タイトル | 酒のほそ道 |
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原作・漫画 | ラズウェル細木 |
出版社 | 日本文芸社 |
「酒のほそ道」は、1994年から
週刊漫画ゴラクで連載している、
酒をテーマにしたグルメ漫画。
主人公の岩間宗達が居酒屋をはじめ
様々な場所で、お酒や食事を
楽しむ様子が描かれる。
2012年、
第16回手塚治虫文化賞短編賞を受賞。
酒のほそ道のあらすじ紹介
第1話 雪夜
岩間宗達は29歳の営業マン。
ある雪の降る日、いつものように
仕事終わりに飲みに出かけることに。
雪という普段と違う状況に、
軽い高揚感を覚えた宗達は、
いままで気後れして行けなかった、
風情のある居酒屋「酒亭藤ノ木」に
向かう決心をする。
第2話 隠れ家
ある日、宗達の課に
新しい課長が赴任してきた。
その課長に、
仕事終わりに飲みに誘われた宗達。
二人が訪れたのは、
隠れ家的なお洒落なバー。
カクテルについてうんちくを語りだす
課長だったが、
なぜか宗達はその話に集中できず…
酒のほそ道のネタバレと今後の展開は?
第1話 雪夜
岩間宗達は29歳の営業マンで、
趣味は俳句。
ある日、珍しく都会で大雪が降った。
窓の外の雪を見ながら、
宗達は仕事が手に着かず
そわそわしていた。
ようやく仕事が終わり、
宗達は意気揚々と飲みに出かける。
雪や洪水のときほど外出したくなる
ものだと呟き、どこの店に行くか
思案し始めた。
会社近くの安い定食屋兼飲み屋
「おかめ」を早々に選択肢から外し、
今まで通好みの外観に気後れして
入店できなかった居酒屋
「酒亭藤ノ木」に向かうことに。
店に向かいながら、
宗達は色々と想像を膨らませる。
「酒亭藤ノ木」の店内は
ひっそりとしており、囲炉裏で主人が
黙って燗をつけている。
そこに一人娘がお使いから帰ってきて、
宗達に気づきニッコリほほえむ…
そんな趣のある店内の様子を
想像しつつ、「酒亭藤ノ木」に到着。
緊張しながら扉を開けると、
想像とは違い、大勢の客が
たいそうな盛り上がりを見せていた。
静かに飲みたいと思っていた宗達は、
若干不機嫌になり店を後にする。
雪で足を濡らしながら、
仕方なく「おかめ」に向かうことに。
しかし「おかめ」は雪のため休業していた。
イラだちながら俳句を詠み、
宗達は肩を落とし帰っていくのだった。
酒のほそ道の読んでみた感想・評価
読んで驚くのは、なんといっても
お酒に関する情報量の多さ。
日本酒、ビール、ワイン、カクテル…
あらゆる種類のお酒が作中で扱われていて、
作者であるラズウェル細木さんの
お酒に対する愛が伝わります。
この「酒のほそ道」以外にも、
酒をテーマにした漫画を
発表されているようで、
機会があれば読んでみたいですね。
作者は料理にも明るく、酒のつまみや
庶民的な料理が作中に多く登場しますが、
個人的にはそれが凄く楽しめました。
というのも私はあまりお酒が
得意ではなく、食べることが好きで、
家でもよく料理をしているので。
他にはさまざまな地方の名物も
紹介されていて、郷土料理などに
詳しくなれるのも良かったです。
あとは単純に、
日常マンガとして完成度が高い。
宗達をはじめ、上司や同僚、友人が
上手く描き分けられていて、
みなキャラがたっています。
彼らの悩みも仕事や恋愛といった
一般的なもので、感情移入しやすい。
かなりの長期連載ですが
非現実的な展開があまりなく、
どのストーリーも身近に感じられます。
手塚治虫文化賞の短編賞を
受賞するのもうなずけますね。
私が好きなエピソードは、
宗達がスーパーで298円の
鮭弁当を購入し、家飲みをする回。
色々な調味料を用意して、
それらを鮭弁当のオカズに
少しずつ付けながら、
ちびちびとお酒を飲むという
庶民の極みのような回ですが、
やけに心に残っています。
私も宗達と同じく、
独身のサラリーマンだからかもしれません。
酒のほそ道はこんな方におすすめな作品!必見
・お酒が好きな人
お酒をテーマにしているため、
お酒好きの方には特におすすめ。
多くの回で飲酒する場面があり、
自然とお酒に関する造詣が深まります。
宗達を含め登場人物はこだわりが強く、
偏屈に感じることも
あるかもしれませんが、
逆に「そうそう!」と共感できる
場面もあるので、
ぜひ読んでみてください。
・料理が好きな人
作者のラズウェル細木さんは、
料理をテーマにした漫画も
いくつか描いておられます。
作中に出てくる料理は、
多くが庶民的なもので、
中には作者のオリジナル料理も。
家庭で簡単にできる料理もあるので、
実際に作ってみてはいかがでしょうか。
・のんびりした日常漫画が読みたい人
冒険するわけでもなく、
超能力が使えるわけでなく、
巨大な陰謀が隠されているわけでもない。
ただアラサーのサラリーマンの日常が
コミカルに描かれるだけです。
ですが日常生活のちょっとした
出来事に、一喜一憂する登場人物に
どこかホッとします。
少し疲れたときは、
こういう漫画を読んで
気分転換するのもよいかもしれません。