タイトル | 黒博物館 スプリンガルド |
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原作・漫画 | 田和日郎 |
出版社 | 講談社 |
19世紀のイギリスを騒がせた怪人
「バネ足ジャック」の伝説を元にした
ダークファンタジーです。
実際にあった事件や史実を元にして
描かれており、一巻完結ものと
なっています。
本作では藤田氏ならではの
「バネ足ジャック」物語が
描かれています。
黒博物館 スプリンガルドのあらすじ紹介
1837年のイギリスのロンドンで、
女性だけを狙う犯罪者が現れました。
犯罪者は女性に対して悪戯を仕掛けては、
高笑いしながら去っていきます。
バネ足で高く飛び上がる姿から、
「バネ足ジャック」という呼び名で
恐れられる怪人となりました。
しかし翌年の1838年の春を境に、
「バネ足ジャック」は姿を
見せなくなりました。
それから3年の月日が経った
1841年、「バネ足ジャック」は
再び姿を現します。
再び現れた怪人は女性を殺す
殺人鬼となっていました。
黒博物館 スプリンガルドのネタバレと今後の展開は?
ロンドン警視庁の警部ジェイムズ・
ロッケンフィールドは最初の
「バネ足ジャック」事件の捜査の際、
侯爵のフォルターが犯人ではないかと
疑っていました。
しかし証拠がなかったため
逮捕することができず、再び
「バネ足ジャック」が現れたことで
ウォルターに会いに行きます。
ウォルターは3年前の
「バネ足ジャック」事件で
暗躍していた怪人でした。
ただの憂さ晴らしとして
「バネ足ジャック」となり、
彼は騒ぎを起こしていました。
あるとき、悪戯を仕掛けた女性から
叱責されたことで、
彼の心に変化が現れます。
その女性はマーガレットといって、
後にウォルターのメイドとして
仕えることになります。
マーガレットとの出会いをきっかけに、
ウォルターは「バネ足ジャック」を
止めました。
それから3年後の事件の犯人は
ウォルターではありません。
3年前共に「バネ足ジャック」事件で
暗躍した友人、フランシス・ボーモンこそが
殺人事件を起こした犯人です。
殺人鬼の正体に気づいていたウォルターは
友人フランシスを止めるため、再び
「バネ足ジャック」に戻ることを
決意します。
黒博物館 スプリンガルドの読んでみた感想・評価
黒博物館 スプリンガルドは一巻完結の
漫画とは思えないほど、濃い内容です。
話数としてはたった6話ですが、
この中に面白さがぎゅっと詰まっていて、
冒頭から終盤まで目が離せない
ストーリーが展開されていきます。
「バネ足ジャック」という都市伝説の怪人を
かっこよく、そして不気味に描けるのは
藤田氏だけではないでしょうか。
人間の狂気がこれでもかというほど
描かれぞっとすると共に、
人間の持つすばらしさも
同時に描かれているように思います。
特にウォルターという人物の
造詣は素晴らしいです。
まさにダークヒーローといった感じで、
最初から最後までずっとかっこいい男です。
ウォルターのマーガレットに対する
想いが何なのか作中ではっきりと
明記されているわけではありませんが、
それは恋に近い何かだったのでは
ないかと思います。
自分を変えた女性を守るため
立ち上がる男、そこにウォルターの
生き様や信念などがすべて
詰まっているように感じます。
正直な話、一巻完結と言わず、
もっと活躍を見たいキャラクターです。
黒博物館 スプリンガルドはこんな方におすすめな作品!必見
本作は熱くて濃い内容の漫画です。
ダークファンタジー作品として
クオリティも高く、著者は
ストーリー構成に定評があります。
熱い物語を描かせたら右に出る者はいない
といっても過言ではなく、
カタルシスを味わいたい人にオススメです。
また青年誌に連載された漫画では
ありますが、
著者は元々少年漫画を多く描いている
漫画家です。
なので少年漫画に通ずるものが
根底にはあり、今までに青年漫画を
読んだことがない人でも十分に楽しめます。
黒博物館 スプリンガルドは壮大な
ストーリーを味わいたい方、
ダークファンタジーものな方、
かっこいいキャラクターに惹かれる方に
オススメの漫画です。
少年漫画好きなら読んで損はない
作品なので、一度手に取ってみては
いかがでしょう。
もし本作を気に入ったのなら、
著者の別作品「邪眼は月輪に飛ぶ」も
オススメです。
こちらも壮大なダークファンタジー漫画で、
一巻完結ものでありながら、
まるで一本の映画を見ているかのような
読後感を味わうことができます。