[PR]Yahooプレミアム会員が最大6ヶ月無料+毎週(金曜)20%ポイント還元中!【ebookjapan】

声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~のネタバレと結末(最終回)は?あらすじや感想もあり!!

声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~

この記事は約 5 分で読めます。
タイトル 声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~
原作・漫画 安武 わたる
出版社 ぶんか社

父を亡くし、姉とサヨリとともに
身売りされた少女、チヌ。

明治の時代ではありますが、
そこは未だに古い因習に縛られた
「遊郭」に他なりません。

女中として入ったはずが
いつの間にか客を取らされることに。

容赦なく辛い現実にチヌは……

明治期の色町を舞台にした、
ハードなヒューマンストーリーです。

サイト内で【声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~】を検索!

声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~のあらすじ紹介

サヨリとチヌの姉妹は、
瀬戸内海の小島で
優しい父と一緒に暮らしていました。

しかしある日漁に出た父が
そのまま帰らぬ人になってしまい、
生活の手段を失ってしまいます。

さらに借金もあったために二人は
姉妹揃って身売りされてしまいます。

チヌとサヨリは離れ離れになり、
しかも「女中」という名目だった
チヌまで体を売ることになります。

辛い日々に絶えかねたチヌですが、
海で溺れかけたところを
若く美しい男性に助けられます。

このことが彼女の運命が
変わるきっかけになったのでした。

声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~のネタバレと今後の展開は?

瀬戸内海の小さな島で、猟師の子として
貧しいながらも幸せな毎日を送っていた
サヨリとチヌの姉妹。

しかし、父親が漁で
帰らぬ人となってしまい、
生活の手段を失ってしまいます。

加えて家には多額の借金があり、
そのため姉妹揃って遊郭に
身売りされてしまいました。

まだ幼いチヌは女中として、
姉のサヨリは遊女として

買われることになり、
姉妹は離れ離れで生きていくことに。

チヌを買い取ったのは
色町の中でも格の低い須賀屋でした。

チヌは一年ほど
そこで女中をしていましたが、
急に店が人手不足に。

困った店側は、
どうせいずれは見世に出る
からとまだ年も満たないチヌを

客につけてしまうことに。

予想外の展開にチヌが、

泣き叫び逃げようとしても
店の主人に殴りつけられ
そして寝床に戻されて……

ひどい初体験となりました。

このあまりに過酷な経験を
強いられたチヌは、
故郷の島に逃げようと身を投げます。

しかし、途中で息が尽き、
あわや死にかかってしまいます。

しかし、そこで彼女を助けたのが
遊郭の大地主の息子若水、
通称「若様」なのでした。

サイト内で【声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~】を検索!

声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~の読んでみた感想・評価

冒頭からとにかくハードな展開が続きます。

姉妹一緒の「身売り」、
しかも内心コンプレックスにしていた
容姿の差を見せつけられてのスタート

というのは他にあまり例がなく
だからこそ辛い女郎屋の暮らしが
よりいっそう厳しく感じられるのです。

甘い展開は当初一切なく、
むしろその辛さこそが
リアリティを追求していると言えます。

男女が交わる場ですが、
エロティックさよりも
むしろより暗い情念が漂います。

だからこそ、偶然から生じ始めた
「若様」とのつながりがより温かく、
そしてありがたく感じられるのでしょう。

彼の存在はまさに本作にとっては
「救い」であり、
チヌはこうしたことをきっかけに

辛い現実を生き抜いていくだけの
材料を手に入れます。

それはお金やコネだけではない
内心に根ざしたもので、

その緩やかで根本的な
変わりようがあるからこそ、

本作はただ厳しいだけの
作品にはならないのです。

当時の廓の世界ということもあり、
挟まれるエピソードも
明るくない話が多いですが、

それでも江戸時代とは
異なる点も多く

そうした違いを確認できる
という意味でも
本作は貴重と言えます。

声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~はこんな方におすすめな作品!必見

戦前まで娘の「身売り」は
実際に行われていました。

そうしたことをモデルにしたお話も
たくさんありますが、本作は
特に深い絶望感があるように感じました。

父親が急に亡くなり、
自分だけでなく姉までが同時に
身売りをしなければいけない状況で、

二人は容姿によって差をつけられ、
しかも離れ離れになってしまいます。

チヌにとって愛しい姉が憎い
などということはあり得ませんが、

内心気にしていた容姿で差をつけられ
不利益を被るというところに独自性があり、
また救えなさを感じました。

さらには店側にも邪険に扱われ、
仲間からも笑われ
といった状態に追い詰められていて、

だからこそチヌは新たな店で
「若様」との関係に
深くはまっていきます。

一見恋愛のようでもある
二人の甘く沢かなやり取り。
微笑ましさが伝わってきます。

しかし彼らの関係は
公平ではありません。

もしチヌが若様から捨てられれば
積み重ねた多くのものを捨てる
ことになるでしょう。

しかし、若様はまた
変わらぬ日常を送るだけです。

彼の人柄によって

見えなくなっている現実に
思いを巡らせると、
チヌの本気と必死がより伝わってきます。

僅かな可能性を乗り越えて
親しくなった相手とすら
決して「対等」になれない。

このことこそが遊郭が
苦界と言われる理由かも知れません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA