タイトル | 溺れる花火 |
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原作・漫画 | 峰浪りょう |
出版社 | 小学館 |
自分たちは普通の恋人同士のようには
付き合えない・・・。
始まりから、そう分かっていたのに。
泳太は小秋と付き合っています。
病弱な小秋の純粋で儚げな美しさに
強く惹かれました。
そして小秋の無垢な部分を
泳太は裏切りたく無いと思いました。
溺れる花火のあらすじ紹介
小秋は病弱であるが故に
入退院を繰り返していました。
そんな小秋の心を支えているのは、
彼氏である泳太です。
大学の授業が終わると、小秋の入院する
病院に面会に向かいます。
大学生の泳太は、普通に女性の身体に
興味はあるものの小秋との関係は
そういった事は叶いません。
むしろそういう事を考えてしまう
自分自身に対して、まるで汚れている
かのような嫌悪感さえ感じるのでした。
どこまでも真面目に考えるタイプである
泳太は自分をどんどん追い詰めて
しまうのでした。
溺れる花火のネタバレと今後の展開は?
もう限界かも知れないと、
精神的な無理を抱えながら毎日を
過ごしている泳太・・・。
そんな時に出会ってしまったのが、
小秋の従兄弟の真澄でした。
小秋の病室に訪れた時に、
思わず小秋かと目を疑う程に
似ている2人。
顔は似ていますが、
身体は小秋の病弱さとは打って変わり
豊満な大人の身体でした。
真澄は泳太の精神が
限界に近いのを理解していました。
そして真澄は自分に本音を色々と
打ち明ける様に言います。
ーそしてある日ー
泳太は真澄と身体の関係を持つのでした
そして真澄は泳太に言います。
これから身体を重なる時には、
自分を小秋と呼ぶように言うのです。
初めは違和感を感じながらも、
泳太は次第に慣れてくる様に成ります。
そしていつからか、真澄を求める様に
なっていくのです。
また真澄を抱きたいと思い、
病院にへのお見舞いも
いつから足が遠のいてしまうのでした。
罪悪感を感じながら生きている泳太、
真澄と出会った本当の意味を知る時に
小秋の真実も知ることになりました。
溺れる花火の読んでみた感想・評価
この人は絶対に傷付けてはいけないと
そう思わせる様な儚げな小秋。
相手が幸せになれるならば、
自分が身を引く雰囲気を感じたので
小秋の執着を知った時・・・。
思わずゾッとしてしまいました。
病気がちの小秋は世界との繋がりが
彼氏である泳太だけだった。
だから絶対に手放したく無い相手
だったのだと思いました。
でも自分の手元に置いておきたいから、
離れない様に従兄弟の身体を充てがう。
それには理解が及びません。
真澄が、小秋のとんでもない作戦に
同調した理由が、赤ちゃんが欲しかった
その事実にもゾッと感じました。
小秋と真澄の思惑に、
踊らされていた泳太は空虚な気持ちに
苛まれると思いました。
小秋が夢見るのは、泳太が隣のベットで
並んで病院で眠っている事です。
そんな事を願うくらい、病院が身近で
離れない病弱さであることが悲しいです
でもそれと同時に、あまりにも身勝手な
自分の欲望を叶えるために、
人を利用することさえも厭わない。
病気がなせる技なのか、
サイコパス的な気質なのか。
人が考えることって怖い・・・。
溺れる花火はこんな方におすすめな作品!必見
単なる出来事には裏がある!
実は何らかの思惑が働いている!
興味深いマンガでした!
最後まで読むと全てが繋がります。
予想をある意味裏切るストーリー、
恋愛から転じるサスペンス的な作品を
読みたい方にオススメです。
昔、シェイクスピアの作品の中の台詞で
綺麗は汚い、汚いは綺麗ってのが
ありましたよね。
何となくそれに通ずると言うか、
意味が分かる様な気になりました。
本当に純真で無垢な存在って、
ある瞬間には人を傷付けることも
あるのかも知れません。
ある事柄は表裏一体をなしている、
みたいな感覚です。
絶対的に守られるべき人は、
屈折した恐ろしい気持ちを
心に宿しているのでしょうか。
人は醜い部分もあるけれど、
それ以上に美しい部分もある。
醜い気持ちがあるからこそ、
それ以上に正しい気持ちが際立つのです
小秋は泳太に執着してしまった
ことによって、単なる何かに
成り下がってしまったように思います。
恋愛だけにとどまることのない、
サスペンスストーリーは面白く読める
マンガでした。