話も過去のものと
なっていきました。
しかし本作はこうした、「対立」と
強力無比なトップという
昔ながらの構図を、
少女漫画的に女の子の視点で
描いたという意欲作であり、
絵柄は今風ながら、黒城君の
女性に対しての不器用で、
しかし誠意ある態度や、
オラオラと盛り上がってしまう
不良男子たちも非道なワルも
皆いい感じで「古典的」であり、
ハーレム系に近い少女漫画に
元々興味が少ない、むしろ
熱血ヤンキー系漫画を
好んで読んできたという方にも
非常に相性が良い作品と言えます。
また主人公にして作品の肝の
彩月も、少女漫画的な駆け引きは
一切行わずむしろ体当たりで、
自分の感情を明らかにする
タイプでもあり、
良い意味で少女漫画らしくなく、
より多くの層に好感を持たれる
タイプなのではと思います。