タイトル | 水神の生贄 |
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原作・漫画 | 藤間麗 |
出版社 | 小学館 |
「これは悪い夢なんだ・・・」
そう、思った。
思い込もうとした――。
でも目の前にあるのは
信じられない光景で・・・。
巻き込まれた現実は、
少女には、あまりにも厳しく、
冷たいものだった――。
そんな中での出会い、
心のふれあいを描く
藤間麗原作の
ファンタジー作品!
水神の生贄のあらすじ紹介
主人公有紗陽(あさひ)は
優しい両親に囲まれ
普通の、平和な生活を
送っていた。
そんなある日――。
突然、有紗陽は庭の池に
引きずり込まれてしまう!
有紗陽が目を覚ますと、
そこは
見たこともないところだった。
真っ暗な闇の中
1人で不安になる有紗陽・・・
そこに翠葉流(すばる)という少年が
現れる。
有紗陽は翠葉流に頼んで
村に連れ帰ってもらう。
翠葉流は親に頼み込み、
有紗陽を家の娘にしてもらった。
これで安心だ、と思っていた矢先――
湖の祭祀の日
翠葉流の母親が、すきを見て
有紗陽を連れ出した。
実は有紗陽を迎えたのは
水神の生贄にするためだった・・・
水神の生贄のネタバレと今後の展開は?
美しい赤い髪とグレーの目・・・
有紗陽(あさひ)は、お人形さんのよう、
と周りから可愛がられていた。
優しい両親と平和な日々
有紗陽は、毎日が幸せだった。
ある日、何の前触れもなく
有紗陽は池に引きずり込まれ
何も知らない世界に来てしまう。
森の中で不安でたまらなかったが、
翠葉流(すばる)という少年に
村に連れてきてもらって
有紗陽は安心していた。
しかし、有紗陽はただの祭りと騙されて
湖まで連れて行かれ
生贄として湖に沈められてしまう・・・。
目が覚めたら、悪い夢は冷める、
家に帰ることができる
そう信じていた有紗陽・・・
しかし、有紗陽が目を覚ました時
目の前には、湖の神
水神がいたのだった。
水神は、今までの生贄と
違う様の有紗陽を見て
自分の嫁にすると言い出す。
有紗陽はそれを断り、
自分の家に帰ると言ってきかない。
怒った水神は、
有紗陽の声を奪い取ってしまう。
一方翠葉流は
母が有紗陽を生贄にしたことに
怒りを感じていた。
と同時に
有紗陽が死んだのは、自分のせいだ・・・
と自分を責めてもいた。
翠葉流は、母に隠れて
有紗陽を探しに湖に行くのだった・・・。
水神の生贄の読んでみた感想・評価
自分が、突然知らない時代に飛ばされ、
しかも生贄になると考えると
恐ろしくてたまりません。
有紗陽はまだ少女と幼いのに、
何故こんなことになってしまったのか?
可哀想です。
「生贄」という風習は、今の時代からは
考えられないものです。
しかし有紗陽が迷い込んだ
この世界(時代)では
普通のことのようですね・・・
そんな中で、母に逆らいながらも
有紗陽を湖に探しに行く翠葉流。
その勇気ある行動に、
とても胸が熱くなりました。
水神が洞窟でワナをはったところを
切り抜けたシーンも、
とても感動しました。
有紗陽の純粋な気持ちと
翠葉流の強い心が
通じ合ったのだと思います。
大人たちは神からみれば
愚かと言われても仕方ないかもしれません。
でも、この二人を見ていると
人間とは愚かなだけでなく
希望ももてる存在ではないかと思えます。
有紗陽が、たまたま狩りに来ていた
翠葉流に出会えたことは
この悲惨な運命の中で
一番の幸運なのではないか?
と思いました。
水神の思う人間とは
愚かで退屈で
ちっぽけなものかもしれません。
しかしこれからの展開で
どうなっていくのか・・・
とても楽しみです。
水神の生贄はこんな方におすすめな作品!必見
ファンタジー作品を読みたい
という方には、是非お勧めの作品です。
その中でも、この作品は
日本古墳時代という世界でのお話で、
描かれる世界は非常にリアルです。
歴史に裏打ちされた本物の世界と
水神というファンタジーの要素の
絶妙な組み合わせ。
これがこの作品のみどころといえます。
水神が人間の姿をして出てくるのも
この時代では実際ありえたのか?
と思う位に、村のつくりや服装
食べ物にいたるまで、
時代考証がしっかりしています。
ファンタジーを引き立てる世界と
世界を引き立てるファンタジーのバランスが
とてもいい作品となっています。
ファンタジー作品の中でも
簡単なものでは満足できない、という方には
是非よんでいただきたい作品です。
また、前向きな作品を読みたい
という方にも、是非お勧めの作品です。
主人公と、ともに出てくる少年は
大人の勝手な考えにも負けず、
神のワナも乗り越えて、生きていきます。
幼い子供でありながら、その強い心と
一生懸命な姿には、心動かされます。
前向きな作品から勇気をもらいたい、
元気をもらいたい、という方には
是非読んでいただきたい作品です。