タイトル | ヒカルの碁 |
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原作・漫画 | ほったゆみ・小畑健 |
出版社 | 集英社 |
人気実力派コンビ、
原作ほったゆみ先生と作画小畑健先生による、
大人気囲碁マンガです。
主人公の進藤ヒカルと、
千年の時を経て現世に蘇った、
天才棋士・藤原佐為。
二人を中心に繰り広げられる物語です。
囲碁と聞くと地味で
とっつきにくい印象を
持つかもしれません。
そんなイメージを吹き飛ばす、
囲碁の一大ムーブメントを
もたらした作品です。
ヒカルの碁あらすじ紹介
主人公の進藤ヒカルは、
どこにでもいる普通の男の子。
ある日、お小遣いを稼ごうと
おじいちゃんの蔵を物色していると、
古い碁盤を見つけます。
その碁盤には、
何やら怪しいシミが付いています。
そばにいた友人にシミについて聞きますが、
友人はそんなもの見えないと言います。
そう、このシミは、
ヒカルにしか見えないのです。
するとそれをきっかけに、
碁盤に宿っていた平安時代の天才棋士、
藤原佐為が蘇ります。
蘇った佐為は、シミを見つけることのできた
ヒカルの意識に入り込み、
現世でも囲碁を打ち始めることとなるのです。
この瞬間から、ヒカルと
囲碁のストーリーが始まります。
千年ぶりに現世に蘇った佐為の目標は、
神の一手を極める事。
しかしヒカルは、
最初は囲碁には全く興味がありません。
打たせてくれという佐為の頼みも
面倒で断ってしまいます。
ある時ヒカルは、
お小遣い目的でおじいちゃんと
対局することになります。
佐為の実力を利用しておじいちゃんを
負かそうと企むヒカルですが、
そこで目にしたのは佐為の涙。
佐為は、千年ぶりに
囲碁を打てることの喜びに
感動していたのです。
そこで、佐為の囲碁に対する
真剣な気持ちや愛情を感じたヒカルは、
少しづつ囲碁に興味を持ち始めます。
佐為に打たせてやろうと、
囲碁教室や碁会所にも通い始めます。
ある日訪れた碁会所で、
ヒカルはひとりの男の子と出会います。
彼の名前は、塔矢アキラ。
ヒカルと同い年で、
後に永遠のライバルとなる存在です。
アキラは碁の天才で、すでにプロを
見据えているような実力でした。
ヒカルは佐為とアキラを
対局させることにします。
その碁のレベルの高さに、
今まで負け知らずだったアキラは、
突然現れたヒカルの存在に大きく戸惑います。
そしてまたヒカルも、
佐為とアキラの情熱や
真剣さを目の当たりにします。
自分でも打ちたい!
と思うようにになるのです。
その後、アキラとの再会を果たします。
囲碁部や院生との出会いを通して、
ヒカルは佐為と共に、
本格的に囲碁の道を歩み始めます。
ヒカルの碁ネタバレ・今後の展開
千年ぶりに現世に蘇った佐為は、
自分が打つと同時に、
出会ったヒカルに囲碁を教えていきます。
やる気のないヒカルと、
最初はケンカばかりしてしまいます。
しかしずっと一緒にいるうちに、
ヒカルの成長を自分のことのように
喜ぶようになります。
徐々に開花していく
ヒカルの囲碁の才能にも、
驚きと誇りを感じます。
ヒカルも、出会ったばかりの頃は、
碁を打たせてやるのが
面倒くさいと感じていました。
しかし、勝つことの喜びや
ひたむきに努力することを覚えていきます。
次第に、見た人の記憶に残るような
碁打ちへと成長していきます。
そんな二人の日々は、
いつまでも続くものだと思っていました。
しかし、佐為はある時不安に思います。
自分はいつまでこの世にいられるのだろう、
いつまでヒカルと一緒にいられるのだろう。
ヒカルと出会う前に読みがえった碁打ちは、
病気で死んでしまい、別れてしまいました。
今回も同じように、
自分に残された時間は
無限ではないのだろう…。
そう確信するのです。
次第に佐為の身体は消えはじめ、
碁盤のシミも薄くなってしまいます。
ヒカルにその危機を
知らせようとしますが、
碁に夢中になってしまったヒカル。
自分の成長のことで頭がいっぱいです。
佐為はまだ神の一手を極めておらず、
もっと碁を打ちたいと切実に願います。
しかし時の流れを止めることはできず、
未来のあるヒカルがうらやましいと
感じてしまいます。
また、長い間切磋琢磨してきたヒカルに
厚い情が湧いて、
離れたくないと思うのです。
佐為がこのように様々な思いを抱いたまま、
月日が流れます。
そしてとうとう、佐為は、
ヒカルの前から姿を消してしまいます。
佐為がヒカルに
最後に残した言葉は、ありがとう。
そしてヒカルもまた、
いなくなって初めて、
佐為の存在の大きさに気が付くのです。
ヒカルの碁読んでみた感想・評価
作品全体の描写がとても丁寧で分かりやすく、
読んでいて心地よいです。
小畑健先生の繊細な作画によって、
場面の緊迫感や、登場人物の心情が
こちらに伝わってきます。
囲碁はスポーツやバトルのように
動きが多いわけではありません。
そのため味な内容になりがちではないか、
と思うかもしれません。
しかし、一手一手の重みや気迫が、
見事に描かれているのです。
読んでいるこちらも、まるで本当に
対局しているかのような気分が味わえます。
ほったゆみ先生の展開も素晴らしいです。
ストーリー全体が、
丁寧でなおかつスピーディに
繰り広げられます。
次はどうなるんだろう、
と早く続きが気になって
仕方が無くなると思います。
また、登場人物の一人一人が、
実に生き生きと描かれています。
育った環境や境遇、
年齢はそれぞれ違います。
プロ試験を難なくクリアする人もいれば、
何年も挑戦する人もいます。
仕事をしながら最後の望みをかけて
挑んだけれども、
道を諦める人だっているのです。
しかし、どんな境遇の人であっても、
囲碁に対する情熱は皆一緒です。
負けて悔しい、勝って嬉しい。
その気持ちが、囲碁を打つ全ての人から
感じ取れると思います。
彼らの碁を打つ姿からは、
大きな感動と勇気をもらえるでしょう。
また、最大の見どころは、
ライバルのアキラとの対決です。
ヒカルが成長するのと同じように、
アキラも成長していきます。
囲碁に対して悩んで立ち止まったときも、
再び奮い立たせてくれたのは
アキラの存在でした。
共に競い合い、高め合っていくアキラと、
ようやく実現できた決戦。
果たして結果はどうなるのか。
ぜひ読んで、その白熱の対局を
感じてもらいたいと思います。
囲碁に興味がある方はもちろん、無い方でも楽しめる作品です
何か新しいことを始めたい、
何か熱中できるものを見つけたい、
そんな人に読んでもらいたいです。
主人公のヒカルも、
最初は平凡な男の子です。
しかし、佐為との出会いをきっかけに、
囲碁に対する才能を発揮し、
成長していきます。
出てくる登場人物も皆、
情熱を持った人ばかりです。
きっと彼らの姿に、
新しいことに挑戦する勇気を
もらえると思います。