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喰いしん坊!のあらすじやネタバレを書いています(感想もあり)

喰いしん坊!

この記事は約 6 分で読めます。
タイトル 喰いしん坊!
原作・漫画 土山しげる
出版社 日本文芸社

大食いを競技だと考える組織と興行だと
考える組織とが対立する世界観で
展開されるグルメ漫画。

普通のサラリーマンだった主人公は
偶然にも両者の争いに
関わってしまう。

その過程で痛恨の失敗を犯した彼は
“大食い道”を極める修行へ旅立つ。

料理本来の味や見た目を台無しにする
邪道喰いを行う者たちとの勝負を重ねる
主人公はやがて野武士の如く成長し、

邪道喰いの巣窟ともいえる舞台で
開催される大食い日本一決定戦に殴りこむ。

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喰いしん坊!のあらすじ紹介

会社員・大原満太郎は“ハンター錠二”の
異名を持つ宍戸錠二に出会い、競技としての
大食いに興味を持ちます。

錠二が所属する大食いの競技化を目指す団体
“丹下フードファイター(TFF)”は、

大食いを単なる見世物・金儲けの手段だと
考える“大阪食い倒れフードファイター
(OKFF)”と対立していました。

食べることに感謝の念を絶やさない
満太郎は、料理を蔑ろにする
“邪道食い”のOKFFに反感を持ち、

大食いイベントの予選会への
出場を決めます。

ところが、OKFFは錠二と交流する
満太郎をTFF所属と解釈して卑劣な手口で
予選会前の彼に妨害工作を施します。

罠に嵌められ予選会に惨敗した満太郎は
サラリーマンを突如辞めました。

己の甘さを痛感し、大食いを極めて
いずれはOKFFを倒すことを目指す

満太郎は、錠二らの手を借りることも拒み、
単身で大食い修行の旅に出たのです。

全国各地を渡り歩くうちに
OKFF主催の喰いワングランプリに
出場することとなった満太郎は、

修行の成果を存分に見せつけて、
OKFFの妨害工作を
掻い潜りながら決勝戦へと駒を進めます。

OKFFの強者2名、ハンター錠二、
そして満太郎の4名で争われる決勝戦は

熾烈を極めますが、OKFFの2名が
脱落し、残るは錠二と満太郎だけです。

大食いの魅力と厳しさを教えてくれた
師とも言える錠二と満太郎との真っ向勝負は

食した寿司の数がまったく同じであった為
引き分けになるかと思われましたが‥。

喰いしん坊!のネタバレと今後の展開は?

喰いワングランプリ決勝の舞台に残った
錠二と満太郎の太巻き寿司対決は

制限時間終了をもって同数
引き分けと判断されます。

しかし、OKFF代表・遠山響子が両者の
目前に零れ落ちている飯粒の残量が
少ない方を勝者にすると突如宣言します。

計量の結果、僅差で錠二が
王者の座に就きました。

満太郎と錠二の“正道喰い”対決に
感動した遠山が改心したことで、
TFFとOKFFは劇的に和解、新団体

“全日本フードファイター
(AJFF)”として

統一を果たし競技としての
大食いの普及を推進していきます。

世界中のフードファイターを集めての
“喰輪杯(クイリンピック)”が
台湾で開催されることになり、

主催者はAJFFに対し日本代表として
錠二の出場を要請します。

しかし、錠二は喰いワングランプリ決勝戦で
些細な粗相をしており、それは自らの

未熟さだと断じて所在不明の
修行の旅に出ていました。

喰輪杯開催の情報を知った満太郎は
世界を相手にした大食い対決に
魅力を感じて出場することを決めます。

各国から集まったフードファイターとの
勝負に、あわや初戦敗退危機も
あったものの、満太郎は開催地・台湾の

女性フードファイターと世界一を
争うところにまで進出します。

最終の中華フルコース勝負には
彼が苦手とする八角を使ったメニューが
残されていました。

ぶっ続けの大食い対決に両者とも
到底完食が困難な中、メニューの
取捨選択が勝敗の分かれ目です。

満太郎は八角が使われていない
小龍包を選びますが、冷めた小龍包は
大食いに不向きなのが常識です。

しかし、単身での大食い修行で蓄えた
数々の経験、培った大食い術を駆使し、

常識を覆す食べっぷりを見せた満太郎が
大食い世界一を奪取しました。

世界王者となった満太郎はその後
一人の男に勝負を挑みます。

その相手はハンター錠二でした。

カツ丼対決に臨んだ二人はどちらも
これに敗れれば大食いの世界から
退くことを宣言します。

とある高速道路を走る一台のトラック。

そのハンドルを握るのは錠二でした。

そして、街の食堂でカツ丼大食いに
挑戦する男が・・・。

もちろんそれは満太郎です。

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喰いしん坊!の読んでみた感想・評価

日本国内での大食い対決の殆どは
正道喰いVS邪道喰いで描かれています。

正道喰いは我々一般人も行っている
普通に料理を味わって食べる行為ですが、

邪道喰いは料理に湯または水を注いで
お茶漬け形式で掻きこむ手を
多く使います。

果ては固形物と液体をミキサーで
混ぜ合わせて飲み干す者もいました。

邪道喰いに、味わうことや食材とそれに
携わる人たちへの尊敬の念は
まったくありません。

ただ大食いに勝つ為だけの
手段を選ばない“芸”なのです。

常識のある読者ならばOKFFの
邪道喰いに怒りを感じるでしょう。

満太郎や錠二が正道喰いで
読者の怒りを晴らしてくれるのです。

大食いは、ただたくさん食べる
行為であってそこに技など無いと
思う方もおられるかも知れません。

ですが、本作品ではたくさん
食べるにはその為の事前準備や
食べ方、食材・調理法別の対処、

食欲を持続させる策が
必要であることを教えてくれます。

一見すると話しに広がりを
作りづらそうな大食いというテーマで
4年に渡って連載できたのは、ひとえに

これら大食いに成功する為の術の
数々があったればこそと思えます。

そして、満太郎のきれいな食べ方や、
食欲を持続させる策には、まるで

漫画の中の観衆と同様に
感嘆させられました。

喰いワングランプリや喰輪杯も
面白いのですが、単行本第6巻にある
どら焼き大食い挑戦の件を読めば、

彼の取り組みの多くが見られるとともに、
作品世界における大食いのあるべき
姿・理想を知ることもできます。

喰いしん坊!はこんな方におすすめな作品!必見

もちろん大食いに興味のある方には
おすすめです。

また、グルメ漫画好きにも推薦したいです。

グルメ漫画も数多く発表されていて
漫画世界に無くてはならない一つと
なっているでしょう。

そんな中で本作品は異例の
グルメ漫画なのです。

それは食べる側の立場で
描かれた作品ということ。

多くのグルメ漫画は作る側が
主役ですが、それとは異なって
いるのが斬新です。

結果的に食べる人が料理を食べて
何かしらの喜怒哀楽を表現することでは
同じなのですが、本作品はそれに

どうやって大量にしかも最後まで
美味しく食べるかを追求した描写を
見ることができます。

しかも、満太郎や錠二の姿から、
料理への深い愛情や料理人への
感謝の心が感じられることも、

他のグルメ漫画よりも鮮明に
打ち出されています。

同じ作者の手による
「大食い甲子園」を愛読した人には
すぐに理解できるでしょうし、

「大食い甲子園」自体が本作品の
世界観を継承しているので、双方とも

未読ならば本作品から読んでみることを
是非お薦めしたいところです。

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