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【鬼斬り十蔵のネタバレ】とあらすじ!感想や無料試し読みあり!

鬼斬り十蔵

この記事は約 5 分で読めます。
タイトル 鬼斬り十蔵
原作・漫画 せがわまさき
出版社 講談社

『バジリスク』のせがわまさき、による
完全オリジナル作品!

許婚を守るため
狗神を体に宿した剣士・十蔵が
異形妖魔を叩き斬る!

陰陽術士・蘆屋道満の復活から始まる
平安の世から仕組まれた因業とは?

美麗なタッチで描かれる
痛快・伝奇アクション!

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鬼斬り十蔵のあらすじ紹介

狗神を体に宿す剣士・十蔵には
腹違いの兄・源蔵がおり、

さらに源蔵とは種違いの妹で
十蔵の許婚である香奈瑚がいる。

源蔵が『鬼込の太刀』を抜いたことで
平安時代の陰陽師・蘆屋道満が復活、

源蔵の肉体は道満に乗っ取られ
さらに香奈瑚の魂を奪われてしまう・・・

香奈瑚を救うため
十蔵と、香奈瑚の肉体に入った源蔵は
道満を追う旅に出ることに。

道満の狙いは
自分を「鬼込の太刀」に封印した
安部晴明への復讐。

実は源蔵・香奈瑚は安倍晴明の末裔で
死者を復活させるアイテムのカギが
香奈瑚の魂だったのだ・・・

鬼斬り十蔵のネタバレと結末(最終回)は?

道満が放った妖怪を十蔵が倒す、
テンプレートな展開を重ねながら

道満の過去=平安時代の出来事が
少しずつ回想されてゆき、
物語の印象がガラリと変化していきます。


かつて道満は晴明に操られ、
自身の手で兄を殺すという
凄惨な目にあわされていたのです。

激しいトラウマによって
道満は復讐の鬼となり
次第にその魂まで変質していきます。

晴明への復讐のため
やがて本当に鬼と化していく道満・・・

しかしその必死の行為も
晴明の手のひらの上でした。

一方で
十蔵の過去も明かされていきます。

香奈瑚を守るためと
少年の頃から荒行に励む十蔵。

果てには狗神を喰らい
その身に同化させるという、
人間を捨ててまでの己の強化。

どうして彼はそこまで
香奈瑚を守ろうとするのか?

実はこれも晴明の企みが
大きく絡んでのことでした。

安倍晴明という1人の天才によって
全ての者が運命を狂わされる・・・

しかし晴明ですら
計算できなかったものがあります。

それは
長い戦いを経る内に強くなった
十蔵と狗神の絆でした――

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鬼斬り十蔵の読んでみた感想・評価

美麗な描写やキャラの個性が際立っていて
明らかにフィクションなのに
謎のリアルさを感じてしまいました。

キャラたちの背景は
ほとんど詳細が語られず、
何もかも合理性がありません。

なのに、たった数コマの回想が
異様に鮮烈な印象を与えてきて
不思議と納得してしまうのです。

特に、憎らしい顔をしているくせに
妙な愛嬌のあるザムザというのがよくて

彼はまだ普通の犬だった頃、
呪術のために土中に埋められ
悲しげに鳴いていた・・・

というコマが少しだけ出ます。

その悲しげな顔が強く印象に残って
ザムザの矛盾した行動が
理解できた気になるのです。

具体的には
ザムザは人間を下位に見ており
面白おかしく生きようとしているのに

命に関わる危険に何度も晒されてなお
道満から逃げようとしていません。

明らかに矛盾した行動ながら、
悲しげに泣いていた顔を思い出すと

道満に苦汁を味わわされているザムザが
なんだか幸せだと思えてきました。

話の本筋から逸れてしまいましたが
ザムザというキャラに出会えただけでも

この作品を読んだ甲斐は
充分にあったと断言できます。

こんな方におすすめな作品!必見

『バジリスク』などの
せがわまさき作品のファンなら
1度は読んでおきたい作品でしょう。

山田風太郎原作の作品と
共通項も多いながら
どこか微妙に違う雰囲気。

せがわまさき先生の原点に触れて
他の作品の見え方も
違ってくるはずです。

もちろん比較検討抜きでも
単体で充分に楽しめる作品です。

風景や人物の美麗さから
強烈なキャラの個性、

何から何まで見所尽くしで
読んでいて飽きることがありません。

陰陽術や秘剣の応酬は
難しいことを考えずに
バトルものとしても良作です。

しかしこの作品の最大の魅力は
陰陽術を駆使した罠や仕掛け、

生命の復活さえ可能にする
隠されたアイテムを巡る攻防、

そういった
摩訶不思議な世界を旅する
アドベンチャー要素です。

秘宝を求める旅の果てに
地下に眠る巨大船で繰り広げられる
ラストバトルなどは

アドベンチャーの極致とも言える
幻想的なシーンではないでしょうか。

外国や異世界などを舞台にした物語で
人々の暮らしぶりや文化に目が行く、
そんなタイプの人なら

作中に見える
独特な風景の1つ1つが
面白くてたまらないはずです。

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