タイトル | 相羽奈美の犬 |
---|---|
原作・漫画 | 松田洋子 |
出版社 | ぶんか社 |
自分はニートでストーカーです。
でも絶対に彼女に近づいたり
視界に入ろうと思いません。
できることなら、生まれ変わって
犬になって彼女に飼われたい――
そして彼女の目をまっすぐ
みつめてみたい・・・
そんなある日
僕は本当に犬になってしまった!
相羽奈美の犬のあらすじ紹介
彼は親に見捨てられた少年だった。
父親が突然帰ってこなくなり、
そして母親も出て行った。
それから彼は高校を辞め、仕事もせず
ただある一人の少女を
ストーカーする日々を送っている。
その少女は名門高校に通う
美少女で、名前を相羽奈美という。
彼はストーカーだが、絶対に
奈美の視界に入らないし
近づくこともしない。
生まれ変わって犬になり
奈美に飼われることが
彼の夢だった。
そんなある日――
奈美が、自分とはまた別の
ストーカーに
追われているところを目撃する!
奈美を守ろうと思い
彼は走ったのだが――!?
相羽奈美の犬のネタバレと今後の展開は?
急にやってきた車に
彼ははねられてしまった!
気を失いかけた彼は
自分はもう死ぬのだと思い
神に願った。
僕を犬にしてください――
するとどこからかやってきた犬が
願いをかなえてやるという。
そして謎の言葉を言うのだった。
「お前は犬だ、かみついてやれ!」
彼が目を覚ますと、
自分は白い犬になっていた。
そして奈美とストーカーが
そばでもめている。
彼(犬)は何とかその場から
ストーカーを追い払い
奈美の家に連れて行ってもらう。
しかし家の外にまでストーカーが
来てしまっていた!
彼はまた追い払おうとするが
ナイフを取り出し
恐ろしいことを言いだすストーカー。
怒った彼はストーカーの足をガブリ!
するとストーカーの姿は
みるみるうちに
小さな犬になってしまった。
なんと彼がかみつくと、相手は
自分にふさわしい犬の姿に
なってしまうというのだ。
彼は、この技があれは奈美を
守ることができると喜んだ。
そして奈美に
彼のなき声から「オン」という
名前をつけてもらえたのだった!
相羽奈美の犬の読んでみた感想・評価
負け犬思考のストーカーが
本当の犬になるという異色の作品!
基本的にブラックユーモアという
感じですが、私は好きです。
主人公がストーカーをしていた、
というのも色々な感想を抱く方が
いるかもしれません。
しかしある事故で
犬になってしまった主人公・・・
それからの彼の元ストーカー
ならではの発言や突っ込みには
不謹慎ながら笑ってしまいました。
負け犬思考、自虐的な性格からの
鋭くて的を得たセリフも面白い!
ついそんな部分から、
もともとの主人公の
哀れな境遇を忘れそうになります。
そして、この作品に出てくる
多くの負の感情を持った人間を
犬にしてしまうという妙技!
意外な技に驚いたのと同時に
今回はこの犬種だったか~!
と毎回楽しみになっていきました。
それも、お仕置きである時もあれば
救いであるときもある・・・
王道のハッピーエンドと行かなくとも
こういう終わり方があってもいい、
と感じるものばかりでした。
第一、犬よりも人間の方が幸せとは
限らないですしね。
と、そんなことを考えさせられた
作品でもありました。
相羽奈美の犬はこんな方におすすめな作品!必見
一応ホラーのカテゴリですが、
絵もそれほど恐怖系でなく
ヒューマンドラマの要素が強いです。
汚くてドロドロした感情を持つ人を
特に上手に描いた作品で、
その人たちのタイプは本当にさまざま。
中には本当に胸クソ注意のヤツも
出てきて、本気でイライラ
してしまうかもしれません。
しかし、そのドロドロを
主人公のオンが終わらせるのです。
とにかく、終わらせる・・・。
色々なパターンがありますが
基本ちょっと暗くて悲しい。
でもスッキリする
終わり方だと思います。
ドロドロ系のマンガでも
スッキリしたい!という方に
いいのではないかと思います。
そして忘れてはならないのが
主人公を犬にしたネンの存在です。
ネンだけは迫力の劇画タッチで
超コワモテなのに、オンの自虐発言への
突っ込みは忘れない。
彼のブラックな突っ込みには
作者の笑いのセンスを感じます。
大笑いではないけれど、クスッや
ニヤリと思わずしてしまう・・・
そんなコメディマンガとしても
ヒューマンドラマとしても
十分に楽しめる作品です。