タイトル | 嘘喰い |
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原作・漫画 | 迫稔雄 |
出版社 | 集英社 |
嘘喰いは主にギャンブルを
題材にした漫画である。
知性や策略を駆使し、
相手を出し抜いていく作品。
ただ他のギャンブル漫画との一番の違いは、
バトル要素が含まれていることである。
ギャンブルでは自らの命を賭ける事もあるが、
実際の世界でこのようなギャンブルをすると
暴力により勝負を無かった事にする。
といった不正もあり得る為、
「立会人」という暴力に長けた
仲間を連れた状態でギャンブルをする。
そのため、立会人同士のバトルも勃発する。
嘘喰いあらすじ紹介
パチスロに興じて借金がかさみ、
ヤミ金に手を出してしまった青年、梶。
そんな彼は伝説のギャンブラー、
斑目貘(嘘喰い)と出会う。
嘘喰いは、知と策略により
逆にヤミ金を騙す事に成功。
多額の金を得る事で梶を
借金地獄から救い出す。
また貸しビデオ屋の不正を
暴く事で多額の金を得る。
これらの出来事をきっかけに、
梶も嘘喰いのようになりたいと、
欲望渦巻く世界に浸かっていく。
嘘喰いには、とにかく金が必要であった。
その理由は、「倶楽部 賭郎」のトップである
「お屋形様」にギャンブルを挑み負けてしまう。
これで全てを失ったため、再度挑むための
金や力を手に入れる必要があるからである。
その際に、嘘喰いは命の取り立ても
されかけているが、お屋形様の気まぐれにより
保留となっている。
倶楽部 賭郎とは、様々なギャンブルを
取り仕切る会員制の組織。
「立会人」と呼ばれる人物が
ギャンブルを行う双方に
不正が無いようにルールを定める。
ギャンブルで賭けられたものは、
敗者から確実に取り立てて勝者に与える。
その賭けたものが、互いの命であっても。
そのため、立会人はかなりの「暴力」を有し、
確実な取り立てを行う。
嘘喰いは、飛び抜けた知性や策略により、
金や暴力、権力を次々と獲得していく。
嘘喰いの最終目標は賭郎のトップである
お屋形様に勝利し、その座を奪う「屋形超え」
を果たす事である。
お屋形様に挑むための条件はいくつかあり、
「賭郎会員である事」
「500億以上の資産を有する事」
「専属立会人が零號(最も強い)である事」。
嘘喰いネタバレ・今後の展開
嘘喰いと梶は、個人でギャンブルを
しているという老人、Q太郎と出会い、
「廃ビル脱出勝負」を挑まれる。
しかし廃ビルには殺戮を好む輩が潜んでおり、
またQ太郎は殺人を見る事を
好む異常人物であった。
嘘喰いは梶と協力し、
様々な策略により廃ビルを攻略。
Q太郎の持つ賭郎会員権を梶に与え、
また廃ビルの悪魔である
マルコ(ロデム)という「暴」を手に入れる。
その後、まだ頼りない梶に対して嘘喰いは
「金をギャンブルでスって来い」と言われる。
個人経営のカジノに出向き、
鮫丸とセブンポーカーで勝負する。
しかし勝負には負け続け、
それにより金の重みを知った梶。
その後鮫丸がジュースカードを用いた
イカサマをしている事に気付き、
梶が勝利し、大金を獲得する。
富士の廃坑では、首吊りを賭けたババ抜き
「ハングマン」で革命家の佐田国と勝負する。
一時は窮地に追い込まれた嘘喰いである。
が、全盲の佐田国は人工視覚で相手のカードを
監視カメラから覗き見るという
イカサマをしていた事を見抜く。
逆に利用する事でギャンブルに勝利し、
ふたたび嘘喰いは賭郎会員となる。
そして負けた佐田国は首を吊って死亡した。
その後、0円ギャンブルにより
雪井出にやってもいない罪をなすりつけられた
梶を救うため、嘘喰いは雪井出に勝負を挑む。
代わりに
「お屋形様による自らの命の取り立て」
を雪井出になすりつける。
その後も様々なギャンブルを繰り返し、
屋形超えのための金、
権力を手に入れていく嘘喰い。
そして条件は揃い、最後の勝負の屋形超え、
に再度挑む事になった。
嘘喰い読んでみた感想・評価
嘘喰いは、ギャンブル漫画としても
バトル漫画としてもかなり見せ方が上手く、
非常に面白い作品です。
特にギャンブル部分におけるイカサマと、
それの破り方、イカサマを逆に利用した
嘘喰いの勝ち方は爽快です。
本作に似た作品で現在アニメ放送中の
『賭ケグルイ』なども同じような勝ち方をします
伏線の張り方も、あとで判明した時に
「そんな意味があったのか」と、
かなり痺れます。
ギャンブルとは言っても、ババ抜きだったり、
あっち向いてホイだったり、ルールとしては
わかりやすいゲームも多く、読みやすいと思います。
特に物語後半のプロトポロス編に入ったあとの
エア・ポーカーはギャンブルのルールや
お互いの駆け引きも非常に面白く、必見です。
バトル部分もかなりカッコよく、
立会人同士のバトルやマルコのバトルが
ところどころに入ってきますが、
展開も早いのでサクサク読めます。
またたまに入るギャグ要素も、
張り詰めた空気を崩してくれる
いい緩衝材になっています。
週刊で現在も連載中ですが、
1週間で1話だとストーリーが難解で
わかりにくい部分もあるかと思います。
1週間経つと何やってたか忘れてしまったり…。
ですが、単行本でまとめ読みするとハマってしまい、
いつの間にか10巻、20巻と読み進めてしまいます。
(それでもちょっと理解が
難しいところはありますが。)
原作はついに最終章である「屋形超え」
にまさに挑んでいる最中で、目が離せません。
また連載10周年を記念して、
実写映画化計画も進行中との事で、
今からすごく楽しみにしています。
知名度はそこまで高くないかもしれませんが、
オススメの漫画です。