タイトル | 電波の城 |
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原作・漫画 | 細野不二彦 |
出版社 | 小学館 |
かつては敏腕と称されていた
芸能プロダクション社長の鯨岡。
しかし借金取りに追われ
今や事務所は倒産寸前。
そんな彼の元にある日
一人の美女が訪れる。
元FMラジオ局の
アナウンサーだった彼女の名前は
天宮詩織。
彼女は鯨岡の会社を買い取るので
自分をTV局のアナウンサーにして欲しい
と願い出るのだった・・・。
謎を抱えた美女・詩織とともに
TV業界の裏と表を描いていく問題作。
電波の城のあらすじ紹介
FMラジオ局のアナウンサーだった
天宮詩織は華やかなTV局の
アナウンサーになるべく上京する。
訪れたのは倒産しかかっている
三流芸能事務所のオフィス白鯨。
社長の鯨岡は
かつては敏腕マネージャーとして
名を馳せていた。
しかし今は
タレントたちにも逃げられ
借金で倒産寸前の状態だった。
詩織はそんな鯨岡の会社を
1000万円で買い取り
自分をTVアナウンサーにしてくれと頼む。
秘密の多い彼女に不信感を抱きながらも
彼女の持つ不思議な魅力と
会社の経済状況から話を引き受ける鯨岡。
早速かつてのツテを辿って
お天気キャスターのオーディションを
受ける手筈を整える。
謎の美女・詩織の
TV業界への挑戦が始まる・・・。
電波の城のネタバレと今後の展開は?
かつて鯨岡が懇意にしていた
TV局ADの山崎もプロデューサーとなって
番組のキャスティングを決める立場にいた。
そのツテでお天気キャスターの
オーディションへと参加した詩織たち。
他の事務所からの参加者は4名。
なかでも強敵と思えるのは
グラビアアイドルのヒミコだった。
彼女も詩織を意識しているようで
エレベータの中で睨みつけるなど
心理作戦を重ね始めていた。
社長の鯨岡は昔のノリで
プロデューサーに現金封筒を手渡し
裏取引を持ちかける。
しかし山崎はもう昔のADではない
報道に関わるプロデューサーとして
その威厳を示して裏取引を断った。
一方でヒミコは勝ちを得るために
こっそりと詩織のドリンクに
タバスコを投入した。
知らずに飲んでしまった詩織だが
トイレでプロとしての回復法を試みる。
そしてトイレで鉢合わせたヒミコに
そんな甘い妨害には負けないと
逆に彼女を脅しつけたのだった・・・。
詩織の存在が気になる
ヒミコのマネージャーは
FM局の知り合いに彼女の詳細を尋ねる。
そして戻ってきた答えは
災厄の女!?
かつてFM局を
壊滅の混乱におとしめた
彼女の秘密とは一体・・・?
電波の城の読んでみた感想・評価
謎の美人アナウンサー詩織
名実ともにトップキャスターの律子
地味で堅実な仕事を続ける記者の谷口。
彼ら3人による
TV業界での活躍を中心に
物語はスタートして行きます。
人気キャスターを辞職した律子は
アメリカで宇宙飛行士となり
宇宙からの実況を成功させて凱旋。
そして
再びキャスターとして
報道の世界へと戻って来た。
そんな彼女のいる
高みを目指そうとする詩織。
詩織も普通の女性とは違い
何か大きな秘密を影に持っています。
そんなミステリアスな背景を持ちながら
表向きは天然に頑張る詩織の存在が
とても魅力的な作品です。
完璧すぎる律子やTV業界に対して
果たして詩織はどのようにして
その高みへと登りつめるのか?
そんな
業界の裏を舞台にした
予測のつかない展開も愉しみです。
そして並行して進んでいく
地味な記者・谷口の物語。
業界の悪習や
警察機関の堕落などに対して
公正な事件の真実を求めていく谷口。
様々な障害にぶつかりながら
愚直に努力を重ねていく
彼の姿が対照的に描かれていきます。
そんな彼らの存在は
物語でどのように交差していくのか?
徐々にスケールが広がっていく
物語と併せて業界の裏世界なども
垣間見れていく作品です。
電波の城はこんな方におすすめな作品!必見
個性豊かな登場人物たちによる
物語性が魅力的な本作ですが
豊富な業界ネタなども併せて楽しめます。
芸能事務所同士の
熾烈なキャスト争いや裏取引。
タレント同士の舞台裏での牽制や
嫌がらせに妨害。
報道記者と組織との関りや
TV局におけるパワーバランスなど。
視聴者からは普段は見えない
業界の裏事情などについても
随所に描かれていきます。
そんな業界ネタや
組織やキャストとの関りなどに
興味がある人には注目の内容が満載です。
TV業界の裏を描いた作品としては
『ムカンノテイオー』もオススメです。
政府機関の権力とは異なる
もう一つの権力として
無冠の帝王とも称されるメディア業界。
そんな業界の様々な裏事情や
番組の舞台裏。
やらせ番組や贈賄問題など様々な
業界関係者の生の声や様子を
リアルに描いていく野心作です。
どちらの作品も
メディア業界の表と裏
そして華やかさの影に潜む怖さなど。
報道の世界や業界ネタなどに
関心のある人たちには
特に楽しめそうな作品です。