タイトル | ギャングース |
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原作・漫画 | 肥谷圭介 鈴木大介 |
出版社 | 講談社 |
彼らは犯罪者である・・・。
しかし彼らの狙いは一般人ではない。
彼らは犯罪者である・・・。
そして彼らは組織に属さない単独のチーム。
そう、彼らは
犯罪集団だけを狙う窃盗団である。
これは社会から弾きだされた少年たちが
自らの才覚で生き抜いてゆく
アンダーグラウンドを描いた物語。
ギャングースのあらすじ紹介
今日もネットカフェに籠り
アイドル鑑賞を満喫するカズキ。
女子とのパーティーに耽り
飲みあかしているイケメンのサイケ。
そんな2人は
とあるカンパニーに狙いを定めて
埼玉の某所へと向かうことに・・・。
カンパニー
それはヤグザ組織とは異なる
犯罪営利集団・・・。
営利目的な絆だけで結ばれた
後ろ盾を持たない
犯罪結社のような存在である。
そんなカンパニーの金庫を狙い
2人はもう一人の仲間タケオを連れて
カンパニーの事務所の前に車を止めた。
見張りの男が出払うのを待って
3人は事務所へと潜入
4分でたたく!
そう豪語するカズキだが
予想以上の大きさの金庫に
思わぬ苦戦をする3人。
予告の4分まで
残り数十秒となった時
見張りの男が事務所へと戻ってきた。
・・・だが、
事務所内にあった大型金庫は
既にもう無くなっていた。
ギャングースのネタバレと今後の展開は?
彼らの次なる獲物は
同じ窃盗団。
建築資材を専門に狙う
窃盗団を相手に
千万円クラスの儲けを狙う3人。
首尾よく
相手の倉庫を見つけ出し
高価な発電機などを運び出していく。
そこに突然!?
見知らぬ幼い少女が現れる。
カズキに少女の相手を任せ
ブツを運び続けていたサイケだが
その少女が見張り役である事に気づく。
少女からの通報を受けて
戻ってきた窃盗団をギリギリかわし
間一髪で逃走に成功する3人。
しかしカズキは
2人には内緒で
窃盗団のアジトへと舞い戻る。
実は少女に身分証明の入った
マスコットチェーンを
すり取られていたのだった。
宅配便を装いながら
窃盗団の隙をつき
少女を連れ出すことに成功するカズキ。
そして窃盗団のところではなく
母親の元へと戻りたがる少女を
3人は母親のいる管理局へと連れて行く。
不法滞在のため入国管理局にて
本国へ送還される予定の母親は
カズキに娘を預かってくれと依頼する。
都合の良い話と知りながら
結局カズキは母親の戻る
3年後まで少女を預かることにした。
しかし住民票すらない3人に
少女の養育は出来そうにもない。
彼らは知り合いの中華屋の仲間に
高額な養育費と引き換えに
少女の生活の面倒を託した。
全ては金だといわれる世界でも
それだけでは
生きてはいけないのだからと。
そうして彼らは自らと
少女の養育費のためにと
新たなる獲物に狙いを定めていく・・・。
ギャングースの読んでみた感想・評価
何も与えられなかったが故に
アンダーグラウンドで生きるしかない。
それでも主人公たちは強く
時には優しく
何ごとにも負けることなく奮闘します。
太り気味の容姿から
ブタのように揶揄されるカズキ。
なんの取り柄もないような彼ですが
工具の扱いは一流
そして、とにかくタフです。
殴られても蹴られても
怯むことなく耐えて
勇気を奮って立ち向かっていきます。
サイケはイメージからは
行動の軽そうな印象も受けますが
情報担当として頭の切れる少年です。
周囲の状況を冷静に判断して
素早く決断を下していきます。
タケオはしゃべるのが苦手ですが
そのドライビング・テクニックは
スタント並みの腕前ともいえます。
そんな3人それぞれの力が
絶妙に絡まることで
互いを支え助け合っているようです。
そして3人に共通する特徴が
優しい心の力を秘めていることです。
自分たちの生活を犠牲にしながら
見知らぬ少女のために力を尽くす。
そんな彼らの心にこそ
アンダーグラウンドな世界で生き抜く
本当の強さが宿っているのかもしれません。
そして新たに仲間になった少女ユイカ
彼女が握る秘密を
彼らはまだ知らない・・・。
ギャングースはこんな方におすすめな作品!必見
この作品の注目ポイントは
数々のリアルなテクニックや
現実的なシチュエーションにあります。
作戦の流れや使用される機材
侵入の手順から逃走テクニックまで。
様々なシーンにおいて
取材に基づいて描かれた
リアルな情報に満ち溢れています。
近年の犯罪集団の成り立ちや
振り込め詐欺などを例えとした
合理化された組織犯罪の在りよう。
他にも怪しまれない車の種類や
防犯設備の良し悪し
窃盗被害の所要時間。
堅固な金庫の見分けや
狙われやすい店舗の特徴に
盗まれやすい機材の数々など。
逆手に見れば
防犯にも役立てられそうな
様々な情報が盛り込まれています。
そんなリアルな世界観をベースに
ちょっと日常離れした様子の
主人公たちが作品に魅力を加えています。
また、本作が気に入った方には
『僕たちがやりました』なども
雰囲気のある作品としてオススメです!
ふとしたきっかけで始まった
些細ないたずら心が
やがて犯罪へと発展してしまう。
本作と同様に
少年たちが投げ込まれた状況に
どのように対処していくのかが注目です。