タイトル | 高遠少年の事件簿 |
---|---|
原作・漫画 | 天樹征丸 さとうふみや |
出版社 | 講談社 |
人気少年漫画、「金田一少年の事件簿」
シリーズのスピンオフとして
発売された作品です。
本編ではある事件の真犯人として
初登場し、その後も何度も登場している
地獄の傀儡師、高遠遙一が
高校生の頃に巻き込まれた事件を
描きます。
高遠少年の事件簿のあらすじ紹介
父親の仕事の都合で英国から日本に
戻ってきた高遠遙一は名門である
秀央高校に入学する事になります。
学年トップ、全教科満点という成績で
入学した彼は、親子として暮らす事は
出来ていないけど
実は天才マジシャンの血を受け継ぎ、
マジックの腕はプロ並みだし、
音楽の才能もありますが
自分が何の為に生きているのかが
わからなくなっています。
そんな高遠に声を掛けてきたのが
クラスメイトの霧島で純平でした。
霧島に誘われマジック部に入部した
高遠でしたが、部員が何者かに
殺害される事件が起こってしまうのです。
高遠少年の事件簿のネタバレと今後の展開は?
名門秀央高校に全教科満点で入学した
高遠遙一は、同級生の霧島純平に誘われて
マジック部に入部する事になります。
天才マジシャンの息子であり、
実はマジックもプロ並みの技術を持っている
高遠でしたが、
個性的なキャラクター達が集まる
マジック部員達の中で、
少しずつ自分の居場所を
見つける事が出来るようになりました。
そんなある日、死神マジシャンを
名乗る者から届いたメールにより、
学校に部員達が集まります。
マジック部員達が見た物は
部員の一人をである、
藤枝つばきの生首でした。
急いでその場所に行く部員達でしたが、
その部屋には生首はありません。
結局藤枝のマジック披露だったという
結論になり、一旦解散しますが
翌日死体が発見され、
現実を知ることになります。
その後も同じように部員の霧島、
黒江真砂也の生首が発見され、
密室殺人が行われます。
高遠は知能を生かし、
犯人を探し出すことにしたのです。
そして高遠は遂に
死神マジシャンを突き止めます。
その正体は殺されていたと思っていた
霧島純平でした。
霧島のマジックを利用した
生首があるように見せかけた
トリックを見破り、
様々な根拠から
霧島に自分が犯人だと認めさせます。
そして霧島は高遠の挑発に乗り、
高遠をナイフで刺し殺そうとします。
その事を予想していた高遠は
マジックを使い、逆に霧島を刺します。
死神マジシャンは地獄の傀儡師による
最初の犠牲者となったのでした。
霧島は既に亡くなった事になっているので、
警察もきちんとした調査はしません。
そして高遠は変わり映えのない
高校生活を送るのです。
高遠少年の事件簿の読んでみた感想・評価
金田一少年の事件簿の本編を
ずっと読んでいると、
高遠は準レギュラーのように
なっているので、
人気キャラにもなっていて
このスピンオフが出来たのかなと思います。
本編では一ちゃんとライバル関係にいる
高遠ですが、スピンオフの高校生活や
トップの成績などから見ると
明智警視とも近いかなと思う
部分もあります。
高遠が地獄の傀儡師として生きる事になる
一つの人格形成のきっかけが
この高校生活にも
あるのでは無いかと思います。
本編ではあまり
人と触れ合う事がない高遠ですが、
霧島が言っていたように
クラスに居たらモテる要素を
沢山持っていると思います。
本編では殺人教唆を行ったり、
人を人とも思わない残虐な地獄の
傀儡師としての印象が強い高遠ですが、
この作品の中での高遠は
部員との友情があったり、
居心地の良さを感じていたりと
彼の中にある温厚な部分も
描かれていると思います。
高遠が言っている台詞は
自分を闇として捉えている発言が多く、
殺人鬼になっても仕方ないような
言い方です。
もしこの時霧島と出会っていなくて、
一みたいな人と出会えていたら
殺人鬼以外の道も
あったのではないかと思います。
高遠少年の事件簿はこんな方におすすめな作品!必見
金田一少年の事件簿の
スピンオフの作品なので、
やっぱり一番は金田一少年の事件簿
シリーズが好きな人にオススメです。
本編とはまた違った印象で
高遠を見る事が出来るし、
新たな事件で高遠が登場した時に
「彼もこういう事を経てこうなったんだ」
と実感しながら読むことが出来ます。
推理漫画が好きな人にもオススメですが、
その中でも作品を読みながら
トリックを考えたいと思っている人には
オススメです。
そこまで複雑なトリックを
使用していないし、
真犯人捜しとトリックの解決を
一緒に考える事も出来ます。
そして近年増えてきた若者の
「人を殺してみたかった」という
残忍な事件の犯人の心理を
象徴していると思います。
つまらない事で人を殺してしまう
残念な事件を辛く思い、
何とかしてそんな事件を
少しでも減らそうと思っている人達にも
オススメです。
犯罪心理を知る事で、少しでも事件を
解決したり、減らしたりする為の方法に
役立つと思うからです。
高遠少年の事件簿はどちらかというと
犯罪者側の心理描写が多いので、
犯罪心理について学びたい人には
良いと思います。