[PR]Yahooプレミアム会員が最大6ヶ月無料+毎週(金曜)20%ポイント還元中!【ebookjapan】

ラヴァーズ・キスのネタバレと感想!映画の原作を読むならココ!

ラヴァーズ・キス

この記事は約 7 分で読めます。
タイトル ラヴァーズ・キス
原作・漫画 吉田秋生
出版社 小学館

『海街diary』の作者、吉田秋生による
もう一つの「鎌倉青春物語」

鎌倉を舞台に6人の高校生男女の恋愛模様を
繊細かつ情緒豊かに描く青春ラブストーリー

物語は3つのパートに分かれ、
3組のペアのストーリーが展開されます。

同じ時系列の物語を
それぞれのパートの登場人物の目線で描いた
オムニバスストーリーです。

サイト内で【ラヴァーズ・キス】を検索!
『吉田秋生先生の連載作品』
海街diary【海街diaryのネタバレ】とあらすじ!感想や無料試し読みあり!

ラヴァーズ・キスのあらすじ紹介

夜遊びの帰り、早朝の鎌倉の浜辺にて
里伽子は一人のサーファーと出会う。

それは校内一の女ったらしと
悪評高い朋章だった。

最低最悪の出会いを経て
一度は距離を置いた二人だった。

やがて二人は…
互いが持つ深い心の傷に触れることになる。

朋章の1年後輩の高尾は
中学時代朋章と同じバスケ部に所属していた

明るく社交的で
後輩の面倒見もいい朋章を高尾は慕っていた

高校に進んでからも、悪い噂の絶えない朋章

それでも、朋章に対しての
あこがれや信頼は変わらなかった。

やがて里伽子の登場により
高尾は朋章に対し
自分も気づかなかったある感情に気づく。

さらに高尾の1年後輩で依里子と
同級生の緒方に自分の気持ちを気づかれ、
緒方から告白を受ける。

依里子は2つ年上の姉、里伽子が嫌いだった

いい子ぶって裏表のある姉だと、
いつのころかそう思うようになっていた。

里伽子の親友である美樹は、
明るくさっぱりした性格。

依里子は姉とは正反対の美樹に惹かれていた

しかし、その思いを口に出すことはなかった

依里子は
美樹が里伽子に惹かれていることを知る。

姉との溝を一層深めるが、とある出来事から
依里子は姉の「やさしさ」に気づく。

ラヴァーズ・キスのネタバレと今後の展開は?

物語の中盤で朋章が高校を中退し
小笠原へ行くことが明かされます。

朋章は小笠原で朋章の叔母夫婦が経営する
ダイビング・ショップと
民宿で働くというのです。

実は朋章は中学生の時に実母から
「男と女の関係」を迫られた過去があります。

そのため、自殺未遂を起こす
という経験もしていました。

叔母の協力を得て、一人暮らしを始め
母親から離れようとしました。

その後も母親から
ストーカーまがいの行動を続けられ、
遂に鎌倉の町から「逃げる」ことを決断…。

朋章の中退について問いただした里伽子。

なぜ卒業を待たずに、
何をそんなに急いでいるのか…
と不思議に思いました。

朋章はその理由を
「家にはいられないから」
とだけ伝え、何も語りませんでした。

里伽子はそれだけ朋章が
何かに追い詰められていることを悟ります。

さらにその決断した朋章の強さが
自分にはないものだ
と、自身の過去を朋章に語りだすのです。

里伽子は小学生のころに
担任の先生から性的な
いたずらをされた過去を持っていました。

本当は怖くて嫌なのに、
嫌われるのが嫌で相手の顔色をうかがって
逃げ出すことが出来なかった里伽子。

そういった自分に対し
ずっと嫌悪感を抱いていたのです。

こうしてお互いの思いや傷に触れた二人は
本当の意味で結ばれ、
かけがえのない恋人となりました。

里伽子は最後まで朋章に真実を聞くことも
逆に聞かされることもなく
小笠原に旅立つ朋章を見送ります。

妹の依里子は去っていく朋章に対して
平静を装う姉が気に食わず、
里伽子に問い詰めます。

「訳を聞かないわけ?
こんな時までいいこぶるの?」と。

それに対し里伽子は
「あんたなんかにわかんないわよ!!
あたしの気持ちなんか…」

感情をむき出しにして叫びます。

普段感情を表に出さない里伽子の
思ってもみない反応に依里子は驚き、
姉の気持ちを少し理解するようになります。

そしてひょんなことから
依里子と高尾の後輩の緒方は
朋章の秘密を聞いてしまいます。

依里子はその時初めて姉の里伽子の
「知ろうとしないやさしさ」に気づきます。

そして、険悪だった姉との関係を
修復したいと思うようになります。

そして物語の最後、依里子は里伽子に
「夏休み、ぜったい小笠原に行きなよ、
お父さん達一緒に説得するから」と告げます

妹からの温かい言葉に里伽子は
少し驚つつも優しく微笑むのでした。

サイト内で【ラヴァーズ・キス】を検索!

