タイトル | 眠れぬ真珠 |
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原作・漫画 | 石田衣良 吉田まゆみ |
出版社 | 小学館 |
45歳の女流版画家である、
内田咲世子の恋を描く
大人のラブストーリーです!
咲世子が恋したお相手は、
なんと17歳も年下の男性の徳永素樹。
彼の「手」を見た瞬間に、
咲世子は恋に落ちたのです。
「好きだな・・・この手。」
何かが始まりそうな予感です。
眠れぬ真珠のあらすじ紹介
女流版画家の内田咲世子は、
45歳の独身女性。
自分にしか出来ない仕事を持ち、
犬と一緒に暮らしています。
たまに触れ合う事の出来る恋人もいて、
それなりに充実したような日々を
過ごしています。
そんな咲世子の毎日に現れたのは、
17歳年下の徳永素樹。
素樹は、咲世子が通う喫茶店で
アルバイトをしている店員です。
咲世子好みの素敵な手を持つ、素樹。
彼には映画を撮る才能が有ります。
今の彼が撮りたい被写体・・・
それは!
咲世子だったのです!!
眠れぬ真珠のネタバレと今後の展開は?
更年期障害の症状が出始めている・・・
咲世子は自分の老いを、
感じざるを得ません。
そんな中、行きつけの喫茶店で
更年期障害の症状である
ホットフラッシュで倒れてしまいます。
咲世子を助けたのが、素樹。
それが二人の出会いでした。
咲世子の版画のイラストを
偶然見てしまう素樹は、咲世子に
ドキュメンタリーを撮りたいと伝えます
素樹の元彼女が店に訪れていて、
彼女を見た咲世子は、羨望と同時に
軽い嫉妬心を感じます。
それは眩しいまでの若さとエネルギー。
自分自身が、今確実に失いつつある物
それを元彼女は持っているのです。
これからの未来に輝きがある素樹とは、
対照的に既に完成している咲世子。
それでも彼に惹かれていく自分を、
静かに受け入れている様子は、
やはり大人のスマートな女性ならでは。
映像作家として、素樹が自分の元を
離れてしまう事さえもも、
彼の背中を未来に向けて押します。
もし再び出会ったとしても、
時間の長さや速さは、
きっと違うのでしょうね。
眠れぬ真珠の読んでみた感想・評価
叶わないからこそ、
その恋が永遠になる事もある。
そう信じたくなる作品でした。
45歳の女性が淡く恋心を抱く、
ラブストーリー。
洗練された女性の様子に、憧れとも
取れる共感を感じました。
「女性に2種類いる。ダイヤモンドの
様な女性と真珠の様な女性」作品の
中で、そのように表現されています。
作中に出てくる咲世子は、
後者の真珠のような女性と
言われています。
光を内に秘めている女性、
その光を発見出来る男性は少ないのでは
ないか・・・と。
私は、真珠のような女性である咲世子を
素敵な女性だと思いました。
美しいと感じました。
好きな男性の未来の成長の為に、
彼を手放せる強さを、
勇気だと感じました。
誰にも未来は分からない、
でも今の二人の気持ちは繋がっている。がっちりと硬い鎖で、両思いである。
彼のために、
手を離す事が出来る咲世子は、
本当に素樹を愛していたと感じます。
何年かして、素樹が咲世子の元に戻って
来てくれたら最高なのに・・・と、
一人想像してしまいました。
眠れぬ真珠はこんな方におすすめな作品!必見
大人の女性のラブストーリーが
読みたい方は、感動出来る作品だと
思います。
自立した大人の女性が、
自身の老いと向き合いながらも、
年下の男性に惹かれてしまうのです。
時に自分の気持ち叱りながら、
でも毎日は確実に輝き出している。
恋の始まりに、よくある輝き。
いつもと同じ世界が色鮮やかになる。
昨日までの世界が、まるで嘘のよう!
ハッピーな気持ちになるのです。
「恋は、お肌のハリでは無く
心のハリ」
確かに~!そうであってもらいたい!
ラストは、何と無く・・・
物悲しさの残るようなエンディング、
決してハッピーエンドとは言えません。
しかし、咲世子の生き方には
女性が共感する部分が沢山有ります。
あんな風に、愛する人の為に
送り出すことが出来る咲世子なら!
この先もっと絶対に!
幸せになれるよ!!
咲世子の生き方に、
不思議と納得してしまうのでした。
日常の中に、何か素敵な事が有るような
そんな気持ちにさせてくれる作品。
毎日を大切に、
過ごして見ようかな・・・!