タイトル | 大砲とスタンプ |
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原作・漫画 | 速水螺旋人 |
出版社 | 講談社 |
戦争の主役は輝かしき戦歴を持つ英雄や
画期的な大活躍をする兵器だけじゃない!
事務方のデスクワークも
立派な戦場なのです!
そんな「紙の兵隊」と揶揄され笑われる
事務方兵站軍の慌ただしい日常を綴った、
新しい空想SF戦記作品。
「大砲とスタンプ」を御紹介します!
大砲とスタンプあらすじ紹介
発端の曖昧な帝国と共和国との泥沼の戦争に
巻き揉まれる形になった大公国軍。
日々疲弊しながらも、
その先の見えない戦争に、
相も変わらず国力を注いでいた。
同盟国である帝国軍に言い様に扱われるも、
今更に後に引けない、そんな意地の
大公国の兵站軍に所属する──
マルチナ・M・マヤコフスカヤ少尉。
ひっ迫するだけの泥沼の戦争の中心である、
占領地アゲゾコ市の軍事要塞補給廠
管理部第二中隊へと配属される事になった。
武器を持たない軍人──兵站軍。
空を統べる空軍や、陸をうねらせる陸軍や、
海を掻き分ける海軍とは違い、
デスクワークと後方支援の補給が主任務。
「紙の兵隊」と馬鹿にされ、あざ笑われる。
そんな軍に所属する士官学校を出たばかりの
新人少尉である彼女。
最前線でも臆する事も無くに、
生来の生真面目な
性格のまま配属されます。
補給廠管理部第二中隊
キリール・K・キリュシキン
兵站軍大尉の元へと配属される。
しかしそこは彼女の想像を超える部署だった。
補給命令は命令書無しの
口頭だけの伝言ゲーム。
いい加減な物資管理に不正や横領がまかり通り、
最前線には注文通りの物資補給もままなら無い、
まともに機能していない補給中隊。
責任問題と叫びながら、持ち前の官僚主義と
形式主義で生真面目に事務を
開始していくマルチナ少尉。
そんな生真面目な彼女を襲う、
大公国軍部の陰謀やアゲゾコ市抵抗軍の
反政府活動に、兵站軍の不正問題。
また資金問題などにぶつかりながらも、
真正面から突撃する彼女には、
妥協と言う文字は無し。
「責任問題」と今日も叫び、
彼女は今日もタイプライターを打つ!
大砲とスタンプネタバレ・今後の展開
最前線の戦場へと物資補給を
行わなくてはいけない
兵站軍に所属するマルチナ少尉。
あまりにもな中隊の怠慢に憤りながらも、
バリバリと事務作業に取り掛かる。
生来の生真面目な彼女は、
戦争における様々な思惑と現実など
様々な問題に衝突していく。
所属初日には上層部の物資横流しの
陰謀に巻き込まれる。
命からがらに解決し、
落ち着いたと思いきや、
まだまだ次がある。
次は本国の政治家達の思惑によって
戦費の都合を見つけなければと、
敵地であての無い資金調達に奔走する。
果ては最前線の兵士の士気向上の為に、
応援する国民の手紙の偽造など、
様々な問題に巻き込まれていく彼女。
しかし、どんな任務も生真面目に
真正面から解決していく
マルチナこと突撃タイプライター。
立ち止まることはありません。
そんな彼女の頼りになる仲間(?)である、
古参の兵隊でまとめ役の
ボリスラフ・B・ボイコ曹長。
元は民間企業勤めのサラリーマンだった
器用さが売りのマンチコフ軍曹。
兵站軍一の女用心棒ことお色気担当の
アーネチカ・A・アルセニエワ兵長。
兵站任務そっちのけで
SF小説を書く事を生きがいにする
キリール・K・キリュシキン大尉。
その弟である勲章を夢見る
コースチャ・K・キリュシキン少尉と共に、
そんな問題を幾つも切りぬけていきます。
いつしか共和国と大公国の間で
漁夫の利を狙うスィナン・カライブラヒム
の陰謀にも巻き込まれます。
また戦場の理不尽な現実と、蹂躙されていく
無辜の市民の現実などと、
様々な問題にも直面していく。
彼女の兵站軍任務には平穏はありません。
大砲とスタンプ読んでみた感想・評価
ロシアとソビエト連邦の軍事考証と
イラストで有名な、イラストレーター兼漫画家──
速水螺旋人氏。
そんな氏の初の月間連載漫画作品となる
「大砲とスタンプ」は、
別の角度から見たSF戦争戦記物です。
本来SF戦記物ならば、空想兵器で英雄が
颯爽と戦うものと相場が決まっていそうです。
しかしこの作品は違います。
そんな空想兵器が活躍する世界にいながらも、
事務方の人間である兵站の軍人が
活躍する日常を描いています。
少し変わった角度の戦記物となっています。
戦争モノなのに、どこか穏やかで、
戦争な雰囲気はなさそうに見えても、
時折見える戦場の現実感が合わさります。
作品の内容と表現を独特の作風に仕上げ、
独特の面白さを引き起たせる作品。
新しい形の戦記漫画として
完成した作品とも言えます。
そして水螺旋人氏ならば忘れてなら無いのが、
その独創性にある空想兵器の紹介!
この作品にもそれは見物となっています。
戦争にありがちな失敗兵器や、
また即興で創り上げた急場な兵器。
実際にありそうな感覚に
とらわれてしまいそうになってしまう。
その独創性と創造性に満ちた、
水螺旋人氏の描く魅力的な兵器紹介が
楽しみにもなりのです。
見て二度お得な漫画作品ともなっています。
またかつての宮崎アニメに抱いたような、
力強く動く戦車の息遣いや、
航空機の軌道や、歩兵達の躍動。
生命感のある生きた漫画作品でもあり、
キャラクターの個性や生命力などを
感じられる作品でもあります。
ただの軍事モノでは無く、違う世界にある戦争が
身近に感じられ、思い描けるような
イメージを持たせてくれます。
まさにおとぎ話のような
戦記モノとも言える本作。
少し変わった戦記作品を
楽しみたい方におススメな作品です。
ファンタジー要素のある戦記作品が好きな方におすすめ
ファンタジー要素のある戦記作品が好きな人に
おススメな作品である「大砲とスタンプ」
SFとファンタジーの要素を持つ、
アーミー、ファンタジー作品好きな、
そんな人を満足にさせてくれる作品である。
またジブリ作品に見た、かつての空想兵器に
胸を躍らせていた気持ちを満足させてくれる
内容に仕上がっています。