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極道めしのネタバレと気になる結末は?映画の原作を読む!

極道めし

この記事は約 5 分で読めます。
タイトル 極道めし
原作・漫画 土山しげる
出版社 双葉社

行動どころか食事さえ、
自由とはほど遠い刑務所の中。

しかしその塀の中でも、正月だけは
特別なメニューが出て来ます。

普段とは一味違うその料理を、
相田たちは「旨い話」で競います。

実物すらないのに無性に食欲がわく、
異端にして強烈なエピソード満載の、
かつて映画化もされたヒット作です。

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極道めしのあらすじ紹介

エリート学生の傍ら、
ホストクラブを経営していた
相田 俊介。

しかし彼は、数々の悪事の結果、
懲の実刑判決を受け、
刑務所に収監されることに。

数年以上の懲役を科せられた
自由のない囚人たちには、
食事が唯一の楽しみでした。

中でも一年で最も豪華な
特別メニューが出るのが正月で、

その皿を「勝負」で競うのが、
彼らの房のルールでした。

勝負の内容とは「旨いもの話」、
つまり思い出の食事について話し、

多くの人の食欲を沸かせたものが
「勝ち」というルールです。

相田たちはとっておきの飯話で、
相手の上を行こうと口を開きます。

極道めしのネタバレと今後の展開は?

いよいよ佳境に入ってきた旨い飯話。
次の話者は詐欺師の坂井です。

坂井の実家は工場を営んでいましたが、
他人の借金の保証人となり、
そのことがきっかけで倒産してしまい、

父親は蒸発、母にも見捨てられたため、
祖母がいる山奥に移り住むことに。

父親が社長をやっているとホラを吹き、
かつて貰った玩具を見せたりしますが、
お弁当だけはごまかしがききません。

彼の祖母もまた貧しかったため、
弁当は常に日の丸弁当で、
そのことが同級生にもバレてしまいます。

いじめられ悔しい思いをした坂井は、
運動会にはごちそうを持ってくると、
またしても見栄を張り、

貧しい祖母に泣きついてしまいます。

そして迎えた運動会当日、
坂井は競技より弁当が気になります。

昼休み足早に祖母に歩み寄り、
弁当を見てみると何とそこには、

見たこともないような重箱と、
太巻き寿司、そしていなり寿司が。

甘辛く仕上がったかんぴょうと、
しいたけ、そして甘い玉子焼き。

口の中に広がっていく旨み、
いなり寿司もまた甘辛くて旨く、
坂井をいじめていた同級生すら、

思わず欲しがるような仕上がりでした。

この坂井の話は、皆の好評を呼び、
見事「五点」を手に入れますが、
坂井は作り話だと告白します。

しかし、進行役の伍三郎は、
顔を背けて拭く坂井の話に、
心からの真実味を感じるのでした。

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極道めしの読んでみた感想・評価

はじめにタイトルを見た時は
あまりピンと来ませんでしたが、
実際に読んで驚きました。

主人公たちがいるのは刑務所の中、
とてもグルメな環境とは程遠く、
メニュー的にも期待はできません。

しかし彼らは年に一度出る、
お正月の特別メニューを賭けて、
「旨いもの話」をしていくんですね。

彼らが本気で考えチョイスするのは、
特別な食事ではありません。

そばや餃子、串カツといった、
どこにでもあるような食べ物です。

しかし、そのどれもに、
本人が勝負を賭けるだけの確信、
つまり後に残る思い出があり、

悲喜こもごものその食事風景が、
読んでいる私たちの食欲を、
どうにも強烈に刺激してきます。

確かに言われてみれば、
私にも思い出の一品はありますし、
多くの人にもあることでしょうが、

それを読み手、聞き手にも、
旨く感じさせるというのは
まさしく立派な芸と言えます。

派手なシーンがないどころか、
主人公が物理的に動けなくても、
ドラマティックな状況を作る、

この難しいテーマを、
ごくありふれた材料で成功させる、
本作にはそんな職人技を感じましたね。

極道めしはこんな方におすすめな作品!必見

様々な料理やキャラが登場するグルメ漫画。

今もっとも熱いジャンルとさえ言えますが、
古くから旨いご飯を数々登場させてきた、
大家とも言える土山氏が今回選んだのは、

何と刑務所の中。それも日本のとなれば、
否応なしに食事は極めて制限され、
食の楽しみなどなかなか望めません。

そんな中にあっても普段よりも豪華な、
「祝い飯」が出るお正月のメニューを
旨い飯の話で争奪するという、

意欲的な導入から物語は始まります。

何しろグルメ漫画なのに実物を
まったく食べないのですから、
この独自性は群を抜いています。

しかも単なる出オチではなく、
とてつもなく旨そうに感じます。

不思議にも感じましたが、
何もないところなのにも関わらず、
「話」だけで人の食欲をそそる、

その話芸は落語の定番にも通じる、
極めて効果的なものでもあり、
しかもそこに状況が加わります。

安全で犯罪が極めて少ない日本、
刑務所に入った人は少ないですが、

「食べるだけが楽しみ」という
ハードな生活を送っている人は、
決して少なくないはず。

だからこそ、「食」に全力を
傾けざるを得ない囚人たちの
思いに共感してしまうのですね。

多くの人とは違う状況でも
思いを共有させてしまう点でも、

本作は独特かつ優秀な一作です。

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