タイトル | 鉄楽レトラ |
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原作・漫画 | 佐原ミズ |
出版社 | 小学館 |
自分にとって大切な夢を
諦めてしまう少年少女。
一時は落ち込んで光はないように
思えてしまうが・・・
お互いに影響され、
また新たな夢へと一歩を踏み出した。
バスケとフラメンコを頑張る
高校生たちの青春ヒューマンドラマ!
鉄楽レトラのあらすじ紹介
主人公・鉄宇は高校の入学式へと
向かいながら中学時代のことを
思い出していた。
中1の頃、初心者ばかりの
バスケ部のなかで自分は経験者で
みんなの中心にいた。
自分は誰よりできる人間だと
勘違いして他の部員に
追い抜かれていくなかで
心はどんどん黒くなっていった。
ほとんど中学を休んでしまったため
ぎりぎりで受かった高校は自宅から
2時間もかかるところにある。
部活動の勧誘や同じ新入生で
話しかけてくる人もいたが
興味はなかった。
鉄楽レトラのネタバレと今後の展開は?
目立たず、何事もなく過ごしたいし
人と関わりたくないと思っていた。
孫に忘れ物を届けにきたという
おばあさんを案内することに。
女子高に通っているその子は
この日、鉄宇の学校で
バスケ部の試合をしていた。
手足も背も大きくて
カッパとあだ名をつけられて
いじめられてひとりぼっちだった。
そんな孫のためにおばあさんは
スペイン舞踊を習わせるが
向いていなかった。
ひどく落ち込み、泣いてばかりの
孫だったがある日笑顔を取り戻し
バスケを始めたという。
その子は藤本宝。
実は彼女がバスケを始めた
きっかけは鉄宇にあった。
中学の頃、バスケで負けたことを
落ち込んでおじいちゃんに買って
もらった靴を投げ捨てようとしていた。
そのとき宝もスペイン舞踊の靴を
捨てようとしていた。
2人はこの体が逆だったらお互い
上手くいったかもしれないねと
話し、靴を交換した。
彼女のバスケの試合を見て
自分も変わりたいと思った。
スペイン舞踊の靴をはいてみると
ぴったりで、鉄宇は教室に通って
習うことに決める。
鉄楽レトラの読んでみた感想・評価
鉄宇の中学時代が暗かったけど
とても共感できるものでした。
みんなの中心に居たはずなのに
そうじゃなくなっていく・・・
どんどん周りに追い抜かれて
どんなに努力をしても
敵わないこともあると知ったとき、
心に宿ってしまう黒い感情。
青春時代に誰しも似たような
経験をしたことがあるんじゃないかと
思います。
自分を卑下している鉄宇でしたが
そんな彼も1人の女の子に希望を
与えていました。
忘れ物を届けにきたおばあさんの話に
よって冒頭の描写と繋がりました。
宝に希望を与えた人物は
鉄宇であると気づきました。
踊る夢を諦めてしまった宝ですが
ひと足先に新しくバスケという夢を
追っていてかっこよかったです。
今まで頑張ってきたのに
自分の限界が見えてしまって
これ以上頑張れなくなってしまう。
悔しくて悲しくて、きっと凄く
落ち込んでいたと思います。
そんなときに鉄宇に励まされて
バスケをするきっかけになって
誰かに希望を与えた鉄宇は
すごいと思いました。
鉄楽レトラはこんな方におすすめな作品!必見
一度夢を諦めてしまった2人が
新たな夢に向かって頑張る
青春ストーリーです。
鉄宇の夢だったバスケと宝の夢だった
フラメンコをそれぞれがお互いを
きっかけにやり始めます。
挫折し、悔しい思いを味わって
二度と立ち直れないくらいに
傷ついてしまった心。
夢に向かって努力しても
報われないことがあり、そのときの
感情の描写が上手いです。
特に、部活や習い事など
夢に向かって頑張ったものの
報われなかった経験をした人は
胸に刺さる内容です。
新たにやりたいことに挑戦する姿も
描かれています。
友達も巻き込んで途中でくじけそうに
なりながらも夢へとまっすぐに
進んでいく姿は青春そのもの。
この時期に夢中になれるものが
何かひとつでもあることは
素敵だなと思えます。
最初はこんな自分が嫌だと思い
自信もなく暗かった鉄宇や宝が
ストーリーが進むにつれて
変わっていく様子も見どころです。
絵が淡く、優しい雰囲気で
描かれていてそれぞれの夢を
応援しながら熱くなれる作品です。