タイトル | オールド・ボーイ |
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原作・漫画 | 土屋ガロン・嶺岸信明 |
出版社 | 双葉社 |
なぜ……俺が!?何者かによって
10年間の監禁生活を余儀なくされた
男──五島慎一(ごとう・しんいち)。
奪われた10年の意味を知る為に挑む、
自分を監禁した真意と謎を追求する物語。
そして過去に取り残された男との対峙が、
彼の運命を大きく狂わしていく。
取り残された男と、進んでいく男の物語。
「オ―ルド・ボーイ」についての紹介!
オールド・ボーイあらすじ紹介
とある繁華街の薄らさびれた中華料理店。
忙しなく動く中華鍋の油の弾ける音に、
出来上がった料理を運ぶバイトの姿。
不愛想に競馬新聞に睨みを利かせている客。
いつもと変わらない店内で忙しない。
店長に岡持ちを手渡され、
出前へと向かわされる。
──例のビルにな。
と、聞きなれない言葉に頭をかしげるバイト。
店長は仕方なしに
例のビルの事について説明をする。
まずそのビルは、地下駐車場から入り、
社長専用のエレベーターに
乗り込まなければいけない。
そしてボタンを押す際に8階に
7階のボタンを同時に押さなければいけない。
余計なことは詮索無用。
ただ出前をすればいいと、向かった先は、
8階と7階の中間である7.5階だった。
コンクリートむき出し無機質な階層で、
パイプとダクトすらもむき出し。
安い蛍光灯のライトが明滅し、
幾つもの扉だけがあった。
形容すれば、まるで刑務所のような空間。
バイトは覗くように見回すが、
見張りの男に怒鳴られる。
空になったどんぶりと皿を回収し、
足早にその場を去っていく。
出前から手渡された中華料理を適当に見つくろい、
こなれた動きで扉の小窓から、
中の住人達に料理を差し出す見張り。
今日も飯が来たかと、
監禁されてから10年を迎えようとしていた
男──五島慎一(ごとう・しんいち)。
白米にかぶりつきながら、
安物のテレビから流れるニュースを見ながらに、
一日2食の飯を腹へと流し込む。
食後には、日課となった
筋トレへと励みだす。
いつしか慣れてしまった、
そんな監禁生活の日常。
一日に二度の食事に、
入浴は監禁された部屋のシャワーのみ。
トイレは付き、安物のベットもあれば、
テレビもある。
刑務所のような監禁生活を、
もう10年間も送る慎一は、
ある日突然として、解放される事になってしまう。
外へと解放された慎一は、
手に入れた自由をどう使っていくのか?
彼は再び動き始める。
自分を閉じ込めた真相を知る為に!
オールド・ボーイネタバレ・今後の展開
何者かの陰謀によって主人公の
五島慎一(ごとう・しんいち)。
10年間もの間、監禁生活を
余儀なくされてしまう。
ある日突如として解放されてしまいます。
解放された時、彼が目覚めた場所は公園。
最初は何かの罠かと思いながら警戒するも、
なんの動きもなく、これといった事も無い。
落ち着いた気持ちで見る、
10年ぶりの星空と満月。
ようやく解放されたと、自由だと、
久しぶりの外の世界に喜びます。
しかし世間は大きく変わってしまい、
人の波に酔いながらも、
慎一は街の中を進んでいきます。
そして偶然に見つけてしまったのは、
回転寿司屋。
10年も中華料理だけの生活だったので、
久しぶりの寿司の味に喉を乾かせます。
無一文の彼には食べる事が出来ず、
先立つものがないと言う。
しかたなくに窓越しでうらやましそうに
寿司を見つめてしまいます。
しかしポケットになんと
監禁していた連中からの
僅かばかりの心づけの1000円札がある。
慎一は久しぶりに寿司に舌鼓を打ちながら、
解放された食事を堪能します。
僅か20円と二度電話を掛ければ
終わってしまう額になってしまいました。
しかし久しぶりの食事で満たされたことに、
本当に自分が自由になったのだと確信を得て、
慎一はこれからの事を考えます。
警察か家族に電話をして今までの事を話そうかと、
でもそんな事をしても、
自分が監禁されていた理由を知る事は出来ません。
ならばと彼は10年間の間で
決意していた事を実行に移します。
監禁されていた10年。
慎一はひたすらに
身体を鍛え続けていました。
またテレビ越しではありますが、
世間の微かな情報も知っていました。
密室で鍛え続けた自分が
どれだけに戦えるのかを試す為に、
オヤジ狩りにわざと襲われます。
慎一を酔っ払いと勘違いをし、
襲い掛かるオヤジ狩りを撃退。
自分がこう言った連中と
渡り合えると確信を得た彼。
自分を監禁していた場所の
捜索を開始していきます。
途中で知り合ってしまい流れで
同棲する事になってしまったエリの下で、
活動資金稼ぎと中華料理屋通いを始めます。
監禁されていた自分が食べていた
中華料理を出していた店は
どこなのかと街を彷徨います。
はたして彼を10年もの間に監禁した理由とは?
そして犯人の真意とはいったい?
オールド・ボーイ読んでみた感想・評価
今回紹介する作品「オールド・ボーイ」は、
韓国とアメリカで実写映画化された
ハードボイルドサスペンス漫画作品。
今ではあまり見なくなってしまった、
独特の男な世界観を堪能できる
作品ともなっています。
この物語の主人公である慎一は、
ある日突然として、
どこかに監禁されてしまいます。
コンクリートの向き出しになった一室。
テレビがあり唯一にそれが
世間の情報を知るすべ。
粗末なシャワーにトイレと、
まるで刑務所のような
生活を余儀なくされてしまう彼。
ここでこの作品の見どころとなるのが、
この物語の主人公である慎一の
精神的なタフネスさだと言えます。
10年も意味もなくに、監禁されてしまえば、
大抵の人は取り乱してしまい、
錯乱してしまいます。
が、彼は10年間の間、
ひたすらに身体を鍛え続けていきます。
脱出のチャンスと、自分を監禁した
相手と戦うための準備をひたすらに行う。
甘んじるかのように
監禁生活を受け入れてしまう彼。
それだけに無意味な時間を費やすことに
意味があるのかと思いきや、
彼は実に洞察力の優れた人物でもある。
自分が監禁されている現状を
落ち着いて観る事ができる。
行動すべき時と、観察する洞察を初め、
自分を取り巻く状況を
読んでいく才能を持ち合わせている。
その独特のキャラクター性は、
昭和の映画のようなハードボイルドの
男性像を表現した人物でもあります。
そして次にこの物語の根幹である、
彼を監禁した理由。
それもまたこの物語に大きくかかわる
展開の要素ともなっています。
かつて慎一がしてしまった、ある出来事が、
この10年の監禁の理由でもある。
それは歪んだ一人の男の嫉妬もしくは
不安から始まるものだったと、
作品を通して見れる人間の心の闇。
例え全てを手にしても幸せを感じられない
虚無感などが物語に織り込まれ、
人間の複雑な心境が描かれている作品とも言えます。
最近の漫画にはないハードボイルドな作品を読みたい人におすすめ
タバコの煙と一口の酒の味の醍醐味を堪能できる
ハードボイルドな漫画作品を読んでみたい方に
おススメな作品とも言えます。
またカッコイイ親父に憧れる人や、
カッコイイ親父に憧れたい人にもおすすめ。
今作品を見れば、
カッコいい親父や大人とはと、
その形が見える作品となっています。