タイトル | 憂国のモリアーティ |
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原作・漫画 | 竹内良輔 三好輝 |
出版社 | 集英社 |
「階級制度」によって
生まれたときから
全てが決まってしまう。
理想の世界に必要のない人間、
邪魔な人間は消していく。
悪い人間には犯罪で報いを。
理想の世界へ変えていくためには
この方法しかないと
信じて進む彼らが行き着く先には
何があるのか・・・
憂国のモリアーティのあらすじ紹介
1866年イギリス・ロンドン。
モリアーティ家の長男・アルバートの
もとに孤児院から養子として
引き取られた兄弟がいた。
兄の方はとても頭が良く、
街の人々から様々な相談を持ちかけられ
ギャンブルのアドバイスを
することもあった。
弟のルイスは体が弱かったが
モリアーティ家のおかげで
手術を受け、回復に向かっていた。
しかし、兄弟は歓迎されていなかった。
モリアーティ家は
孤児を養子にするのは
貴族の務めであり、世間体のため
仕方なく引き取ったという。
憂国のモリアーティのネタバレと今後の展開は?
この国において
階級こそが全てであり、
生まれたときから命に優劣を
つけられる世界。
差別が生まれるのは必然だった。
モリアーティ家の者はアルバート以外
2人をゴミのように扱っていた。
アルバートの本当の弟
ウィリアムもこの家が目的で
兄に取り入ったゴミだと決めつけ、
2人を忌み嫌っていた。
この世界は歪んでいる。
生まれたときから身分が全て
というのはおかしい!
間違っている。
アルバートは何もできない
自分に対しても嫌気がさしていた。
孤児院で2人が目に止まったのは
文字の読み書きが出来るからだった。
やがて聡明な兄の持つ恐ろしさを
目の当たりにし、興味を持った。
彼は孤児院の子どもたちの前で
「悪い貴族と戦え」「殺せ」と
悪の道を説いていた。
2人を家から追い出そうとする
ウィリアムや母に
お前たちのような人間は必要ないと
アルバートは告げた。
3人は世界を変えるために
家族を事故に見せかけて殺し、
理想の世界へと変えるために
戦うことを決心した。
憂国のモリアーティの読んでみた感想・評価
階級制度が存在する英国を
舞台に繰り広げられる
サスペンスストーリー!
「完全犯罪」「貴族」「サスペンス」
「シャーロックホームズ」
聞くだけでワクワクする
内容が詰まっています。
生まれたときから階級や身分によって
人生が大きく左右される世界、時代。
孤児院に身を寄せている
親が居ない子どもを
彼らは「ゴミ」扱いしていました。
生まれたときから幸か不幸か
決まっているようなものです。
自分の生き方次第とはいっても
明るい未来を想像するのは
難しいことかもしれません。
モリアーティ家の者からの
まだ幼い兄弟への陰湿なイジメは
見るに耐えないものでした。
階級的には貴族が偉いからといって
弱者を貶めるようなことは
あってはならないことです。
階級制度自体、必要ない、
おかしい、間違っている!と
考えてきたアルバート。
たった1人でも兄弟の味方がいて
安心しました。
まさかの3人揃って
家族を完全犯罪で葬り、
理想の世界を目指していくという
ゾクゾクする展開でした。
憂国のモリアーティはこんな方におすすめな作品!必見
完全犯罪で家族を殺し、
理想の世界を目指していく。
もちろん、
現実ではとんでもないですが
物語としてはありがちな設定だと
感じるかもしれません。
しかし、この作品は
違和感なく入ってきます。
こういった物語の設定や
登場人物自身の考え方は
人を選びますが、好きな人には
とても刺さると思います。
ただやみくもに殺したり
自分に酔いしれて
殺人を起こすのではなく
「悪をもって悪を制す」
という言葉がぴったりです。
そして、この作品が原案
シャーロックホームズとあるように
もちろんホームズも登場します。
行く先々で立ち向かってくるホームズ。
この作品の登場人物の中で
もっとも頭がキレるであろう
2人の衝突は必見です。
2人の知能バトルは
頭脳戦が好きな方や
探偵ものが好きな方にも
満足できる濃い内容です。
本格的でありながら、
難しくて理解不能!といった所がなく
絵が綺麗で読みやすいです。
原作を知らなくても全く問題なく、
知っていればより楽しめる作品です。