タイトル | 薔薇色ノ約束 |
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原作・漫画 | 宮坂香帆 |
出版社 | 小学館 |
たった一人血のつながった父を
亡くしてしまった
伯爵家令嬢、彩葉。
彼女は義母に疎まれ、
勝手に決められた縁談を
進められることになる。
しかしそこに
公爵家の御曹司が現れ
彩葉を言い値で買うと言う!
そこで彩葉はあることを
決意し公爵家に嫁ぐのだが――!
薔薇色ノ約束のあらすじ紹介
彩葉(いろは)は伯爵家の末娘。
父が亡くした彩葉は、彼女を疎んでいる
義母と義姉とのこれからの生活を思い
一人庭で泣いていた。
すると一人で黙礼をしている
青年を見つける。
父の知り合いかと思ったが、
彩葉に見覚えはなかった。
彩葉は泥棒かもしれないと
急いで人を呼ぼうとして
池に落ちそうになってしまった。
寸でのところをその青年に
助けられた彩葉――
礼を言った彩葉を抱き寄せて
青年はこう言った。
「礼なら言葉でなく
君の口づけを所望する」
薔薇色ノ約束のネタバレと今後の展開は?
思わず手元にあった
青年の手袋を叩きつける彩葉。
それに対し、青年は言う。
「面白い、受けて立とう。」
そして彩葉の手に口づけをして
去っていくのだった。
屋敷に戻った彩葉は、義母から
紹介したい人がいると言われる。
それは彩葉の縁談相手だった。
――彩葉の背中には幼少時に負った
大きな傷痕がある――
義母は身体に傷がある彩葉を
ハレモノ扱いしてきた。
そして厄介払いと援助目的を
兼ねた縁談話を
進めようとしたのだ。
結婚なんて嫌!
お父さんに会いたい・・・
哀しい気持ちになって
泣きながら眠る彩葉・・・。
すると目が覚めた時
赤い薔薇の花束が届いていた。
差出人の名前は無い。
誰からなのかは分からない、が
毎年必ず誕生日近くなると
贈られてくる赤い薔薇の花束――
きっと父が誰かに頼んで
贈らせていたのだろう・・・
そう思う彩葉だったが
何か大切なことを
思い出せそうな気がした。
義母が大声で彩葉を呼んだ。
それは公爵邸の舞踏会への招待状が
彩葉に届いたという知らせだった。
その招待状には赤い薔薇が一輪
添えられていて――!?
薔薇色ノ約束の読んでみた感想・評価
生まれ変わったら、こんな風に
強烈な求婚をされてみたいです。
しかも相手は良家で
お金持ちの息子であり、
顔も恐ろしくイケメンです。
これ以上言うこと無しの相手ですし
女の夢のようなお話だと思いました。
しかし金で買われたという意識と、
自分の傷のことで心を開けない
主人公の気持ちもよく伝わってきました。
どのような境遇の人間であれ、
お金で売られたような気持ちになる事は
寂しく、みじめな気持ちになると思います。
それに、体に傷があるということは、
本人にしか分からない
辛さを持ち合わせるものです。
二人共が違った家に生まれ、
違った出会い方だったら、何事も無く
事は進んでいたかもしれない。
しかしそれではそもそも
二人は出会っていなかったかもしれません。
そう思うとこの出会いは、
少し悲しいけれど、この形で
あるべきだったのだろうと思うのです。
難しい局面もあるこの恋愛を、どうか
乗り越えて二人が結ばれますようにと
祈りながら夢中になって読んでしまいました。
薔薇色ノ約束はこんな方におすすめな作品!必見
伯爵家令嬢と公爵家御曹司の間でおりなす
非常にロマンチックな世界観での
ラブストーリーです。
ロマンチックと一言で言ってもいろいろ
ありますが、この作品においては
赤い薔薇にそれは集約されています。
薔薇の中でも赤い薔薇は
とてもロマンチックな花ですよね。
その薔薇の花束の贈り主が
分からないまま
ストーリーは展開されます。
そしてそれだけではなく、
招待状に一輪の赤い薔薇が
添えられていたりする、
これは何かのメッセージなのか・・・
と思わせぶりな演出がありながら、
主人公には何もわからないのです。
この花が赤い薔薇であることで
ロマンチックな雰囲気をかもしだし
非日常の世界を作り出しています。
きらびやかな社交界、大正ロマンという
時代設定も手伝って、現代では
体験できない恋愛物語を楽しめます。
それでいて、主人公の心情には
時代や境遇をこえて共感するところが
あります。
そのことで、ロマンチックな世界は
自分にはとっつきにくいと思う方にも
すんなりと入り込める作品でとなっています。
きらびやかな世界には必需品というべき
意地悪な人々も勢揃い、ドロドロ系も
バッチリと楽しめます。
そんな中で二人の恋愛や
薔薇の謎がどう進んでいくのか、
とても面白く読めるマンガです。