ラヴァーズ・キスの読んでみた感想・評価

『ラヴァーズ・キス』が月並みな青春恋物語
…にならなかったのは、作者の巧みな
心理描写と構成があったからだと思います。

まず心理描写については、作者の
その文章表現力の高さが目につきます。

恐らく多くの本を読んできたのであろう
と思わせる文章表現、台詞回し、
引用される文学作品の一節が美しいです。

登場人物の表情、背景、
空白の間が合わさって、登場人物の
繊細な心情を見事に表現しています。

本作品は3つのパートに分かれて
話が展開されていきます。

ですが、同じ場面が
各パートの主人公の目線で描かれいます。

あの時この人はこう思っていたんだなと
違う角度から物語を見ることが出来ます。

さらにパート1から順番に読んでいくにつれ
段々物語の真実が明らかにされていきます。

そして最終パートの最後には全てが明かされ
物語全体を通しての
真のエンディングを迎えるのです。

こういった構成については
作者の物語作りのセンスの良さを
感じずにはいられません。

また、作者は心に傷を負った者、
同性愛について悩む者を登場させました。

マイノリティに焦点を当てることにより
物語を一層深みのあるもの
にさせていると思います。

悩みながらも何かを乗り越えていく人の姿は
人の最も魅力に感じることの一つ
であると思います。

彼らは皆その体現者です。

そして彼らは切なくもあり、
優しくもある、魅力的な人物です。

この物語は
完璧なハッピーエンドではありません。

朋章の抱える問題が
解決したわけではありませんし、
里伽子は朋章と離れることを受け入れます。

高尾や緒方、美樹や依里子に至っては
自らの恋が成就したわけでもありません。

それでも彼ら一人一人は最終的には
何らかの希望を見出したのでしょう。

最後は決して暗くなく
バッドエンドではありません。

それがまた切なく
何とも言えない余韻を残します。

現実や思い通りにならない何かに
悩み、もがき、
そして成長してゆく…。

本作品は恋愛物語という一面だけではなく
一人一人の
人間のドラマが描かれていたのです。

こうして作者の数々の術中にはまって、
私はこの物語に惹かれました。

漫画だけれど
まるで一冊の小説を読み終えたような、
そんな満足感を得ることが出来ました。

いつまでも手元に置いておきたい漫画です。

ラヴァーズ・キスはこんな方におすすめな作品!必見

『別冊少女コミック』で発表された物語。

物語の読み手の対象は
現役の中学生や高校生の少女たち
だったのだろうと思います。

でも、私はこの物語はむしろ大人が
読んでこそ、物語が持つ雰囲気や味わいが
最大限伝わるのではないかと思いました。

もちろん少女が読んでも十分楽しめれます。

例えば、社会の酸いも甘いも
一通り経験してきた大人とか…

日々の多忙な生活の中、
ふと気づいた隙間時間に静かな
誰もいない場所でひっそりと一人で読む…。

そんなシチュエーションに
ピッタリな漫画であると思います。

青春の時分に感じた何かよく分からない
あのもやもやとした懐かしい感覚…

楽しいのだけれどどこか切ない
そういった何か心がかゆくなるような感覚…

そういった感覚に浸りたい、
思い出したいという方に読んで欲しいです。

恋愛小説や青春小説がお好きな方が
読んでも面白いと思います。

一方で端的な楽しさとか明るさ、
分かりやすい恋の駆け引き、派手な演出、
激しいシーンを求める方はつまらないかも…

また、激しい性描写はありませんが、
同性間の恋愛について描かれております。

ですから、そういったものが苦手な方が
本作品を読まれる場合は
その点を留意していただきたいです。

『ラヴァ―ズ・キス』に共感を得られた方…

そんな方には『夢みる頃をすぎても』
『河よりも長くゆるやかに』
『櫻の園』も一読いただければと思います。

時代背景は古いですが、
青春時代にしか感じられなかった様々な思い
悩みが巧みな表現で見事に描かれています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA