タイトル | 長閑の庭 |
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原作・漫画 | アキヤマ香 |
出版社 | 講談社 |
主人公の朝比奈元子は大学院生です。
専攻はドイツ文学、1年生です。
その雰囲気の近寄りがたさや地味な印象から
あだ名は「シュバルツさん」。
朝比奈元子にとって特別な人、
それは...
ー榊教授ー
あの日を境にして、
元子は榊教授に淡い恋頃を
抱くようになったのです!
長閑の庭のあらすじ紹介
「君の日本語は美しい」
榊教授は、そう元子に言います。
朝比奈元子ことシュバルツさんは、
その日から教授へ恋をする様になりました。
ーあなたは特別な人ー
大学院の資料を教授の家に届けに行く事に
なったシュバルツさん。
それをきっかけに年の差のある教授との、
心の距離は埋まるのでしようか?
デーブルでお茶を飲む二人。
シュバルツさんの願いは、
少しづつ叶っていってるようです。
この気持ちが、本当に恋なのか。
それとも憧れなのか
それを証明したいと、
シュバルツさんは思っています。
長閑の庭のネタバレと今後の展開は?
「好き」には、どれくらいの種類が
あるのでしょうか。
嗜好に対する好意、
両親が子に対する気持ち、
異性に対する想い。
その心理を説明する論文の宿題を
教授から与えられるシュバルツさん。
教授に会う口実と言うか、理由と言うか、
教授との距離がグッと近づく模様。
シュバルツさんの想いに気付いての、
大人の対応ができる榊教授にも
好感を抱いてしまいました。
シュバルツさんは、その見た目の印象で
「黒い服」を着ていますが、
本来は可愛いものが好きな女性。
榊教授に出会い、恋をする事によって
可愛いものを少しづつ身に着けてゆく様子は
正に恋する人の特有の変化です!!
大学院でお友達も出来て、買い物や
スイーツ、恋バナに花を咲かせる様子は
恋をする前と後では雲泥の差です。
「美しい色」
初めて着た、華やかな服を
教授はそのように言いました。
チャレンジする事は良い事だと。
好きな人に自分を褒めてもらうと、
勇気が湧きますよね。
そして認めてもらうことも、
自信に繋がります。
長閑の庭の読んでみた感想・評価
何気なく発した一言は、
誰かの気持ちに深く残る事がある。
時にそれは恋する気持ち火を灯す事も
ありますよね。
胸の中がざわざわする、
良い意味でも、悪い意味でも。
その心の中の風は、真っ平らな
平原だった心に風を立てる。
人を好きになるとキラキラと
突然世界が輝きだします。
それはもう同じ世界だとは思えないくらいに
シュバルツさんが、教授とのことに一喜一憂
する様子が、可愛らしく読み進めてゆく事が
できました。
シュバルツさんと真反対のタイプで
教授の冷静さも、大人の男性って感じで
魅力的でした。
シュバルツさんの祖父の年齢を聞いた時、
自分の年齢と近い事にショックを受けた
様子の教授...
時折見せる、隠し切れないような
人としての反応も心打たれるものが
ありました。
若い頃に、年上の男性に憧れのような
恋をしてしまう時期が私にも有りました。
教授とシュバルツさんの恋が
結ばれる事はないにしても、二人が
その時同じ時間軸を過ごした。
そのことに深い意味があると
思った作品でした。
長閑の庭はこんな方におすすめな作品!必見
スローな時間軸の中で、恋を進める
大人の恋を読んでいる感覚でした。
大学院生が、大人の男性に恋をして
その気持ちを紐解こうとする
美しい風景が想像できる漫画です。
誰かに、恋に似た憧れを抱きたく
なってしまいました。
こんな博識ある教授なら、
私も憧れてしまうかも知れない。
日本語が美しいと言われたい!!
年上の人に、認められるって
あまりない事ですよね。
だから尚の事、嬉しい気持ちになります。
学んでいる教科が、「ドイツ文学」って
いうのも、また素敵です!
何んというか、イメージ的に!!
もちろん恋するということは、
嫉妬もするし傷つきもする。
この漫画の良いところは、
翳りない優しさに溢れているところです。
恋の暗い部分が感じられない事、
そこはいつも温かくてぽっかりと
陽だまりのようなぬくもりがある。
この作品を読んで、ポカポカ温かい
気持ちになってしまいました。
シュバルツさんの気持ちを察知した時に
榊教授は、「これは恋ではない。」
と言いました。
これが恋であると、証明してもらいたい!
応援したくなる作品です。