タイトル | 悪魔の花嫁 |
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原作・漫画 | 池田悦子 あしべゆうほ |
出版社 | 秋田書店 |
悪魔の花嫁は1975年に創刊された
月刊プリンセスで、連載されていた
ホラーファンタジー漫画です。
原則として一話完結の
オムニバス形式で話が進められています。
長期にわたる作品で、
月刊プリンセスから別冊ビバプリンセスへと
移行して継続されたのです。
悪魔の花嫁のあらすじ紹介
ヒロインである美奈子は、
最近続けて妙な夢を見るのです。
今夜もおかしな夢の中にいて、
自分を呼ぶ声がするので
近づいていきます。
呼んでいたのは黒い髪の美しい男性で、
美奈子を花嫁と呼び抱きしめるのです。
しかし美しい男性の陰には、
悪魔のような姿が反映され
美奈子は逃げ出します。
美奈子が逃げ出すと悪魔は、
逃げても無駄だといって脅すのです。
美奈子がうなされながらも目覚めると、
枕元には黒い羽が落ちていて
悪夢を思い出してしまいます。
悪魔の花嫁のネタバレと今後の展開は?
一話目の暗い金曜日は、
美奈子のいとこと
その恋人が絡んできます。
悪夢から目覚めた美奈子は、
気味悪いながらも
いつものように学校へと行くのです。
途中でいとこと会い、
女友達とも会話し普通に過ごします。
しかし美術の時間には、
教師の言動が少々変なのです。
いとこがフランスへと行ってしまうという
妙な話を始めた教師の顔が、
一瞬恐ろしい悪魔に見えます。
いとこ自身も自分がフランスに行く
という話はないといって否定し、
美奈子の不安は募るのです。
困惑しながらもいとこは
自分が行くつもりだったけど、
行けなくなったという国立美術館の
展示会の招待状を譲ってくれます。
招待状にはドガの踊り子の絵が、
使われていたのです。
不吉なことに絵の周囲を、
黒いわくで覆われていたのです。
美奈子以外の人間には見えていない
黒いわくが、不気味で恐怖感を
持つのですが、
対応のしようもなく時間が過ぎます。
いとこと一緒に歩いて下校途中に、
待ち合わせていたらしい
いとこの恋人サチと会うのです。
悪魔の花嫁の読んでみた感想・評価
美奈子のいとことその恋人のサチは、
悪魔の言う通りにフランスへと
行ってしまいます。
絵画の中に出てくる人物になってしまい、
美奈子にはどうすることも
できないままです。
長い連載作品なので、
馴染みのある登場人物が出てきたり
主要人物が学生から社会人へと
変貌していくのも
見どころになっています。
あしべゆうほ先生の繊細で精緻なタッチは、
恐ろしいながらも美しいのです。
池田悦子先生の考え出すストーリーは、
悪魔が一押しするだけでちょっとした
隙から膨れ上がる邪な心や欲望で、
堕落していく人間が描かれています。
日常的な生活のことでも、
違う目線で見ることで
全く違った様相を呈してくるのが
何とも言えず毎回楽しめるのです。
妹ビーナスと妹の生まれ変わった姿である
美奈子ですが、姿は似ていても
心が全く違うという設定もまた秀逸です。
最初は妹のために美奈子の魂を欲していた
デイモスが、段々と美奈子に惹かれていく
シーンの数々が見ものです。
嫉妬するビーナスが
美奈子に様々な嫌がらせを、
するという話も多々あります。
隠された歴史のワンシーンを、
覗き見ることができる漫画です。
悪魔の花嫁はこんな方におすすめな作品!必見
ホラーファンタジーは好きだけど、
美しくない絵柄でなくては
詠む気になれないという人に
おすすめなのが悪魔の花嫁になります。
そして悪魔の花嫁は原則として
一話完結なので、忙しくて
一気に読むことができなくても
内容を把握しやすいというのが
読みやすい点です。
あしべゆうほ先生の絵柄は、
繊細で美しいのでどの時代の
衣装であってもゴージャスな印象です。
三人の男女の愛憎劇ではありますが、
人間の深層心理を読み込んだ
作品でもあります。
善人であっても心の奥には、
魔がさしてしまうこともある
そんな隙を悪魔が逃さないという
ストーリーが魅力です。
また悪魔の花嫁とは少々傾向が違いますが、
CIANPの東京バビロンという話も、
ファンタジーが好きな人にはお勧めです。
東京バビロンの主人公は、
少年陰陽師の皇昴流で信じていた人に
最愛の姉が殺されてしまいます。
その時を境に、皇昴流は印象が変わり
クールさを身に着けていくのです。
どちらの作品もビジュアル的に
優れていることから
アニメ化され販売されています。