￥十億少女のあらすじとネタバレ！終わり方（結末）が見たい！

冴えない女子高生が十億で買われた！？

家の借金のかたに嫁入りを強要された
和菓子屋の娘・鹿の子。

嫁ぎ先の北条家当主・大我は
大柄のイケメンだが性格的に
かなり難アリ。

しかも、時折見せるその横顔には
深い闇のような過去が隠されていて…。

ドジっ子だがみんなに愛される
鹿の子と過去の出来事から愛を
見失っていた大我の出会いは、

周囲の人物を巻きこみ
思わぬ方向へ進んでいく。

￥十億少女のあらすじ紹介

大場鹿の子は明治から続く
老舗和菓子店「お々ば」の三女。

姉や家族からはいいように使われ、
学校では「大バカの子」と揶揄されたりも

するが、持ち前の明るさと人の好さで、
めげずに生きていた。

そんな「お々ば」に前代未聞の
危機が発生する。

三代目の父・功一が抱える巨額の
借金のために家もろとも家財一式が
差し押さえられたのだ。

何とかすと言い残して家を出る功一。

家族の危機に落ち込む鹿の子を、
親友の鳩彦や忍成は励まし支える。

帰宅途中、鹿の子は公園にたむろする
ホームレスの中でひときわ異彩を放つ
大柄の男を見かける。

功一はほどなく帰宅したが、娘の一人を
嫁に出す条件である人に借金を
肩代わりしてもらったことを告白する。

家族のために誰が嫁に行くか、揉める
三姉妹の前に現れたのは、
あのホームレスの男だった。

家族のため、店のために、自分が嫁ぐと
宣言した鹿の子は、その場で
婚姻届けにサインする。

一週間後、学校帰りの鹿の子は
突然黒塗りの車に押し込められる。

そこにいたのはあのホームレスの
男だった。

先日のホームレス姿とは程遠い
上流階級の身なりだったが、

「俺が求める妻の役割とは
家のために子供を産むことだけだ」
といい放ち、さっそく鹿の子を委縮させる。

連れていかれた先は、鹿の子がこれまで
見たことのない豪邸。

彼の名前は北条大我。

北条家当主にして官能小説家。

そのイケメンな容姿とは反対に
かなり世間離れした性格だった。

当初は逃げ出したい気持ちにかられる
鹿の子だったが、大我の謎めいた過去、

何かに苦しんでいる様子、そして本当は
やさしい男であることを認識して
次第に惹かれていく。

二人の距離は徐々に近づいていくが、
そんな二人の前に立ちはだかるのは、
彼の腹違いの兄、伊集院礼王。

大我に恨みを持つ礼王は
様々な復讐を仕掛けてくる。

それに巻き込まれる鹿の子。

果たして、鹿の子は大我と本当の
夫婦になれるのか。

そして、大我、礼王にまつわる
呪われた過去とは？

￥十億少女のネタバレと今後の展開は？

物語のキーとなる、大我と礼王の確執。

その発端となるのは両者の母親である。

大財閥・伊集院グループ総帥である
伊集院彪斗を父とする二人だが、

正妻である礼王の母莢子と、
愛人である大我の母薔子が実は

姉妹で、しかも同じ時期に同じように
男の子を生んでいるのだ
（莢子が姉、薔子が妹）。

本来であれば、正妻の子が後継ぎと
なるのだが、質実剛健・
文武両道・心身健康が指導者の

絶対的条件と頑なに信じる彪斗は、
心臓病の持病を隠していた礼王親子を
遠ざけるようになる。

そして、愛人の子である大我を
後継ぎにすべく屋敷に呼び寄せる。

莢子が第二子となる娘・鴇子を
産んでも、彪斗は全く愛情を注ぐことは
なく、新しい愛人のもとに通う日々。

まだ少年だった二人はそんなことは
知らず、お互いを理解し、

親しくなろうと努めるが、妹の
裏切り行為という認識をもっている
莢子は、大我に性的虐待を与え続ける。

一方、何とか残された親子関係を
守ろうとした礼王だったが、

実母のみだらな行為を目撃し、さらに
その直後に起きた鴇子溺死事故が

重なり、完全に大我に対する信頼と
実母への愛情を失う。

そして、その原因が行為を甘んじて
受けていた大我にあるとして、
復讐を誓う、ということになる。

￥十億少女の読んでみた感想・評価

健気で純朴、どんな辛いことがあっても
めげない、という鹿の子のキャラが
あるゆえに、大我・礼王兄弟、

そして母・莢子の暗黒面が
浮き立ってくる。

その対比による演出は見事だと思う。

そして、暗黒面でも、それぞれに
程度や方向性が違い、底抜けに

暗くなることなくまとまっているので、
読むほうも安心して読めるところがある。

あまりに暗く、ドロドロし過ぎると
（好きな人は好きだが。

ちなみに私はそのパターンでもOKだが）、
引いてしまう人も多いだろう。

多少なりとも回復への希望が残っている
カタチになっていることで、この後の

鹿の子の活躍も目立つように
なってくると思う。

それと、鹿の子を支えるキャラクター達の
多彩さも面白い。

多少BLっぽい匂いも漂うこともあるが、
あまり意識することなくうまい具合に
物語に溶け込ませているように感じる。

おネエキャラ、純粋・素朴キャラ、
関西弁ギャグ担当、とそれぞれの

役割に応じた働きをうまい具合に
してくれている。

そして、キャラそれぞれの物語も
展開し、それぞれに自分の道を

見据えていこうとする構図は個人的に
好きなものだ。

￥十億少女はこんな方におすすめな作品！必見

いわゆる「玉の輿」系のものが
好きな人はもちろん、登場する

男性キャラは個性豊か・美形ぞろい
なので「ハーレムもの」的な見方でも
楽しめる作品である。

見ようによっては、鹿の子が末っ子で
三姉妹、貧乏、という点については
「シンデレラ」のようにも見えるし、また、

その鹿の子を取り巻くキャラ達は、
その人柄に惹かれていって、結果的に
取り巻きを形成しているので

「ハーレム」「リア充」とも
見ることができる。

伊集院・北条両家とも、呪われたと
表現してもいいくらいに、人が
生きていくのには不幸すぎる環境で、

人間関係も明らかに
破綻しているような状態。

大場家も借金だ、貧乏だ、と
経済的には恵まれないところは

あるが、それでも人並みには
生きていけるし、現に鹿の子は
明るく前向きに育っている。

憂鬱な表情を浮かべることは
ないし、姉たちの無理難題も、

容赦ない家の手伝いも、
ツッコミをいれつつも楽しく
こなしている感が漂ってくる。

今、人生の岐路に立ちつつあり、
少しブルーが入っている人なども、

これをみれば鹿の子が元気を
分けてくれるかもしれない。

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