タイトル | 恋は光 |
---|---|
原作・漫画 | 秋★枝 |
出版社 | 集英社 |
地味系男子の西条くんは、
恋をしている女子が
光って見えるという特技持ち。
もっとも今まではその特技が
自分に絡むことはなかったものの、
そんな西条くんにも好きな女子が。
しかしその風変わりな美女、
東雲さんには「光」は見えず……。
女の子の気持ちが一部分かるという
大胆な設定によって、
かえって繊細な恋模様を可視化した、
新感覚もどかし系ラブコメです。
恋は光のあらすじ紹介
恋をしている女の子が
キラキラ光って見えるんだと
いきなり力説を始めた西条くん。
話を聞いている北代さんは
もちろんすぐには信じませんが、
西条くんは至って本気な様子。
もっとも光って見えるから
モテるということではなく、
むしろ西条くんはキラキラと、
自分とは関係ないところで
輝き始めた女子大生たちに
むしろヘコんでいたようです。
しかしそんな西条くんも
東雲さんというどこか
浮世離れした感じの美女に、
恋をして、友達になろうと
頑張っていきますが、
その手段は交換日記でした。
恋は光のネタバレと今後の展開は?
大学生の西条くんはある日、
親友の北代さんに対して、
恋をする女性が光って見えると、
自分の体質について告白しました。
それは比喩的なものではなく、
実際に光って見えるとのこと。
五月の雨に濡れた女子大生たちが、
自分には縁のないところで
キラキラ輝いているのがどうにも、
いたたまれなくなった西条くんは
思わず秘密を口にしたわけですが、
一方西条くんも恋をしてしまいます。
そのお相手は東雲さんという女性。
落ち着きのある美人な女性ですが、
かなり浮世離れした感じもあり、
恋を知りたいと純粋に言えるほど、
今時の女子大生とは違う雰囲気を
持っている人でした。
そんな西条くんの思いを知った
北代さんは、彼女と
友達になりたいという西条くんの、
思いを汲む形で東雲さんと知り合い、
彼女と接点を持ちます。
そうして東雲さんと改めて
対面することになった西条くんは
東雲さんに交換日記を申し込みます。
すると東雲さんもそれを快諾し、
二人は日記の交換という方法で
交流を深めていくことになります。
恋は光の読んでみた感想・評価
王道的なラブコメと思いきや、
色々と変化が利いていて
ワクワクする展開が良かったです。
恋をしたりしている女性が、
キラキラと輝いて見える、
そうした話は良く聞きますし、
実際に輝いているような演出を
用いる作品も少なくありません。
しかし本作は、「本当に」、
女性が光っているのが見える
西条くんが主人公ですから、
通常のラブコメとはかなり、
展開が違ってくるのです。
人の気持ちが分からないからこそ、
やきもきするのが恋物語、
そこを分かっているとなれば、
もう完全に、犯人が分かっている
ミステリーを読むような
感覚ではないかと思ってしまいます。
しかし本作の主人公は、非モテ系で、
さらには色々と個性的な感じの
西条くんですので、
うまく「光」を利用して彼女を作る、
友達作りに役立てるという感じには
なかなかなりません。
しかもふとしたところから知り合った
東雲さんは西条くんを凌ぐほどの
浮世離れした感じの人であり、
通常の恋愛の方程式のようなものが
一切通用しない感じなんですね。
だからこそ「光」のスキルがあっても
恋愛には活かすことができず、
かえってややこしくなっていきますが、
西条くんも北代さんも、東雲さんも、
個性的ではありますが皆良い人で、
見ていて楽しいのはいいですね。
「略奪」や「横恋慕」まで
完全にオープンという珍しい関係で
先を読むのが怖いながらも、
不思議と楽しくなってしまうような
作品でもありました。
恋は光はこんな方におすすめな作品!必見
交際に発展しそうなのに
二人の仲がなかなか進展しないという
ラブコメ作品は非常に定番ですが、
そうしたジャンルの主人公の多くには、
「鈍感さ」が性格的な共通点として
備わっていることが多いですね。
もちろん、鈍感なぐらいじゃないと
何年もラブコメ的な状況を
続けることは難しいわけで、
当然かつ必然的な設定なのですが、
あまりに空気を読めない対応が
連続するのはキツいものがあります。
本作に関してもそうした「鈍感」は
健在だったりもするのですが、
恋しているかどうかなどの部分が
客観的に分かるという状況なため、
「分かりにくさ」はありません。
従来のラブコメよりも明快で
ただそれ故に悶々とするような
新しい展開を楽しみたい、
女性キャラが単に可愛いだけじゃなく、
人間的にもいいなと思えるような
作品を読みたい方にオススメです。
特に恋愛経験がないこともあり、
相当扱いにくい感じでもある
西条くんと我慢強く付き合い、
一緒に遊び歩いている北代さんの、
意識的におめかししていない姿や
「男言葉」には女心を感じました。
ファッション雑誌のモデルのように
美しくあるだけではない、
本物の思慮が垣間見えましたし、
恋の光がなかなか出ないが故の
思いの深さなども感じることができ、
日常感も満喫できました。