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思い出のとき修理しますのネタバレと気になる結末は?あらすじや感想もあり!

思い出のとき修理します

この記事は約 5 分で読めます。
タイトル 思い出のとき修理します
原作・漫画 谷瑞恵 山口いづみ
出版社 集英社

美容師をしていたものの、
ある事情から店を辞め、
仕事からも離れていた明里は、

いわくありげな案内を出す、
物静かな時計店の店主と
知り合うことになり……、

精巧で繊細な時計などの
昔ながらの機械を通じて
人の様々な思い出に触れていく、

優しくて温かく人間の情があふれる、
職人的な良さがある一作です。

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思い出のとき修理しますのあらすじ紹介

美容師として店に勤め、
チーフに起用されていた、
仁科 明里さん。

しかし、その地位も仕事も
交際していた先輩からの
「手回し」だと知った彼女は、

店も仕事も辞め、縁があった
商店街に戻ることにしました。

昔とは違い、すっかり活気が
なくなってしまった商店街ですが、
明里さんは、物静かな時計職人、

飯田 秀司さんと知り合うことになります。

穏やかで優しい彼は、その技を活かし、
時計の修理を行っていますが、
長年使ってきた時計や機械は、

持ち主の思い出そのものでもあり、
飯田さんと明里さんたちは、
細やかで丁寧な機械類を通じて、

色々な人のかつての記憶に
触れていくことになるのでした。

思い出のとき修理しますのネタバレと今後の展開は?

美容師だった仁科 明里さん。

店ではチーフを任されていましたが、
それは付き合っていた先輩の
手回しによることを知り、

店も美容師も辞めたものの
ヘルプの要請があり、縁のあった商店街に
足を運ぶことにしました。

地図を頼りにおばあさんがやっていた、
「ヘアーサロン由井」に入り、
ハサミをいじくっていると、

侵入者の気配と物音が。

思わず明里さんがパニックになると、
それを聞きつけて近所から、

時計店の店主、飯田 秀司さんが
駆けつけてきてくれました。

飯田さんは明里さんのことを
良く知っているようでしたが、
明里さんは彼のことを知りません。

飯田さんは単身者ですが、
近所の大学生である太一君と
一緒に食事を楽しんでいたりと、

孤独ではありませんでした。

飯田さんの家に来た太一君が、
拾ってきたオルゴールを
飯田さんが開けてみると、

中から家族写真が出てきました。

太一くんか神社でお告げを聞いたと言い、
明里さんにオルゴールの持ち主を
探そうと提案しますが、

その時、明里さんのところにきた
黒猫が再び姿を現し、

若い女性がその猫に向かって、
「パパ」と呼びかけました。

咲というその女性は、
オルゴールの中の写真の少女であり、
彼女に事情を聞いてみると、

そのオルゴールは彼女が昔、
「パパ」にプレゼントしたもので、
思い出の品なのが分かりました。

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思い出のとき修理しますの読んでみた感想・評価

ゆったりとしつつも深く強い思いが
胸に染みてくる作品でしたね。

ゲームセンターに行けば精密な
デジタル時計が景品にあり、

携帯を見れば、正確な時間が
簡単に知れる現在にあって、
それでもポリシーを持ち、

大事故の過去を見せずに
淡々と修理をしていく
時計店の若店主、飯田さんには、

穏やかながらも確かなプロ根性と、
人を思いやれる優しい気持ちがあり、

その優しさを裏付けるような、
深い絶望と挫折もありました。

彼の必死で苦悩しながらも
決してそれを見せまいとする態度は
強がりというよりは他者への思いやりで、

だからこそ読み進めていても、
決して鼻につくことはなく、むしろ、
応援したい気持ちになるのでしょう。

こういった、思い出を探すような
種類の作品では、主人公は一般的に
傍観者というか部外者的存在に

なってしまうことが多いのですが、
本作の飯田さんは、当事者としての
「意思」をきちんと持っており、

彼が主人公でないエピソードでも、
そのことが分かるのが良かったです。

明里さんたち他の登場人物も、
妙に嫌味なところが一切ないのも、
作品の良さを一層引き出していますね。

本当に静かな物語ですが熱量もあり、
じっくり読めて良かったと思う、
非常に優れた一作でした。

思い出のとき修理しますはこんな方におすすめな作品!必見

あらゆるものがIT化されている現在でも、
無数の歯車を組み合わせて動かす
時計やオルゴールなどには、

芸術的なほどの精巧さと美しさが
宿っていて、確かな存在感があります。

しかし、複雑に絡み合った部品は
何かあると動かなくなってしまうもので、

具合が悪くなると修復が難しくなるのは
現実の記憶や思い出も同じかも知れません。

今の世の中、色々便利になっているので、
調査や科学的な復元等々で、
忘れていたような記憶を復活させたり、

思い出の中だけだったことを
検証したりもできますが、

本作に登場する人々は、
あくまで優しく、アナログに、
繊細なものを扱うように、

人の大事な思い出に触れていき、
それを癒していきます。

飯田時計店の若旦那に、
特別な力があるわけではなく、

誰かが超常的な力を
自在に操ったりするでもないですが、
彼らの落ち着いたスタンスは、

近頃のダイナミックな伝奇的作品や、
不可能がどんどん可能になる社会に
少し疲れているような方にこそ、

すっと胸の中に染みる、
温かなものだと思います。

派手な展開もお色気もありませんが、
熟練の時計職人の仕事のように、

隅々まで神経が通い、
思いやりがある作品だと思います。

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