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【怪奇版画男のネタバレ】とあらすじは?感想や無料試し読みもあり!

この記事は約 5 分で読めます。
タイトル 怪奇版画男
原作・漫画 唐沢なをき
出版社 小学館

漫画を書くこと自体をギャグにしてしまう、
体を張った全身ギャグ漫画家、
唐沢なをきの全てが詰まった究極の一冊。

1998年の日本漫画家協会賞優秀賞受賞を
受賞してしまった、版画で漫画を描いた…

というか「彫った」珠玉の作品。

サイト内で【怪奇版画男】を検索!

怪奇版画男あらすじ紹介

版画で彫った漫画ですが、
出てくる主人公は
「年賀状は版画で彫って書け~」

と周り…主に若い女性…に迫る「版画男」。

そして各話では版画男の
ライバルが登場します。

「年賀状にはプリントゴッコだ!」

「年賀状には芋版だ」と版画男に対抗して、

出てきて罪もない一般人に
年賀状を作れと迫ります。

しかも、「プリントゴッコ男」は
プリントゴッコで印刷する、
「芋版男」は芋版を彫って書く。

という手の入れよう。

作者が漫画を描いている姿を
想像して楽しむという、
通な漫画読みにはたまらない一作。

そして、回を追うごとに
そのギャグの執念は上がっていき、

「こんなギャグ、版画で描いている
漫画じゃないと表現できないよ!」

ということのオンパレード。

怪奇版画男ネタバレ・今後の展開

例えば、左右対称に近いセリフを、
あえて逆に印刷されるように掘って刷る…

しかも、そのセリフは
「平常心が大事だ!」

と説教するセリフで、
「セリフが逆になっている」と
周りにツッコまれる。

こんなネタ、ふつうに描いた漫画では
絶対にできないネタ、版画で作った
漫画でないと表現できないギャグです。

極めつけは多色刷りの版画に挑戦した話。

赤・黒の二色刷りで漫画を
書いた…彫った…かと思うと、
次の回では四色刷りの
フルカラー・総天然色版画漫画にも挑戦。

みなさん、多色刷りの版画の
製作工程はご存知ですか?

版画は一枚で一色しか印刷できません。

なので多色刷りという事は、
色ごとに板を彫って…

という制作風景を考えると
本当に泣けてくる努力の結晶のギャグ。

しかも、話の内容はわざと多色刷りでは
めんどくさくなるような話の展開なので、
もう完全に自虐のレベル。

そして、最後のあとがきも
なんと版画で印刷されています。

発行人や初出の部分も
版画になっているという、
「ムダにバカバカしい」努力の数々。

しかも表紙も書きおろしで
彫られています。

この漫画で版画じゃない部分は
裏表紙のバーコードと価格・ISBNが
印刷されている箇所ぐらいです。

中身は目次に至るまで全て版画。

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怪奇版画男読んでみた感想・評価

この漫画は全120ページなので、
ただのストーリーとして読むと、
本当にすぐに読み終わってしまいます。

それだけでも楽しめるのですが、
この漫画を120%楽しむためには、
唐沢なをきの姿を想像しながら読みましょう。

そうすると全ページ、人物やセリフはもちろん、
背景の彫り残しの筋まで
楽しむことができます。

例えば、
「夏休みの絵日記を版画で彫らせる」
という回。

海水浴場やイベント会場など、
モブ(群衆シーン)と
長文がひたすら続きます。

群衆の一人一人をきっちり
彫っているんだなぁと想像する。

「どのくらい時間かかったんだろう」
と感心すると同時に、
その行為のバカバカしさから笑えてきます。

しかも、この漫画でも
通常の漫画制作と同じように
アシスタントを使っていました。

しかし人物は作者が、
背景はアシスタントが
彫るというスタイルを踏襲。

版画なので、作者は板に
下書きを書くところまでです。

彫る作業は全部アシスタントに
任せればいいものの、
そうした手抜きは許さないのが唐沢なをき。

本当にギャグ漫画家の鏡だと思いました。

アシスタントは「先生、なんで
こんなモブシーンばかりなんですか?」

なんて思っていたんでしょうね。

「なんでそんなムダなことをするの?」

なんて言ってはいけません。

そうしたバカ正直な姿自体が、
全身ギャグ漫画家・唐沢なをき
の真骨頂なんです。

生産性なんか求めてしまうと、
面白くとも何ともないんですから。

普通のギャグ漫画では満足出来ないという方におすすめ

ギャグマンガには誰でも
すぐに楽しめるシンプルなものから、
不条理ネタを連発する漫画、
理屈をこねくり回す哲学的なギャグ漫画など。

多種多様な漫画がたくさんあります。

しかしこの漫画の作者である唐沢なをきは、
違った側面からギャグ漫画の笑いを
追求している漫画家です。

普通のギャグマンガに飽きた人で、
怪奇版画男の事を知らなかった人には
ぜひ一度はトライして欲しい

超おすすめの一冊です。

怪奇版画男の事で大笑いした人は、
唐沢なをきの他の漫画も
ぜひ試してみてください。

唐沢なをきの、体を張った他のギャグ漫画も
絶対に楽しめること間違いなしです。

唐沢なをきは自分が漫画を
書いている姿そのものを
ギャグのネタにしているのです。

もしかすると漫画家というより、
お笑い芸人に近いかもしれません。

ゴールデンタイムのバラエティ的な
お笑い番組も好きだけど、
深夜のディープなお笑い番組の方が好きな人。

ぴったりのギャグマンガだと思います。

そしてただ読むだけではなく、
この漫画を作者の描いている姿を
想像するという楽しみ方で
さらに深い楽しみ方ができる。

漫画読者の実力も試される漫画。

怪奇版画男を楽しむことができれば、
あなたも通の漫画読者です。

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