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【累 -かさね-のネタバレ】とあらすじは?感想や無料試し読みもあり!

この記事は約 6 分で読めます。
タイトル 累 -かさね-
原作・漫画 松浦だるま
出版社 講談社

イブニングにて連載中の漫画
『累 -かさね-』は、
『美醜』がテーマ。

醜い容姿をした少女、
累が母の遺した口紅を使う。

それによって舞台女優としての
才能を開花させていく物語です。

また、累の母の生涯が描かれた
スピンオフ小説として
『誘 -いざな-』が出版されました。

サイト内で【累 -かさね-】を検索!

累 -かさね-あらすじ紹介

伝説の舞台女優、
淵透世の娘である累。

母とは似ても似つかぬ
酷く醜い容姿をしていました。

小学生の頃の彼女は、
その家庭事情と容姿の為に、
いじめに遭ってしまいます。

ある時、累はいじめの主犯である
西沢イチカに学芸会の
『シンデレラ』で
主役を推薦されました。

累を晒し者にするのが
イチカの目論見です。

主役が決まり、練習には
参加させて貰えませんでした。

しかし自主練習をしていた累は
本番当日、息を飲むような
演技をしてみせました。

その演技が素晴らしかった為に
目論見が外れます。

罰が悪くなったイチカは自分と
主役の交代を提案します。

暗転した舞台から連れ出され、
累の脳裏に過ぎったのは
母の言葉でした。

母の教えに従い、彼女の遺した
赤い口紅を塗る。

イチカに口付けると、まるで
魔法のように二人の顔が
入れ替わってしまいました。

イチカの顔をして舞台に戻ると、
そこには今まで見たことのない
賞賛のまなざしが。

盛大な拍手で皆に
受け入れられている
自分がいました。

これが累の初めて知った、
舞台上の光の世界でした。

そしてこの時、母、舞台女優、
淵透世の隠された真実に
気がついてしまいます。

累はこの先、
様々な協力者と出会います。

高校時代の唯一の
友人である『五十嵐幾』。

病に侵され女優として
伸び悩んでいた『丹沢ニナ』。

運命的な出会いをした
淵透世の生き写し『野菊』。

母の世話になっていたと
自ら語る男、『羽生田釿互』。

累は演劇に対する執念と罪悪感との
葛藤に苛まれながら、口紅を用いる。

舞台女優としての成功を望み、
呪われた自分の生を邁進していきます。

累 -かさね-ネタバレ・今後の展開

累が演じる丹沢ニナは、女優として
目覚しい成長をみせました。

それに対し、顔を提供した
丹沢ニナ本人は
心中、複雑でした。

彼女は眠り姫症候群という
病を患っていました。

発作が起きると急な眠気に襲われ
数週間は目を覚まさない
という難病を抱えていました。

病気の為に、友達を作ることが
困難だった彼女。

やがて学校へ行くのを
辞めてしまいます。

塞ぎこんでいる娘を
心配した両親。

彼女に旅行や
習い事をさせました。

そのうちのひとつに
演劇ワークショップがありました。

その頃はまだ駆け出しの演出家、
烏合と出会います。

「その美しさは武器になる」
と励まされたニナ。

全ての人から忘れられない
存在になるという
夢を与えられました。

夢を叶えるべく、
歩み始めた彼女。

ほどなくして発作が
再発してしまう。

母から後2年で治らないようなら
女優は諦めるように
通告されてしまいます。

大恩ある烏合と再会する為に、
ニナは手段を選んでは
いられなかったのです。

そして、丹沢ニナの顔をした累は
オーディションで見事、
かもめの主演、
ニーナ役を勝ち取りました。

浮かれていたニナはこの時、
烏合に対する累の恋心に
気づけませんでした。

烏合と累がキスしている姿を
目撃してしまったニナ。

累から口紅を奪い取り、
烏合に会いに行きました。

翌朝、玄関先にいた累と
口論になった直後、
彼女のことをまたも
眠り姫病の発作が襲います。

目覚めた時、すでに
かもめの公演は終わっていました。

累に追い詰められたニナは
少しずつ壊れていきます。

終いに彼女はかもめのように
屋上から地へ堕ちて行きました。

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累 -かさね-読んでみた感想・評価

読んでいて
印象的なシーンがあります。

累と野菊がお互いの
素性を知らないままの友情を
育んでいきます。

そして初めて出かけた海辺で
シーグラスを集める場面です。

海辺で美女二人がシーグラスを
集めているというと絵になる光景です。

しかしそれぞれが表面に
見せない内心、穢れている
己の内側に複雑な思いを抱えています。

人は誰でもコンプレックスを
抱えていて、変身願望のようなものが
あると思います。

この作品はそれが
繊細に描かれていて
人々の内面に訴えかけるような
魅力があります。

それと、登場人物の
おかれる状況や
心情と演目がリンクしている
のが面白いです。

シンデレラでは
魔法の口紅で顔が入れ替わります。

カムパネルラでは友情を
裏切った罪悪感があおられ、
かもめでは丹沢ニナが地に堕ちます。

サロメでは羽生田の叱咤によって
非情な狂人になりきります。

硝子を見つめる
ローラは野菊を思い描きます。

マクベスでは犠牲を払った
代償と向き合うことになります。

もうひとつ印象的なシーンが
あります。

野菊の世話人だった
天ヶ崎の告白のシーンです。

野菊が自宅の屋敷を
焼き払った時にできた
火傷の痕を見た天ヶ崎。

それまで玩具としか
思っていなかった野菊。

急に同じ痛みを持つ人間に
見えるようになったと
野菊に告げました。

天ヶ崎の思いを知った野菊もまた、
自分の復讐に天ヶ崎を
巻き込んではいけないと
距離を置きます。

野菊が憎しみを捨て天ヶ崎を
受け入れたとしたら、
この先に待つ野菊と累の運命も
変わっていたことでしょう。

女性的なテーマですが男性が読んでも面白い衝撃的作品です

『美醜』というと
女性が気になるテーマでしょう。

でも綿密に練られた
ストーリー展開なので
男性が読んでも面白い筈です。

美醜とは容姿のことなのか、
それともそれを映す心のことなのか。

この作品はそれを私達に
問いかけているように感じます。

作品は変わりますが
同様のテーマで描かれている
『美醜の大地~復讐のために顔を捨てた女~』
などもオススメです!

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