タイトル | 合気道橋本道場 |
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原作・漫画 | 林 律雄 引野 真二 |
出版社 | ゴマブックス |
林 律雄と引野 真二による、
合気道を題材にした武道マンガ。
「対すれば相和す」という
合気道の教えを胸に、
合気道師範・橋本竜一が道場を開き、
その運営に奮闘する物語である。
絶版だったが2017年10月に
電子書籍化された。
全2巻。
合気道橋本道場のあらすじ紹介
合気道家・橋本竜一は、
スウェーデンでの武者修行を終え、
日本に帰国。
師匠・小平の道場に戻り、
以前のように師範として
合気道を教えていると、
空手家の長谷が道場破りとして
あらわれた。
長谷を返り討ちにするも、
道場では試合を禁止しているため
師匠から怒られる橋本。
だが合気道を強さを
身をもって知った長谷は、
小平に師事を願い出る。
弟子入りを許された長谷は、
橋本と共に師匠の家に
居候することに。
そんな中、師匠はそろそろ
道場を持たないかと橋本に提案。
「橋本道場」開設のため、
金もコネもない橋本の奮闘が始まる。
合気道橋本道場のネタバレと今後の展開は?
合気道を学ぶ武道家・橋本竜一。
彼はスウェーデンでの武者修行を終え、
日本に帰国した。
空港で出迎えたのは、
合気道の師匠・小平とその娘の有香。
橋本は、武者修行へ行かせてくれた
小平に感謝する。
小平の道場へもどるため
電車に乗っていると、
酔っ払いの男性が大声で歌を歌って
乗客に迷惑をかけていた。
橋本は男性に歩み寄り、
合気道の技で男性を黙らせる。
駅を出て、道場へ向かっていると、
道にチンピラがたむろしていた。
一般人がよけて通る中、
師匠の小平は笑顔で堂々と歩いていく。
にこやかな雰囲気に、
おずおずと道を空けるチンピラ達。
続いて橋本が通ろうとすると、
彼のトランクをチンピラが蹴った。
だが何も言わず通り過ぎる橋本を、
チンピラ達は嘲笑する。
しばらくして橋本は
忘れ物をしたと言い、
来た道を戻り始める。
彼は先ほどの件が忘れられず、
仕返しをする気でいた。
チンピラ達を見つけ、
笑顔で近づいていく橋本。
文句でもあるのかと凄むチンピラに、
橋本は謝罪を要求。
チンピラの一人が殴りかかるも、
その攻撃をかわし豪快に投げ飛ばす。
別のチンピラが繰り出すパンチを
かわし反撃を入れようとしたとき、
「やめんかッ!!」という声が響いた。
声の方を見ると、
そこには師匠の小平が立っていた。
合気道橋本道場の読んでみた感想・評価
合気道は相手と争う武道ではないため、
マンガの題材になるのは珍しいですね。
引田先生の温かい絵柄により
一見するとコミカルなマンガに見えますが、
実際は「強さとは何か」という、
武道の本質を問う内容になっています。
作中で何度も登場する
「対すれば相和す」という言葉。
伝説の武道家・塩田剛三氏いわく、
合気道の心であると。
人と相対したとき、相手の敵意を
無くすほどの人柄と実力を備えていれば、
ひとつの「和」になる。
「和」とは、自分に確かな強さがあり、
相手を味方・協力者にしてしまうこと。
それが「対すれば相和す」
なのだそうです。
橋本は普段は温厚なのですが、
挑発されたり、他人に迷惑をかける人を
見たりすると、合気道の技を使い
相手を叩きのめしてしまいます。
時にはやりすぎて
病院送りにしてしまうことも。
合気道の実力は申し分なく、
師匠も認める才能も持ち主です。
ただ「対すれば相和す」を
体現するには、
人柄が欠けているのでしょう。
合気道は字のごとく、
相手と気を合わせる武道であり、
最終目的は戦わないこと。
どのような理由であれ
人を傷つけるようでは、
合気道家として未熟であり
強いとは言えない。
このマンガは、そういうことを
伝えたのだと思います。
合気道橋本道場はこんな方におすすめな作品!必見
合気道という名前は知っていても、
どんな武道か理解している人は、
そう多くないでしょう。
「合気道橋本道場」は、
技や型といった実践的なものではなく、
強さや目的といったより
本質的なテーマが描かれているので、
合気道とはどういうものか
知りたい方にオススメです。
また深いテーマを扱いながら、
かなりギャグシーンが多いのも特徴。
元道場破りの長谷が加わってからは、
その流れが加速します。
引田先生の親しみやすい絵により、
コメディマンガとしても楽しめる作品です。
同じ合気道を題材した作品だと
「EVIL HEART」があります。
武富 智先生による武道マンガで、
心に傷を持つ中学生の少年・ウメが
合気道と出会い、
成長していく様子が描かれます。
家庭内暴力、いじめ、性犯罪…
さまざまな問題が起こりますが、
合気道の本質を理解することで、
それらの問題と向き合い
乗り越えていきます。
武富先生は、このマンガのために
合気道の道場へ通ったのだとか。
合気道に興味のある方は、
こちらもぜひ読んでみてください。