タイトル | 忘却のサチコ |
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原作・漫画 | 阿部 潤 |
出版社 | 小学館 |
器量は悪くないが
面倒な性格の為か周囲から
結婚には縁遠そうに思われていたサチコ。
そんなサチコが結婚!?
周囲も羨む結婚披露宴の場で
しかし、事件は起こった。
披露宴の途中で突然に
消えた花婿。
しかしサチコは冷静にその場をおさめると
何事もなかったかのように
翌日には出勤していた。
しかし徐々に込みあげてくる
失恋の哀しみ・・・。
そんな哀しみを忘れさせてくれるのは
食べること!
サチコの忘却のための
グルメ巡りが始まる・・・。
忘却のサチコのあらすじ紹介
職場の上司には
鉄のような女と称される
固く面倒な性格のサチコ。
そんなサチコが突然の結婚!
しかも相手は仕事も出来そうなイケメン。
佐々木幸子29才
出版社勤務の編集者。
旅先で知り合った彼と
2年後に結婚。
皆が羨む披露宴の最中
途中で退席した新郎の俊吾が
いつまで待っても戻ってこない・・・。
そして届けられた
手紙には衝撃な言葉が!?
サチコすまない・・・。
別れの一言だけを残して
新郎は去って行った・・・。
騒然とする周囲に対して
冷静かつ丁寧にお詫びをして
その場をまとめたサチコ。
そして翌日には
何事もなかったかのように
編集部へと出勤していた。
しかし本人も気づかない心の中で
サチコは大きなダメージを受けていた。
俊吾との想い出を振り返り
思わず街中で泣き出してしまうサチコ。
何とか気分を落ち着けて
サチコは昼食をとるために
食堂へと向かう。
注文したのは
サバの味噌煮定食。
昼食を食べながら
サチコは思った。
サバの味噌煮って
こんなに美味しかっただろうか?
食べるうちに
和食の素晴らしさ
日本の良さに浸り昇天するサチコ。
その瞬間
彼女は俊吾のことを
完全に忘れることが出来ていた・・・。
食べることで忘れられる!?
いける
これで頑張っていける!
こうしてサチコは
俊吾との恋を忘れるために
美食の道へと歩みだすのだった・・・。
忘却のサチコのネタバレと今後の展開は?
未だ失恋のショックから
立ち直れないサチコ。
今日も左右の靴を
間違えて履いてきてしまう始末。
気分を改めようと
再びサバの味噌煮を食べることに。
しかし何故か昨日のような
忘却の境地には至らなかった?
翌日は
長崎の軍艦島へと
取材に出向くことにしたサチコ。
長崎を巡りながらも
気を緩めると
俊吾のことを想い出してしまう。
そんな折に
トルコライスという
名物があるとの連絡を受ける。
その炭水化物の塊のような
ボリューム感に
本気で挑まなければ負けてしまう?
そう決意したサチコは
何故か地元の中学生に混じって
部活ランニングに飛び入り参加する。
中学生の疲労感を味わったサチコは
遂にトルコライスと対面。
疲れ切った身体に
たっぷりの炭水化物&カロリー!
まさに部活を終えた
中学生の気分を味わいながら
昇天するサチコ・・・。
その瞬間
サチコは再び
俊吾のことを忘れることが出来ていた。
こうしてサチコは
次なる忘却を求めて
美食への道を進んでいくのです・・・。
忘却のサチコの読んでみた感想・評価
仕事の延長上で食事をしたり
仕事の息抜きに食事を楽しむような
そんな作品は数多くありますが。
本作の主人公であるサチコは
失恋の想い出を忘れたいがために
美食を繰り返していきます。
何処にいても何をしていても
ふと気を緩めると思い出してしまう
彼との想い出・・・。
そんな彼のことを
完全に忘れられる
忘却の世界へと至る境地。
彼女にとって
美食こそが
そこへと至る方法だったのです!
失恋に限らず
辛い思い出や苦しい出来事から
逃れて新たな道へと進む方法とは?
何かに集中して
無我夢中で楽しむことは
その答えの一つでもあります。
喜びや楽しさに
心満たされていくうちに
次なる未来へと導かれて行きます。
そしてサチコにとっては
美食により満たされた瞬間
全ての哀しみから解き放たれていきます。
そしてそんな美食を重ねることで
少しずつ自身の内面や周囲との関りを
見直すきっかけも得ていきます。
サチコの忘却の美食は
きっと彼女を優しい未来へと
導いてくれることでしょう・・・。
忘却のサチコはこんな方におすすめな作品!必見
失恋した彼との想い出を
忘れたいがために
美食への道を励むサチコ。
そんな彼女が
味わう美食とは
決して高価なメニューではありません。
ごく普通の
町の定食屋さんであったり、
人気店のおにぎりなど。
その多くは町中で気軽に
買い求めることが出来る
一般向けのメニューです。
そんな日常的な
メニューの中でこそ
日々を見つめ直す気づきも得られる。
そんな食事による
マインドフルネスな効果など。
いつもとは少し異なる
食生活の楽しみ方としても
興味深い作品です。
その他の作品として食事ではなく
軽いスイーツを求めたい甘党派には
『さぼリーマン 飴谷甘太朗』もオススメ。
スイーツに魅せられた男が
外回りの営業の合間に
名店のスイーツを求め歩くという作品。
主人公は
スイーツを食べるために
あえて営業職に転職。
そしてスイーツを食べるために
その全ての仕事を完璧に終わらせ
余剰時間を作る!
『忘却のサチコ』と同様に
その変わったキャラクター性は
幅広く読者が楽しめそうな作品です。