タイトル | 君に愛されて痛かった |
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原作・漫画 | 知るかバカうどん |
出版社 | 双葉社 |
普通の高校生活を送りたかった・・・
学校の友達を、自分とは住む世界が
違うと考えているかなえ。
かなえは中学の頃、
ずっとイジメを受けていました。
辛かった中学時代。
だから高校生になったら、
クラスで目立つグループに入ろうと
決めていました。
君に愛されて痛かったのあらすじ紹介
お昼の時間に
仲間と昼食をとっていました。
皆んなはキャッキャと会話が弾んでいる
様子なのに、かなえだけは輪の中に
溶け込めずボーッとしていました。
「かなえ聞いてる?」と、
友達に声を掛けられます。
とっさに、ごめんなさいと謝って
しまいました。
友達からは何で謝るの?と聞かれて
しまいます。
私たちは友達でしょ!と言われました。
どこかぎこちなく返事をしたかなえは、
友達にちょっと不思議がられました。
何とかその場は、笑って誤魔化しました
君に愛されて痛かったのネタバレと今後の展開は?
今は友達がいるけれど、
中学の頃にイジメられていた過去を
持っているかなえ。
かなえはその時の記憶が
時々フラッシュバックしてしまいます。
クラスで陰キャラの子達を、
馬鹿にするグループの友達に促されて
口を合わせてしまう自分を
本当にイヤな人間だと責めていました。
そして強い自己嫌悪に陥りました。
受罰の念に駆られてしまうかなえ・・・
彼女が自分に与える罰とは、
援助交際でした。
父親ほども年の離れた汚らしい、
何の愛情も無い人と、そういった関係を
持つ事を続けていたのです。
そしてその男達が喜ぶと予想される
仕草をしたり、下品な行動を
していました。
そこには自分なんてどうなってもいい
という思いがあったのかも知れません。
見ず知らず人と関係を持ち、
おじさんと並んで歩いている時
かなえがおじさんに言いました。
手を繋いでもいい・・・?
おじさんはかなえを、
甘えん坊だねと言いました。
全く知らない人だから
自分が出せる・・・
かなえはそう心の中で思いました。
君に愛されて痛かったの読んでみた感想・評価
イジメをしている人は、きっとどこか
安易な気持ちでやっているのかも
知れません。
でも!
イジメを受けた側は、
とても深い傷を心に受けるんだという
風に感じました。
そしてその事実に心が囚われてしまい、
呪縛の念に縛られて生活をする。
なんて残酷なことなんだろうと
思います。
ずっと我慢してきたり、
傷ついてきた人は簡単には
心が解放されないんですよね。
そして張り詰めていた気持ちが
切れてしまった時には・・・
人は想像できないくらいに残酷に
なれるのかも知れません。
かなえが中学の頃に
イジメられていた時にクラスの中で
誰か力になってくれたら・・・
結果的にイジメを受けたとしても
かなえの心は救われたかも知れません。
かなえは家族からも疎まれていたから、
家にも心休まるところが無かった
とても辛かったと思います。
援助交際をしている時は、
こんな自分でも誰かに必要とされている
そんな風に実感していたと思います。
正しい大人に出会えず、
導いてくれる人が居なかったことが
残念でならなかったです。
君に愛されて痛かったはこんな方におすすめな作品!必見
ある種の心の闇を抱えた女の子の
気持ちに・・・
心が突き動かされるものを感じました。
メンヘラと言う言葉が
最近よく聞かれるようになりました。
メンヘラとは心に病気を患った人、
という意味で使われているようです。
オンとオフの差というか、
謝ったり激しく罵ったりの落差が
かなえは凄まじかったように感じます。
そういった二面性を持っていて、
そういう精神のギャップに
本人もツライはずです。
心の病理について勉強している人や
そういった精神的なものに
興味がある人には!
勉強になる作品だと思いました!
主人公の気持ちの揺れ方が
すごくリアルに書かれていて、
私は興味深く読ませてもらえました!
日常生活の中で知らず知らずのうちに、
人はみんな何らかでバランスを保って
いるんだと思います。
それは人によって様々ですが、
かなえにとっては援助交際だった
という悲しい現実でした。
欲求がうちに向かうのか
それとも外に向かうのかで
外向や内向を表しますが、
かなえは攻撃性が自分に向かっていた
のかも知れません。
社会や人を見つめ直す
きっかけをくれる漫画だと思いました。