タイトル | 魔王 JUVENILE REMIX |
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原作・漫画 | 伊坂幸太郎 大須賀めぐみ |
出版社 | 小学館 |
映画化作品も多い人気作家の伊坂幸太郎先生
と漫画家大須賀めぐみ先生の初タッグ作品!
伊坂先生の「魔王」を
迫力ある作画とストーリーに
大須賀先生が少年漫画向けに再構成。
完結から時間が経った今もなお
ファンから根強い人気を得ている作品です。
魔王 JUVENILE REMIXのあらすじ紹介
主人公の高校生「安藤」は
弟の潤也から”考察魔”と呼ばれるほど
考え込んでしまう性格です。
この性格が災いして
クラスから浮いてしまった過去があります。
それで、世の中に疑問を持たないように
目立たないように
平和で堅実な高校生活を送っています。
ひょんなことから、
安藤にはある特殊能力があると分かります。
同時期に、
再開発の進む彼らの住む「猫田市」では
不可解な事件が…。
また、突如現れた謎の青年「犬養」を
ようする自警団「グラスホッパー」の活動が
目立つようになって…。
魔王 JUVENILE REMIXのネタバレと今後の展開は?
安藤の特殊能力は「腹話術」。
心の中で思ったことを
相手に話させることができる能力…。
その能力を手に入れた安藤は、
犬養の行動を止めようとします。
犬養のサポート役である
ドゥーチェという喫茶店の「マスター」は
「安藤」を危険視します。
そして、プロの殺し屋「蝉」を雇い
「安藤」を殺すよう依頼します。
依頼を受けた「蝉」は
上司である仲介業者「岩西」の指示に従い
安藤を殺すために現れます。
安藤は腹話術の能力と機転を利かせながら
危機を逃れます。
その一方でグラスホッパーは拡大し
増々、存在感を強めていきます。
市民もグラスホッパーへの信頼を
寄せるようになっていきます。
猫田市の開発計画を進める巨大資本
「アンダーソングループ」の社長の息子は
学校で陰湿で過激ないじめを受けます。
それを見た安藤は、
変わってしまった同級生たちに驚きながらも
アンダーソンを救うため能力を使います。
そのころから安藤は体調に異変をきたし、
これは腹話術の副作用なのではないか
と疑うようになります。
自分の限界を感じた安藤は
犬養に決戦を挑もうと決意します。
魔王 JUVENILE REMIXの読んでみた感想・評価
私がこの作品を初めて読んだのは
中学生のときでした。
もともと伊坂先生の作品が好きで
「コミカライズがあるならば読んでみよう」
と思い手に取ったことがきっかけです。
その結果、ストーリーはもちろん
個性的なキャラクターたちに心を奪われました。
特に好きなキャラクターは殺し屋の「蝉」。
蝉と岩西の掛け合いはもちろん
情報屋である「桃」や
ヤブ医者とのやり取りなど…
人の死と隣り合わせな業界にも関わらず
どこか陽気で引き込まれてしまいました。
扇動される集団とカリスマ的なリーダー、
流されない主人公という構図が本当に印象的
腹話術という…
いってしまえば地味な能力で立ち向かう
安藤の姿に心を打たれました。
後半の潤也の変貌ぶりも
見ごたえがあると思います。
私は何度読んでも
潤也と犬養が対峙するシーンで
鳥肌が立ってしまいます。
カバー下の書きおろしも本編を読んでから
ニヤッ!
とできる小ネタがちりばめられています。
本編と合わせて
カバー下にも注目してほしい作品です。
魔王 JUVENILE REMIXはこんな方におすすめな作品!必見
伊坂幸太郎先生のファンなら
にやりとしてしまう登場人物が
たくさん登場します。
殺し屋「蝉」と仲介人「岩西」が主人公の
スピンオフ漫画「Waltz」も面白く
より二人のキャラクターを理解できます。
安藤の能力も潤也の能力もどちらも
決して派手な能力ではありません。
しかし、それぞれが考え、頭をつかい、
大きな勢力であるグラスホッパーに
立ち向かっていく姿は応援したくなります。
兄弟愛…
普通って何だろう?…
扇動された集団の恐ろしさ…。
たくさんの視点から
この作品を楽しむことができると思います。
10巻で完結するので
途中で中だるみすることもなく
読むことができると思います。
少年漫画ではありますが
男性女性年齢を問わずに楽しめる作品です。
また大須賀先生は完結から時間が経った今も
Web上で描きおろし漫画やイラストを
投稿してくださっています。
完結後も新しいキャラクターの姿が見たい!
と考える方にも読んで欲しい作品です。